2025年01月16日公開
今期絶好調の東京湾タチウオ。昨年までは「テンビン仕掛け」が良い日と「テンヤ仕掛け」が良い日とで、釣果がハッキリ分かれることも多かったが、今期は共に良好。さらに「ルアー」も好調とあって、タチウオファンを喜ばせてくれている。今回は〝テンビン仕掛け〟でチャレンジ!脂がタップリと乗った真冬のタチウオに出会うべく、金沢漁港の『蒲谷丸』に向かった。
今回は「テンビン仕掛け」で挑戦!
まずはアクセスについて。車利用の場合は、横浜横須賀道路経由であれば「並木IC」もしくは「朝比奈IC」、首都高湾岸線経由であれば「幸浦IC」が最寄りICとなる。電車利用の場合は京浜急行「金沢八景駅」より金沢シーサイドライン経由で「野島公園駅」にて下車、徒歩5分程度。金沢八景の駅は改札付近が広く、釣り具をキャリアで運んでも通過し易い。また「金沢八景駅」より送迎サービスもあり(要予約)。
続いて仕掛け。今回は「テンビン仕掛け」で挑んだが、タックルは小型電動リールもしくは手巻き中型両軸リールに2.1m前後のタチウオ用ロッドの組み合わせが基本となる。道糸は2号以下だが、タチウオの活性に合わせて水深を変えていくため、浅場~深場まで幅広いタナを狙った釣りが想定される。高切れ対策も含めて200m以上は巻いておきたい。オモリは40号、60号、80号を用意すれば安心だ。
仕掛けは片テンビンにフロロカーボン6~8号のハリスで長さが全長1.5~1.8m。太刀魚針の一本針仕掛けで、針サイズは#1/0~#2/0。大型や、高活性時の対策として#3/0も用意すると良いだろう。
ちなみに、テンヤ希望の場合はオマツリしない座席であれば釣りが可能(事前に船宿に確認)だが、エサは持ち込みとなる。
関東沖釣り爆釣会・7代目リーダー百川晴香さん登場
船宿に到着した後、車から荷物を下ろすと駐車場まですぐに案内してくれる。待合室もあり、釣り支度を整えながら出船時間を迎えられることは、この時期非常にありがたい。
なお、本日は偶然にもサンケイスポーツさんの取材スタッフも同船しており、取材対象アングラーは釣りビジョンの番組『きょうも大漁!関東沖釣り爆釣会』(通称:カンバク)の7代目リーダー百川晴香さんであった。にぎやかな釣行になりそうだ。
『蒲谷丸』は、午前7時20分に出船。猿島方面に船を進めること20分ほどでポイントに到着した。今冬は、タチウオのシーズン釣果が安定しており、盛り上がりをみせているだけに、釣果にも期待が持てそうだ。
反応を探っていた船長から「タナは46m。そこから上に探ってください」とアナウンスがあった。釣りスタートである。早速アタリがあるようだが、ヒットにまで至るアングラーは少ない様子。それでも、船長から細かくタナの指示が入り、うまく調整してアタリを捉えるアングラーも徐々に増えていった。銀色に輝く綺麗な東京湾タチウオが上がり始めた。
水温低下がタチウオゲームをより面白くさせる
引き続きアタリ自体は多かったが、すべてのアタリがヒットにまで至るという感じではなかった。蒲谷船長が「前日に水温が低下した」と言っていたが、それが関係しているのかもしれない。ただし、東京湾では「上げ潮」、「下げ潮」など、潮で水温が変化することが多く、潮回りなどのタイミングでチャンスが巡って来るはずだ。
そんな中、絶好調だったのが百川晴香さん。彼女はコンスタントにタチウオをヒットさせていたのだが、釣りを見ていると、「誘い上げ」から追わせてヒットというパターンでは無く、「指示棚」に対してある程度の時間仕掛けを固定して誘いを掛けているイメージだ。聞けば「船長に教えてもらったように数回やって、アタリがなかったら〝ハンドル一回転巻いて〟を繰り返しています」とのこと。お見事である。
ただし、タイミングに迷いが生じると針が取られてしまうこともある。伝統のテンビンで狙うタチウオ釣り。次々にヒットする状況も嬉しいが、この勝負は「東京湾タチウオ」ならではテクニカルゲーム。〝熱い〟展開を楽しむのも面白味のひとつである。
繊細なアタリを捉えることができるか!?
後半は記者も参戦。指示棚は54m。針は#2/0をチョイス。ヒット迄のプロセスが、「アタリが強く掛かりやすい」のか「アタリがあってから掛けるまでの待ちの時間が長いか」など、タチウオの喰い方に合わせて針のサイズを#1/0~#3/0の中で調整することにした。
指示棚まで沈めて、仕掛けが安定するまでのイメージを探っていく。ハリスの長さは1.8m。潮が効いている状況だったので1m誘えば針は動くと仮定した。専用竿を使用したので、硬さを活かして細かい誘いを行うことができた。5回、6回と誘いを入れて1mタナを上げようとした時、明確なアタリは感じられなかったものの、穂先に掛かる重さが少しだけ変化した。「タチウオがいる」と判断。
竿先を少し下げて送ると、強いアタリが出た。これをアワセてヒットにまで持ち込めた。この繊細な勝負は非常に面白い。その後、記者もポツポツ上げることができたのだが、そのペースを上回り絶好調だったのが百川リーダーであった。
そして午後2時に沖上がりの時間を迎えた。「ショートタチウオ船」は少し早めの上がりなので時間に余裕があり疲労も少なく、ショート船もいいなと感じた次第である。とにもかくにも今冬絶好調のタチウオ釣り。大釣りはもちろん、テクニカルな状況も〝熱く〟楽しむことができるだろう。ぜひ、チャレンジしていただきたい。