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東京湾・観音崎沖ルアータチウオ!豪華“ゲスト”登場!

2015年11月01日公開

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今シーズン、東京湾のタチウオが好調だ。初夏の大貫沖の浅場から始まって現在は“セカンドステージ”ともいえる神奈川県・観音崎沖に群れが集結している。そんなタチウオを狙い撃つべく10月19日、千葉県・長浦港『こなや丸』に乗船、ルアーでチャレンジしてきた。

【この記事を書いたライター】牛島 誠

東京湾のルアー船といえばここ!

『こなや丸』は、シーバス&タチウオをメインに時には“青物”、冬~春先にはソフトルアーでメバル、カサゴといったロックフィッシュまで、東京湾内でルアーで釣れる魚をほぼ網羅したいわばオフショアルアーのパイオニア的存在の船宿である。

アクアラインを潜り、いざ観音崎沖へ!
待合所から車で数分、船着場のある長浦港に到着すると、既に数人のルアーマンが準備万端、臨戦態勢で出船を待ちわびている。先発隊のLT(ライトタックル)アジ船を午前5時半に見送り、朝焼けの午前6時、いよいよルアータチウオ船の河岸払い。私を含め総勢8人を乗せた船は、長浦の工業地帯を抜けアクアラインを潜り、航程約1時間の観音崎沖へと向かった。

観音崎沖名物、タチウオ船団!

観音崎沖に到着すると先ずは遠目に見えるタチウオ船団から少し離れた場所でそれらしい反応を見つけてスタートした。
新藤通孝船長から、「水深68m!まずはジグ120gで始めて下さい」とアナウンス。投入されたジグの動きと潮流を見るや、すぐさま「右舷の方は150gに替えて下さい」と指示が飛んだ。道糸PE1号統一やジグのウェイト指定といったように、釣り人同士のオマツリ等のトラブルを、状況を見ながら事前に回避しようとする対策を取ってくれるのは非常に有り難い。

産卵を控えた良型タチウオが浮上!
魚探反応は海底付近に出ている。一斉にジグを落とし、着底後に巻き上げると、その反応も上がって来るものの中々タチウオは深追いしない状況だ。そんな中、まずは船中1匹目が上がった。その後もポツポツながら産卵を控えた良型のタチウオが船上に舞い上がった。

 

船団に合流!餌釣りに勝てるか…!?

暫くして大船団に合流した。船団は主に餌釣り船だが、中に4、5隻ルアー専門船も見える。このところ餌釣りに有利な状況が続いていたが果たして…!?
ここで船長にルアータチウオについて聞いてみた。「ウチではオマツリ回避として皆さんにPE1号統一でやってもらっています。本当はそれより細くても良いんですけど、1号なら“青物”が掛かった時でも何とか対処できますしね(この言葉が後半納得できます)。ジグのカラーはピンク、赤金、パープルを基本にお好みでOKです。ジグのアクションはワンピッチショートジャーク(1シャクリにリール1回転)を基本に、ただ巻きも有効です。その場合はリーリングの速度を変化させて、その日の“アタリ”を探してください。また、ロングジャーク(大きなシャクリ)は、ラインに遊びが出来て、タチウオに切られるリスクが増えるのでお勧めしません」との事。
それにしても船長の的確なアナウンスには感心させられた。「水深83m。根掛かりのあるポイントなので着底させないで65~75mの範囲でやってください」。「今当たっている人は速いストロークです。当たってない人は速めに巻き上げてみて」等々。船中の釣り人を観察しながらアドバイスしてくれる。これならビギナーも安心してチャレンジ出来る。

この状況なら餌釣りにも負けてないでしょう!?

ここでも魚探反応は相変わらず底中心。密集した船団では、餌釣り船がコンスタントにタチウオを釣っているのが見て取れる。いやいや、こちらも負けていませんよ。最初のポイントよりも一回りサイズは小型が目立つものの活性が上がって来たのか、餌釣り船に負けず劣らず釣れ始めた。普段は餌釣り専門で、ルアータチウオは、この日が初挑戦と言う四街道市の長田譲次さんも始めはルアーアクションに戸惑っていたが、船長のアドバイスを聞き、何匹も釣り上げ、この釣りにすっかり嵌ってしまった様子。片や普段は外房のヒラマサや相模湾のキハダ、小笠原まで遠征するというジギングのエキスパート、船橋市の孟健偉さんも、この日の釣果にご満悦。ルアータチウオはビギナーからベテランまで満足させられる、シンプルでそれでいて奥が深い魅力がたっぷり詰まった釣りなのだ。

後半、釣果急上昇!
船団もまばらになる中、昼過ぎ頃から潮もたるみ始めて、ルアーには好条件となった。魚探の反応も底から10mまで上ずって来た。じゃれつく様な感じなのかタチウオ特有の“スレ掛かり”頻発ながら船中あちこちで竿が曲がった。餌取りの上手なタチウオとの心理戦も楽しいが、リールを巻く手を止められるアドレナリン出まくりのガツン!!という衝撃はルアータチウオならでは。
結局、この日は9~29匹。餌釣りにも劣らない釣果だった。

サプライズ“ゲスト”、良型サワラ登場!!

最後の小1時間は、観音崎沖にほど近い“青物”のポイントを狙った。『こなや丸』では、潮具合にもよるが後半ワラサ、サワラといった嬉しい“ゲスト”の“青物”を狙わせてくれる。「水深は50m!底付近にベイトの反応が出ています。35mまでやって!」と船長。
スピニングタックルで狙っても良し、そのままタチウオタックルを流用してもいい。スタイルは各々で楽しめる。そんな中、“青物”タックルを持ち込んでいた都築さんにアタリ!落ち着いたやり取りで、すんなり上がってきたので「それ程でもないかな?」と思っていたが、船長の構えるネットに収まったのは3.3kgの良型サワラ。タチウオで竿頭、おまけに良型サワラまで。羨ましい…。しかし、ドラマはこれだけで終わらない。タチウオタックルで狙っていた美浦村の桜井忠男さんに一際大きなアタリ。無理せず慎重なやり取りの末、上がってきたのは5.2kgの大型のサワラ!なるほど、PE1号の理由がこれで分かりました。
船長曰く「ここのポイントは、“青物”の回遊ルートで条件にも左右されますが、冬場は鳥山が立ったりします。絶対数の多い魚では無いですが狙ってみる価値はありますよ」。この日は大当たり。それにしてもこれほど良型のサワラがここで釣れるとは…いやはや東京湾のポテンシャル恐るべし!

まだまだ年内一杯有望!
納竿後、船長に気になる今後の展望を聞いてみた。「例年だとタチウオは、これから深場の下浦沖にポイントが移ってウチではシーバス狙いに変更していくけど、現状の餌釣り船の釣れっぷりからすると、観音崎沖でおそらく年内一杯は楽しめるんじゃないでしょうか。徐々にルアーへの反応も良くなってきたので今後も有望ですよ!」。何にせよタチウオ、シーバス、“青物”からメバルまで、東京湾のルアーフィッシングは釣り物豊富でこれからがまさに本番!『こなや丸』のルアー船から今後も目が離せそうにない。

今回利用した釣り船

千葉県長浦「こなや丸」
〒299-0265 千葉県袖ケ浦市長浦拓1-1-111
TEL:0438-62-2707(定休日 毎週火曜日) 釣果・施設情報 こなや丸ホームページ

出船データ

ルアータチウオ船(完全予約乗合・要電話予約)
出船時間:6時出船 沖上がりは状況により変動
基本料金:ルアータチウオ大人9,500円(氷付き)、女性7,500円・中学生以下4,700円
※料金は3人以上。3人以下の場合1人1万円、レンタルタックル有り
     
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