2015年08月15日公開
今年の残暑の厳しさは半端ではない。そこで、夜釣りならば随分楽だろうと、情報を集めていたところ、茨城県・那珂湊『岡重丸』で半夜釣りのムラサキイカがスタートしたと聞いた。6日、ムラサキイカのオフショアマガジン初取材に出かけた。
渋滞予想で余裕を持って那珂湊へ
那珂湊港には北関東自動車道・水戸大洗IC経由で向かった。出港は午後5時、集合場所は観光名所『那珂湊おさかな市場』の裏側(港側)に係留されている「岡重丸」の前。駐車スペースも船の前である。市場の有料駐車場と間違えそうになったが、午後4時過ぎに到着。私を含め9人(手釣り3人、竿釣り6人)の乗船で定刻に出船した。
クルージング気分で釣り場に向かう
当日はベタナギ、航行中は涼しいが湿気が多く、イカ墨用対策の長袖シャツは辛いが、「昼間よりは楽だよ」、「ムラサキイカは墨が多いよ」等と常連さんと歓談。約2時間、クルージング気分の航行の後、集魚灯が点灯された時には辺りは闇の中だった。午後7時過ぎにスタートとなった。
まずはスルメイカだ
「タナ50m」。船長の合図で、水中ライトとプラグ(ウキスッテの大型2.5号)が投入された。タナまで落とし、手釣りはリズミカルに手繰り上げ、竿釣りはゆっくり竿を2、3回上下させ、誘い上げを繰り返す。時間によって遊泳層が変わるようで、50~60mの下方でスルメイカの小型が掛かるが“本命”が掛からず、船長は船を小移動させた。
来た!“本命”ムラサキイカ!
数回の小移動を繰り返し、8時過ぎから40cm前後のムラサキイカが釣れ出した。 船長から「ムラサキイカは墨が多いから桶に水を入れないように」とアナウンス。型が良いから10匹も入るとバケツの底は見えなくなる。桶は帰りの航行の間にネットを被せ海水で洗ってもらえる。ここでムラサキイカの姿をじっくり拝見。形はスルメイカを少し太目にして、水中では白く見えるが取り込むと紫茶色に変わる。足は太くスルメイカより短め、身が軟らかいので足切れも多い。獰猛な性格で吹き出す水と墨は大量で、取り込み時に注意しないと大変だ。船縁の闇から取り込むので、何番プラグに乗っているのか判らず、しばしば水をかぶる。全員悲鳴を上げながら次々とバケツにイカが収まっていった。特に手釣りは座っているので、イカの洗礼から逃げるのが大変、それと手繰った道糸が絡むこともあり熟練の技が必要だ。
噴水・洗礼、海中はイカだらけ!!
私も9時頃から釣りスタートした。全長2m、80号負荷シャクリ竿に電動リール、2.5号プラグ5本バリのブランコ仕掛け、オモリ60号を使用。50mからシャクリ上げると直ぐに“ズン”と手応え、引きが強く竿が引きこまれる。何番目に掛かっているか判らないので腕を伸ばしプラグを1本ずつゆっくり回収し、噴水を回避してまずは1匹。再投入すると20m辺りで仕掛けが止まってすぐに2匹目。どんどんタナが浅くなって、一番浅い時は8m前後でも掛かってくる。「落とし込みの最中にアタリが出る」と聞いていたがその通りだ。こうなると贅沢なもので多点掛け(複数掛け)を狙い、50mまで落としてノリを感じながら上げて行き、ムラサキイカ4点、スジイカ1点の5点掛けに成功。リールも悲鳴を上げたが腕も悲鳴を上げた。船の下はイカだらけ、1時間半の実釣で40匹を釣り終了。隣の西森顕夫さん(友部町)は50cmオーバーの大物を上げて嬉しい悲鳴。明かりに照らされた海面にはトビウオやイワシが集まり、海の豊かさを感じた。
午後11時の終了までに“爆釣”、休憩を繰り返し竿頭は手釣りの高瀬宣之さん(大田区)のバケツ3杯104匹。これでもシーズンが始まったばかりで型も小さいとの事。昨シーズンには300匹超えもあった。納涼気分のムラサキイカ釣り、洗礼とファイトで汗だくになった初取材だった。
数も型もこれから期待!
「今日はまずまずでしたね。11月までは狙います、夏は数釣り、秋には大型が狙えます。3~4kg級や5kgオーバーも出ますよ」と船長。海面でも暴れまわるファイター、ムラサキイカ。見た目はごついが、味は見た目ほど悪くない。イカ専用タックルと大型クーラーを準備して、マイ・レシピを増やしてはどうだろうか。