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【なるほど沖釣り辞典】大当たり年!未だ釣果があがっている相模湾のコマセキハダ

2024年12月19日公開

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「相模湾はマグロの釣り堀か?」と言われる程の大当たりだった2024年のコマセキハダ釣り。12月上旬、出船する船は少なくなったが未だにキハダの釣果が上がっている。9月30日、沖釣り番組『なるほど!沖釣りマスター』でもハイシーズンに撮影を行い、金澤マスターによる迫力のファイトシーンの撮影に成功した。その時の釣りの模様を「沖釣りマスター」達のなるほどネタと共に振り返ってみる。

前日は7人で9本の本命があがる!

今回は小田原早川港の「坂口丸」からの出船であったが、撮影前日は何と7人で9本の本命がキャッチされ、まさにXデーという喰いっぷり。それは他の船も同様で相模湾の釣果情報は大いに盛り上がっていた。そんな状況での出船に期待は膨らむばかり。2年前の撮影では30kg級を3本も釣り上げた松本マスターと、相模湾で62kgの記録を持つ金澤マスターの2人が意気揚々と船に乗り込んだのであった。

 

朝一は〝追っかけ釣り〟でスタート

いくら前日が爆釣だったとはいえ、アジやイサキのような数釣りができる相手ではない。仕掛けの長さが全く異なる〝追っかけ釣り〟と〝流し釣り〟の過渡期であったため、短い仕掛けと長い仕掛けのどちらを選ぶのか、今回の大きな悩みの種となった。

朝一、久保田幸司船長は、やや移動性の群れを発見して〝追っかけ釣り〟を宣言。これを聞いた松本マスターは、10mのハリスを短めの6mに変更。金澤マスターも同じ長さに揃えた。しばらくすると船が止まり投入合図。船長の指示ダナは海面から30m。2人ともタナ下5mまでビシを落とし、3、4回コマセを振ってタナで止めた。

すると、いきなり松本マスターの竿が海面に突き刺さった。ドラグが滑りスプールから勢いよく道糸が引き出されていく。「マグロか?」道糸が船下の方向に入って行くため、ドラグのテンションを少し緩めにして道糸の高切れ防止対策を施す。さらに船長に道糸の方向を伝えると、スラスターで船の角度を変えてくれ、道糸は海面と垂直になった。僅か20数秒のやり取りであったが、さすが「沖釣りマスター」という落ち着きぶりである。

魚の走りが止まるとすかさずファイト開始。「あれ?キメジ(10kg前後のキハダ)か?」と難なくあがってきたのは5kg級の丸々と太った本ガツオだった。実は今シーズンの相模湾では11kgの超大型本ガツオも上がっており、ファーストランの激しさからキハダと間違えるケースも多くあった。そして次の投入では金澤マスターにヒット。こちらは1kg級のヒラソウダだったが嬉しいゲスト。6mの短ハリスが嵌っていたようである。ここで金澤マスターからなるほどネタが飛び出す。

なるほどネタ1【オキアミ1.5匹分で、キレイな丸掛けにする】
「オキアミ1匹だけだとハリの軸が少し露出してしまうので、それが嫌で尾の身だけにカットしたものを付け足しています」という金澤マスター。このひと工夫で少し大きめのハリを使うこともできるため、ハリ外れの心配も少なくやり取りができるメリットも大きい。さらに金澤マスターは付けエサに関するなるほどネタを披露。

なるほどネタ2【付けエサのオキアミは、鮮度を保つ】
「ハリ持ちをよくするために、自作の液体でオキアミを締めています」という金澤マスター。特に夏場の高気温ではすぐに色が変わり、ふやけてしまう。付けエサは魚との唯一の接点となるのでいい状態を保つことは重要である。この液体は、ガムシロップ7割、芋焼酎3割を混ぜ合わせたモノで簡単に自作可能だという。

いよいよ〝流し釣り〟スタート

移動性の群れのスピードが速くなり、いよいよ〝流し釣り〟の船団に加わると、ここで松本マスターからなるほどネタが飛び出す。

なるほどネタ3【釣り人全員でコマセを撒き、船に魚を寄せる】
「先ずは船に魚を寄せるために、手返しよくコマセを撒くことが大切です」という松本マスター。流し釣りでは最初から魚群の上に船を当てるわけではなく、船の近くに魚がいることをソナーや魚探で確認して流すため、釣り人全員で協力して適量のコマセを撒き続けることが重要なのだ。その日その時の魚の活性次第で船に寄って来る時間は違うが、船に魚が寄って来なければ勝負にもならないのである。松本マスターは3、4分で仕掛けを入れ替えることを心がけていた。そして暫くすると他の船でヒットしている光景が目に付くようになった。「次はこっちの船か?」と松本マスター。1日の後半から沖上がりに掛けて、魚が船に付き〝激熱の反応〟が続くこともよくある。シーズン終盤には朝から流しかえず、1日でひと流しという日もあるほどだ。このタイミングで金澤マスターがなるほどネタを披露。

なるほどネタ4【テーパー仕掛けのテンビン側に、ナイロンを使用する】
「テンビン側にナイロン40号を入れてクッションゴム代わりにしています」という金澤マスター。本格的な〝流し釣り〟シーズンに入ると、仕掛けは10m~15mと長くなっていく。テーパー仕掛けのおよそ半分を伸びのあるナイロンでクッション性を持たせる、というのがここ数年のトレンドでもある。接続部分に大型のスイベルを介し、その重さで仕掛けを早く馴染ませる狙いもあり、この釣り方自体がノッコミ期のマダイ釣りに通じる感がある。

ただ、この日は〝追っかけ釣り〟と〝流し釣り〟の過渡期という状況は変わらず、松本マスターは仕掛けを長くしたり短くしたりと色々と試していた。一方、金澤マスターは6mのハリスに固定し勝負に出た。

遂にキハダがヒット!

〝流し釣り〟に切り替えて数時間。その間に松本マスターに2kg級、金澤マスターに1kg級のヒラソウダが上がったが、時刻は午前11時半を過ぎていた。「船の下に魚が入ってきた!」と船長のアナウンス。指示ダナの40mで待っていた金澤マスターの竿先が一気に絞り込まれた。「来たー!」船長も思わず声を上げる。もの凄い勢いでスプールが逆回転し、ドラグ音が鳴り響く。間違いなくキハダのヒットだ。

「魚が止まるまで糸を出して、巻ける時は巻いていいよ」と松本マスター。なるべく深く潜らせて魚体に大きな水圧を掛けると体力の消耗も早い。走りが止まった所で松本マスターがマグロリングを投入していよいよファイト開始だ。ビーストマスターMD9000のパワーでじわじわと魚を浮かせに入ると、キハダも反転して突っ込みを見せる。「ゆっくりでいいよ」と松本マスター。

この日は前日と違ってキハダのヒットは貴重だ。やっと掛けたキハダを何としてでもキャッチしたいのが釣り人の本心だ。何度も何度も浮かせては突っ込まれ…を繰り返し、リングが効いたのか150mを切った辺りから魚が大人しくなった。そして水深60mに差し掛かった辺りで再び暴れ始めた。竿全体に重量感を残しながらビシまで巻き上げるが、キハダらしき旋回がない。

船長が手繰ったハリスの先にはお腹から後ろをサメに食べられたキハダの頭だけが残されていた。どうやら60m付近で暴れたのはサメに襲われた時の衝撃だったようだ。残念ながらこの日キハダのアタリはこの1回のみで、「昨日は良かったけど・・・」という、よくある話になってしまった。

動画内ではアタリを出すための実践的なテクニックが紹介されている。2025年のハイシーズンに向けて、ぜひチェックして欲しい。特にMVN賞(最高のなるほどネタ)に輝いた金澤マスターのなるほどネタは必見!来年こそ夢の50kgオーバーを目指してイメージを膨らませては如何だろうか。

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