2016年01月01日公開
石花海と書いて「せのうみ」と読む。駿河湾のほぼ中央に位置するマダイ、イサキ、オニカサゴを始め、カツオやメジマグロまで釣れるA級の釣り場として知られた所。冬のターゲットはヤリイカだ。今シーズンは、ややムラなスタートを切ったが、盛期に突入した年末、静岡県・戸田港『ふじ丸』に出掛けた。
平日でも満員の盛況!!
集合は午前4時半と早い。石花海は位置的にどこの港からもそれなりに遠く、戸田港からの航程も約2時間。風で出船できないことも多く、遠征釣りのため料金も決して安いとはいえない。もっと手軽なヤリイカ釣りは他にもあるが、ファンにとって石花海はやはり特別な存在のようだ。この日も平日にも関わらず、戸田港の船着場に集結したのは満員御礼の12人。山田真一船長の操船で静かに岸壁を離れた「ふじ丸」は、北東の風に背中を押されて釣り場へ向かった。
駿河湾中の船が集結!
7時前にポイントの到着。西伊豆、沼津、清水、静岡、焼津、御前崎と湾を取り囲む各港から沢山の釣り船、職漁船が集まっていた。ここは台地状の瀬が南北に広がった釣り場で、いくつものポイントを総称して石花海と呼んでいる。東側は水深1500mまで一気に落ち込む急深な地形で、ヤリイカのタナも他のエリアに比べると深め。この日は180~220mを攻めたが、潮が極端に澄んだりすると、300m近い深場を狙う事もあるので、リールの糸巻き量はしっかりとチェックしておきたい。
石花海名物“パラソル”登場
船長の合図でスタート。すぐに船中で中・小型がポツポツ釣れ出したが、今ひとつ盛り上がりに欠ける。左舷トモ(船尾)寄りの篠原さんが取り込みに入ったのを眺めていたら、いきなり特大ヤリイカが海面を割った。“パラソル”級と呼ばれる大型こそが石花海の魅力だ。他のエリアとは捕食している餌が違うのか、大きいだけではなくて身が厚いのも特徴。そんなヘビー級のヤリイカとあって、プラヅノはダブルカンナが標準。通常のシングルカンナではイカの重みで掛けバリが伸びてしまったり、身切れを起こしやすいから注意。最近は少なくなったが、通常のヤリイカ釣りでは、あまり見かけない胴調子竿スタイルも石花海ならでは。これも大型イカのバラシを防止することが狙いだ。
好転せぬまま無念の納竿
時折“パラソル”級も交じるとはいえ、乗りは渋かった。「10時半ごろまで辛抱して」と船長。なんでもここ数日は陽が高くなってから乗りが活発になったらしい。確かに、10時を過ぎる頃から徐々に魚探反応が濃くなり、ここにうまく仕掛けが入れば間違いない!しかし、何が気に入らないのか乗りは依然としてポツポツ状態。そしてそのまま午後1時に沖上がりとなってしまった。 最終釣果は横浜市の豊田さんがトップでヤリイカ9杯、スルメイカ1杯の計10杯。平均では6、7杯といったところか。滅多にない“激渋日”に遭遇してしまった。しかし、その後はトップ30~40杯にまで回復しているので安心して出掛けていただきたい。