2015年09月01日公開
千葉県・勝山『宝生丸』では、8月初旬のカワハギ乗合船スタートから好釣果が続いており、トップ49匹の大釣りも記録されている。この釣果は、“カワハギフリーク”には見逃せない数字。早速、最新のカワハギタックルを携え、未明のアクアラインを走り勝山へ向かった。
勝山漁港の突き当たり手前が受付
富津館山自動車道・鋸南富山ICを下りて右折、勝山漁港までは2km程だ。目指す『宝生丸』は港口を左折。海を右手に見ながら突き当たり手前までに受付があり、すぐ傍に駐車することができる。受付にある釣り座決めのキャップを取り、午前4時には大船長、女将さんが来るので、事前に餌のアサリの剥き身を注文している場合は、受付時に受け取ってから船に乗り込む。
これも楽しいカワハギ釣りの準備
カワハギ船は、高橋賢一若船長が舵を握る「第十一宝生丸」。カワハギ釣りの仕掛けには様々なアクセサリーがある。基本は胴突き3本バリだが、オモリはゴールド、ホワイト、夜光などとカラフルで、さらにカワハギへのアピールアップの為にシリコンゴム製のスカートを付けたりと、人それぞれ工夫に忙しい。出船前の楽しい時間でもある。
近場の随所に点在する好ポイント
定刻の午前5時に出船、すぐ目の前に勝山のシンボルでもある浮島が出迎えてくれる。この浮島と港との間にカワハギの好む根(岩礁)、砂地、カジメ(海藻)帯などが随所にあり、いずれも好ポイントになっている。最初のポイントは港前の水深8m足らずの所。船長の前情報では「潮が濁っちゃって、カワハギが餌を見つけにくいんじゃないかな。また、今シーズンは、早い時期からコッパ(小型カワハギ)が多いね」とのこと。
それでも、開始早々に中型のカワハギが顔を出した。「フワフワと仕掛けを上下していたらアタリが出た」と、船中初獲物を上げた釣り人。スタート早々良い予感!
小移動しながら攻めていく
海底まで日光が届く水深15m付近まではカジメが多いポイント。また、根の際にもカワハギが付きやすい。そんなポイントを小移動しながら攻めていく。消波ブロックが入っているところは浅く、そこからカケ下がりが終わったヘリでは連チャンで釣れた。好ポイントにカワハギが固まっているようだ。
カワハギ釣りの餌はアサリの剥き身
『宝生丸』では、新鮮なアサリの剥き身の用意があるので、予約の時に注文しておくと良い。中には自分でアサリを1粒ずつ剥いて持参するフリークもいる。
アサリの剥き身はザルにあけて水分を切ってからザルに入れたまま海水で軽く洗う。食いの悪い時はそのままに、餌がすぐ取られるような時は硬くする為に塩をふって水分を抜き、締めた方が良い。私は船縁にアサリを1粒ずつ取りやすいように離して並べ、盛り塩を滑り止めにしてアサリを摘みハリ付けしている。この方法だとアサリのヌメリが全く気にならない。また、カワハギ釣りには、ハリの種類、号数、ハリスの長さ、太さなど様々な組み合わせがあり、それを適材適所で使い分け釣果を上げるのも面白さ、奥の深さとなっている。
後半は奇岩が織りなすポイントへ
後半は、浮島付近のポイントを攻めた。終始潮がゆっくり流れ、前日の濁りも薄くなり、カワハギも餌を捉えやすいようでアタリが続く。ここで私も竿を出した。
ここは水深10~20m位。根掛かりが多いが「勝山の海底の岩は柔らかく、根掛かってもゆっくりと引っ張っていると根が崩れて取れることが多いよ」と船長。仕掛けを投入すると小さく、重さの無いアタリが頻繁に訪れる。経験上カワハギでは無いことは明確なのだが、果たして正体は…?数日前にマダイの稚魚4万匹を放流したとのことで、その“チャリコ”が小さな口でアサリをついばんでいるのかも。それではと、上下に仕掛けを揺すりながら素早く動かし、“チャリコ”が追従できない速さの誘いを入れ、段々とオモリを海底へと落とした。着底してもオモリをパタパタと、まだ餌はおあずけ状態にし、“チャリコ”に交じってカワハギもゆらめく餌に魅了されるであろうタイミングでステイ、食う間を与え、ゼロテンションでアタリを出す。軟らか目のカワハギ竿のトップガイドを僅かに揺らすアタリを掛けに行くと小気味よい引き。何度となくのされる引きをかわしながら、海面に浮上したカワハギについほくそ笑んでしまった。
取材の合間に26匹!
その後も順調にアタリが出て、取材の合間ながら26匹のカワハギを釣ることができた。今後、気温、海水温の低下と共に深みに落ちて群れとなっていくカワハギ。そんなトップシーズンを前に、勝山沖の魚影の濃さ、ポテンシャルの高さを改めて感じさせられた釣行となった。
この日は曇りがちの天気だったが、時折夏の太陽が容赦なく照り付けた。下船後、氷水で冷やされたおしぼりが用意されていて、冷えたスイカも供された。火照った体から暑さが遠のきホッとしながら、スイカ片手に今日一日を振り返っての釣り談義に花が咲いた。