2015年12月15日公開
千葉県・内房地区で、小型ながらマダイが釣れており、ワラサやハタなどの高級魚も交じって釣れるとの情報。お正月用のマダイと“高級ゲスト”の仕入れの下見にと、千葉県・勝山港『利八丸』を訪れた。
館山自動車道・鋸南富山ICで降りて10分
『利八丸』がある勝山港へは、館山自動車道・鋸南富山ICを降りて10分程。途中にコンビニなどが無いので、買い物は事前に済ませておいた方が良い。港の入り口を左折、右手に港を見ながらゆっくりと走ると、突き当り手前に『利八丸』の看板が見えてくる。看板の脇に掛かっている船形の札を取り、釣り座を決める。魚直売所の看板のすぐ前で、その海側が駐車スペース、堤防に船が舫ってある。
受け付けを済ませて乗船
出船時間の1時間前には女将さんと船長が来るので、釣り座表の後ろ側で受け付けを済ます。その際、凍ったコマセブロックを忘れずに受け取る。乗船したらバケツに海水を張り、まずはコマセブロックをとかし、船縁にセットされたザルに入れておく。氷は各釣り座に船長が配ってくれる。
オモリ80号のテンビン仕掛けに10mのハリス
マダイには色々な釣り方があるが、今回はコマセ釣りで狙った。コマセを「ビシ」と呼ばれるカゴに入れ、撒き餌をしながらの釣りになる。ビシはプラスチック製やステンレス製などがある。コマセの出具合が調節でき、この中にとけたコマセを7割程度入れる(ビッシリ詰めると出にくくなる)。基本的にはオモリ80号のテンビン仕掛けだが、ハリスが10mと長いので、船が移動する際にハリスは、濡れた足元などに置いておくと風による絡みを防げる。
10人の期待を乗せていざ出船!
船は港を出て南下、富浦沖方面に舳先を向けた。航程30分程で館山湾の北、大房岬沖付近から開始した。まず付け餌だが、沖アミの尾羽を切って1つはハリの軸に沿って真っ直ぐに付け、もう1つを向かい合わせて抱き合わせるように付ける。船長の合図と共にコマセを詰めたビシを海中へ。この時もう一方の指にハリスを掛けておき、クラッチを切ると共に沈下して行くビシに合わせ順次送り出して行く。常連さんの中には、1本の竿はマダイ狙いで細ハリス、もう1本はワラサ狙いで一回り堅牢なタックルで、それぞれタナを変えて狙い分けていた(2本竿は船長の承諾が必要。混雑時は避ける)。
マダイが、そして高級魚も!
魚探反応の割にはアタリが出ない。そこで船長はマダイが上がっている僚船の情報で小移動。ここではひと流し目からマダイのアタリがあった。ビシが着底したら素早くクラッチを入れ、竿を下向きにしながらラインを巻き込み、底から素早く数回に分けてシャクリ上げる。この時海中では、底から数mに渡ってコマセの煙幕が張られることになり、そのコマセの中に付け餌がハリの重みでゆっくりと沈下する。付け餌とコマセとが同調している時が最大のヒットチャンス。船長の指示ダナは底から、ハリスの長さ+3、4mだった。
ワラサも登場!賑わう船内
マダイのアタリも落ち着き、船長は再度ワラサが交じるポイントへ舳先を向けた。ワラサはマダイと違って、コマセワークの後は置き竿にせず、ひとしきりコマセを振ったら短いインターバルで巻き上げ、コマセワークを繰り返す。ハリスも面倒がらずに太い物に替えておくことを忘れずに。そうした中、左舷トモ(船尾)で竿先が大きく引き込まれた。上がってきたのは見事なワラサだった。
“ゲスト”の主役は“出世魚”!!
この釣り、ワラサを始め、ハタやアマダイ、イサキなど多彩な高級魚が交じるのも大きな魅力となっている。特にワラサは、言わずと知れたブリの“成年魚”。ブリはワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと成長するにつれて呼び名が変わる“出世魚”である。正月用の魚としては、マダイと共に欠かせない魚の一つだ。日本海側・北陸地方では、どの魚よりも珍重され、“氷見のブリ”は全国区で知られたブランド魚である。 今シーズンの内房地区では、脂の乗ったブリ(ワラサ級)が船中で何匹も交じっている。この日は、マダイ、ブリとも一息の釣果だったが、取材前日までは“爆釣”とも呼べる好成績が上がっていた。条件さえよければ確実に釣れるはずだ。正月用の魚調達には持って来いの釣りと言えよう。