2015年12月01日公開
東京湾の入口、豊かな釣り場として名高い館山湾の南端に突き出ているのが洲崎。洲崎灯台を過ぎてすぐのところにある洲崎港から“マハタ&ヒラメ五目“に出船しているのが『北山丸』。11月1日のヒラメ解禁とともにスタート。ヒラメは勿論、超高級魚・マハタを狙えるのが最大の魅力だ。解禁間もない7日(土)にマハタと対面すべく出掛けた。
午前5時集合、餌のイワシが届いたら出船
この日の集合時間は午前5時。まだ薄暗い早朝ながら、『北山丸』には、あわよくばマハタを釣りたい(食べたい)グルメな釣り人が集まって来た。待合所は港のすぐ横にあるから、受け付けから乗船までは非常にスムーズ。船に乗って準備をしながら、餌のイワシが軽トラックで運ばれてくるのを暫し待つ。
最初のポイントはヒラメの名所・平砂浦沖
当日の乗船者は、私を除き6人。マハタに魅せられた常連さんの他、親子連れの姿も見られる。餌の活きイワシが到着し、船の生簀に入れられて午前5時40分過ぎに出船した。20分程走って到着したのは平砂浦沖。古くから陸ッパリでも大ヒラメを狙える場所として名高いサーフで、勿論今でもヒラメの好ポイントである。水深は13m。ようやく明るくなってきた午前6時、まずはヒラメ狙いからスタートした。
砂地だけでなく漁礁も点在。“ゲスト”のカサゴも大型
砂地が多い平砂浦沖では、イワシの回遊が見られる時は大釣りが期待できるのだが、この日はイワシの反応はない。ただ、ところどころ漁礁があり、その周りは好ポイントになっている。船長から、「水深が浅く、ヒラメの警戒心が強いので、餌を落とし込む時はゆっくりが良い」とアドバイス。そして7時20分、右のトモ(船尾)で待望のアタリ!しかし、痛恨のハリス切れ。すぐ後に左舷でも2連発でハリス切れ。どうやらカンパチが回って来たようだが、誰も本格的なファイトには至らずじまいのまま。しかし、そのすぐ後に右ミヨシ(船首)の石本誠之さん(東久留米市)が釣り上げたのは32cmの堂々たるカサゴ。『北山丸』の春のカサゴ狙いでは、こんなサイズが珍しくないそうだ。
いよいよ“大本命”マハタ狙いへ!
平砂浦沖では、ヒラメらしきアタリもあったものの、イワシの群れが少なく、期待薄とみた船長は、午前8時20分に移動。今度の水深51~52m、ヒラメは勿論、マハタ系の根魚もいるというポイントだ。オモリは60号。「底から上へと誘い上げるのもいいですよ。上下に動かす縦の誘いに反応がいいです」とアナウンスが入った。船長のアドバイスが功を奏したのか、右ミヨシの石本さんが釣り上げたのは40cmほどのヒラメ。小さいながらも、“本命”第1号だ。その後暫くして、右トモの菊地正男さん(竜ヶ崎市)にも同サイズが上がった。
再び移動、アヤメカサゴやヒラメ連発で船上は賑やかに
ヒラメが立て続けに上がったものの、“大本命”であるマハタは依然として顔を出さない。そして午前10時、さらに移動。水深はさらに深く65m前後となり、オモリも80号指示。右トモの菊地さんがアヤメカサゴを釣り、さらに2.5kg程のヒラメも連発。間もなく、右ミヨシの水谷さん親子にも2.6kgのヒラメ。このヒラメは10歳になる息子の奏仁(かなと)くんが立派に釣り上げたもの。
船長渾身の操船で浮上したのは、3.2kgの“大本命”!
ヒラメの連発はあったものの、船長が狙う“大本命”はあくまでもマハタ。小移動して各所に点在する根を狙っていく。一気に5mほども水深が変化する根や、かなり小さい根もあり、船長によれば、こうしたポイントは100ヵ所以上もあるとの事で、その引き出しの豊富さには驚かされる。そして、あるポイントに入った時、「ここは根がすごく小さいけど、期待が持てる場所だから」とアナウンスが入った。その細かな操船からも、非常に小さな根であることが伺える。そして遂に右トモの菊地さんにヒット!ベテランだけに「これはマハタだぞ」と、食い方などから判断していた。船長と周囲の期待の中、海面に浮上したのは3.2kgのマハタだった。これぞ、洲崎沖の“大本命”!
その後もマハタが次々と。これから本格シーズン!
他の釣り場では、決して釣れる確率が高いとは言えない(どころか滅多に釣れない)マハタ。しかし、『北山丸』では取材後も4.2kg、2.7kg、そして6.2kgのビッグサイズまで出船するたびにマハタが上がっている。館山自動車道の開通以来、都心からのアクセスもグッと良くなり、素泊まりも出来るので遠方からの人でも万全の状態で超高級魚・マハタに挑むことが出来る。