2025年01月08日公開
大原沖のカットウフグ釣りが絶好調とのウワサを聞きつけ、千葉県大原港の船宿『長福丸』へと向かった。水深の浅い場所で数が出ており、さらにメインのショウサイフグ以外にヒガンフグ等も顔を出しているようだ。釣り味だけでなく、〝超絶品〟な食味もフグ釣りの大きな魅力。船中の釣果を撮影しつつ、記者も竿を出してみることに・・・。
船宿までのアクセスと受付・乗船について
大原港『長福丸』へのアクセスは様々なルートがある。東京方面からだと湾岸線もしくは京葉道路経由、横浜・川崎方面からだとアクアラインもしくは圏央道経由。最寄りのICは市原鶴舞IC、茂原長南IC、東金九十九里有料道路出口になるが、いずれも約40分程度で船宿まで到着する。船宿の横が駐車場になっているほか、仮眠室(無料)や温水シャワー(無料)などの施設も完備されており、サービスが充実している。
受け付けは乗船名簿に必要事項を記入し、釣り座の番号札を受け取って待機。車の鍵は船宿さんに預けて置く仕組みで、釣り道具は軽トラで船の前まで運んでくれる。その後、乗船時に氷やエサの配布があるので受け取ってから乗船する。番号札は乗船が完了した後、回収となる。
カットウフグ釣りのタックルセッティングについて
竿はカットウフグ専用もしくは、カワハギ竿を代用。オモリは25号が基準なのでしっかりとシャクれる竿をチョイスする必要がある。リールは小型もしくは中型の両軸リールに、1.5号前後のPEラインが基準となる。小型電動リールを使う人もいる。
船宿推奨の仕掛けはカットウ針が2段仕様で、エサ付け針はシングルが基本となるが、自作する方も多くカットウ釣りの楽しみのひとつにもなっている。カットウの部分を〝喰わせ〟のチラシ針仕様にしているものも最近多くみられる。
エサは「アオヤギ」が周辺エリアの名物になっていたが、不漁につきアルゼンチンエビなど東京湾内の湾フグと同様のエサが販売されているほか、ホヤもあるので使い分けて試してみると良いだろう。また、寒い時期は防寒グッズも必須。釣果にも影響するので、グローブやブーツ、靴下、カイロ等は必ず準備して挑んでいただきたい。
使用するエサはエビ5割、貝5割と半々
午前5時30分。人数も集まり、藤井大佑船長の操船で出船となった。「ポイントまで15分位ですから支度して置いて下さいね」とアナウンスがあったのだが、その通りにポイントまでが近くてビックリした。
この日は一気に気温が下がりマイナスを記録したのだが、海上には「気嵐(けあらし)」が発生。徐々に上って来る太陽と重なり、幻想的な景色が広がった。お客さんたちもスマホでしきりに撮影している。手がかじかみ、エサ付けも辛い状況であったがポイントに到着するとすぐに釣りスタートとなった。お客さんが付けているエサを確認すると、エビ5割と貝5割という割合だったが、中には船宿では販売されていない「アオヤギ」を持ち込むアングラーもいた。
水深は6m前後。夜が明けきらないうちは光量が足りないせいか、アタリがあってもヒットにまで至らない状況だったが、その後、太陽が昇り始めると右舷、左舷で同時ヒット!まさに〝お日様の有難み〟が分かるタイミングであった。アタリは細かい。「その一瞬のタイミングを逃さないようにして、迷わずアワセてみることでヒットにつながった」というアングラーの声も聞こえてきた。
活性が低い時間の対策
潮回りを繰り返しつつ、再投入する毎にショウサイフグが上がってくるが活性がイマイチ上がりきらず拾い釣りをしているような状況が続いた。潮や水色の影響もあるのだろう。それでも前半は、貝エサを使っていたアングラーにヒットが集中する傾向にあり、この渋い時間帯にチラシ仕掛けのカットウを使って対策した人も数を伸ばしていた。また、カットウ針には掛からずエサを装着した針に対するヒットが多かったのもひとつの傾向と言えよう。「今、渋い時間でこれですね。ただ活性が上がると手返しが悪くなってしまうから不利になりますね」と解説してくれる釣り人もいた。その後、さらに浅い水深3~4mの海岸線に近いポイントへと移動して、広範囲に仕掛けを投げて探っていった。ここでもポツポツ釣れるような状況だったが、難しさの中にも楽しさがあるのがこの釣り。船中誰しもが夢中で釣りを続けている。
入れ掛かりモードへ
後半戦になると、時間の経過と共にあちこちでヒットするようになった。中には連続でヒットさせる人も。そして記者もこのタイミングで参戦すると、なんと1投目でヒットさせることができた。この時の水深は3m。
その後、次々に仕掛けをアレンジしながら探り、数匹ヒットさせることができた。色々試す中で、〝水深が浅いのだから軽いオモリではどうだろう〟と軽めのオモリに替えてみたのだが、これがまったくアワセのタイミングが合わない。なぜなら、海岸に近い所では、軽いオモリ、カットウだと仕掛けが落ち着かず、弛みの出るフリーの時間が長くなってしまうからである。感触が伝わった時にアワセてもカットウ針が吹き上げられてしまい、アワセが決まらない状態となるのだ。さらに船自体の上下動に加えて、潮や波の流れも影響しやすくなるのでアタリが取れてもヒットまで持ち込むのが難しい。湾フグの釣りとはまた違ったシチュエーションである。25号のオモリがベスト。安定させた上で掛ける事が重要なのだろう。
それでも、最後の1時間は怒涛の入れ掛かりとなった。結果、トップは49匹。前半の心配を他所に素晴らしい釣果となった。この釣りでは、ショウサイフグ以外にもヒガンフグやトラフグも顔を見せる事がある。釣りを楽しみつつ、その後はフグ料理に舌鼓・・・。今後も大原沖のカットウフグ釣りは盛り上がりを見せることだろう。ぜひチャレンジしていただきたい!