2015年10月15日公開
10月1日、待っていた大原の“生きイワシ餌釣り”が解禁となった。外房・大原港『勇盛丸』では、この釣り方でヒラメ、マハタを狙っている。昨年の取材時には高級魚のクエも釣れた。期待を胸に解禁直後の4日に出掛けた。
仕立船に便乗させて頂く
集合時間は午前4時。東京湾アクアラインを走ると、北風が吹いていたが大原港は東風以外は問題ない。3時30分過ぎに港に到着、休日なのでなかなかの賑わいだ。駐車場前に係留されている「勇盛丸」に向かい男性7人、女性2人の仕立船に便乗させて頂いた。イワシの積み込みを済ませ、午前4時30分に出港。
大物は“根”に入ることもある
船上で夜明けを迎えた。航程約1時間、水深100m前後のポイントに到着。タックルはオモリ100号を使える竿と水深を考えると電動リールが楽だ。仕掛けは市販品でも良いが、一発大型とマハタも考慮して、太ハリス仕掛けも準備した方が良い。大物は“根”に入る事もあり、根掛かりも考えると、仕掛け、オモリは5セットは必要だろう。当日のイワシのサイズは14、15cmだった。
“本命”釣れるが、海の中は!?
第1投はいつでも緊張する。イワシ餌は着底と同時の食い込みがあるので期待してアタリを待った。海底は起伏のある根周りなので、船長からタナの上げ下げの指示がアナウンスされ、ビギナーの女性陣もベテラン勢と船長のサポートを受けてアタリを待つ。
船中で最初のアタリは女性陣に来た。竿先が段を付けて引き込まれヒット!電動と手巻きで、見事、船中1号のマハタをゲットした。1kg級だが“本命”だ。これを見て、全員ヤル気十分となったが、この頃から海中の様子がおかしくなった。午前7時過ぎから根掛かりやオマツリが多発し始めたのだ。仕掛けの交換、オマツリの絡みを取るのに全員苦労する。どうやら底潮の流れが変わったようだ。
活性上がり、バケツは赤に染まる!
ここで水深70mのポイントに移動になった。ここは根掛かりが少なく、8時過ぎに右舷トモ(船尾)のベテランにアタリ。もう一つの“本命”ヒラメを釣ったが小型で、「手の平サイズだ!」とボヤキが出る。続いて左舷胴の間(中央)で良型オニカサゴ、右舷胴の間の“釣りガール”にキントキが釣れ、魚の活性が出てきたようだ。
水深60~70mラインで10時過ぎからアタリが連続。まず左舷ミヨシ(船首)でヒラメが2連発、続いて全員にキントキのアタリが続き、船中のバケツが華やかになっていった。キントキは「チカメキントキ」、「カゲキヨ」とも呼ばれ、ヒレが大きく海面まで引き続ける。専門に狙う乗合船もあり、人気の高い魚だ。地元では刺し身で食べられていると聞いた。全員がキントキ数匹ゲットした後に登場したのは、1m超の“猛獣”クロアナゴ。そして最後を飾ったのはエビスダイだった。実に色々な魚が釣れ、ヒラメ3匹、マハタ1匹と“本命”の釣果は伸びなかったが、賑やかなラストスパートで11時に納竿となった。
シーズンは始まったばかり!
「今日は潮が流れず不調でした。深場は完全に二枚潮でしたね。今後も根周りで大物を狙いますよ」と船長。また、ヒラメ中心での出船もあり、電話予約の先着順で「ヒラメ&マハタ」か「ヒラメ中心」か決まるとの事。予約の際に確認されたい。深場の大物狙いに当たり外れは付き物。1日の解禁日には4kg超級のマハタも上がっている。昔、先輩釣り師から「ハタが釣れるのは場荒れしていない証拠」と聞いた事を思い出した。今後への期待は十分だ。多彩な“外道”も魅力。「今度こそは」と思いながら大原港を後にした。