2015年08月15日公開
「解禁」の二文字は、釣り人の心を揺さぶる。千葉県・外房、片貝沖の“夏ヒラメ”が8月1日、解禁になった。この後、9月1日、10月1日とエリア別に順次解禁となる。「より多くの人に永くヒラメ釣りを楽しんでもらいたい」との工夫だ。今年の釣況や如何にと5日(水)、片貝港『勇幸丸』に出掛けた。
まだ暗い4時過ぎ、片貝港を後にする
当日は片貝港に3時20分頃到着。目印の公衆電話ボックス手前を左折して2隻目が『勇幸丸』だ。既に数人の釣り人が待機中。10分程して市東吉雄船長も到着。船に照明が入り乗船許可が出た。釣り人は我々を除いて6人。右舷側に5人、左舷船尾に1人、全員が着座したのを確認して4時過ぎ「第二勇幸丸」は、まだ暗い片貝港を後にした。
水深40mで期待の第1投
港を出ると、東の水平線だけが茜色に染まっている。45分程走って日の出を迎えた。程なくエンジン音がスローダウン。全員キャビンから出て“戦闘配置”に就いた。船長が餌の活きイワシを配って開始の合図。「水深は40m、高さ3m程の根回りを流すので根掛かりに気を付けて」とのアナウンスと共に期待の第1投。
「潮が流れない」と船長
しかし、魚からの反応は無い。1流し目も2流し目も空振り。『勇幸丸』に通って30年と言う澤村健吾さん(草加市)も、「これだけ流せば、誰かしらにアタリがある筈」と首を傾げる。船長からは「潮が流れない」との声が聞こえる。根の潮上から下へ流そうとするのだが、船が止まったままで動いてくれないとのこと。これでは「線」でなく「点」で探っているようなもの。幅広く探れればヒットチャンスが増えるのに…。
船を動かして、仕掛けを無理やり引っ張る
それでも3流し目、左舷ミヨシ(船首)の古山和夫さん(長生郡)の竿が曲がった。慎重にやり取りして初ヒラメが船長の差し出すタモに収まった。“地合”到来を期待したが“単発”に終わった。暫くして左舷大ドモ(船尾)の木内崇之さん(我孫子市)も、小型ながら“本命”を取り込んだ。苦労の末の1匹だけに笑顔がこぼれた。次の流しでは、ベテランの澤村さんが貴重な1匹を手にした。ヒラメはポツリポツリと姿を見せるが、ひと流し1匹がやっとの展開。私も竿を出してみたが、船長が船を動かして仕掛けを無理やり引っ張っているのが分かる。
「友人の分も」と粘り勝ち
11時の沖上がりまで残り10分を切ったところで、木内さんが2匹目をゲット。野球に例えるなら「9回裏ツーアウトからの逆転打」といったところ。この日、木内さんは友人と連れ立っての釣行。相方は残念ながらここまでオデコ(釣果なし)。「何とかもう1匹」と集中力を切らさず見事“逆転打”と相成った次第。
「九十九里漁協沖釣大会(8/30)」までに完全復活を期待
最終結果は、トップ2匹が2人。船中6匹と、近年になく低調なスタートとなってしまった。しかし、シーズンは始まったばかり。冒頭述べたとおり片貝沖のヒラメ解禁は、3回楽しめる。8月30日(日)には、13船宿14隻で競う「九十九里漁協沖釣大会(ヒラメ)」も予定されている。潮さえ直れば完全復活が期待出来る。釣果速報から目が離せない日が続きそうだ。