2016年04月01日公開
春を代表する千葉県・房総の船釣りといったら、やはり“春イサキ”だろう。3月1日の“開幕”以降、順調な釣果を上げている。三寒四温と言われるこの時期だが、春の訪れを感じに南房総・相浜港『安田丸』へ出掛けた。
南房総は今まさに春!そうだ、釣りに行こう!
3月に入っても不安定な天候が続き、真冬を思わせるような肌を刺す冷たい雨が続いたが、ようやく天候も回復した。出掛けた3月18日は、「関東の最高気温18℃」という天気予報。おまけに釣り場が南房総とくれば春の訪れを感ぜずにはいられない。そんな私と同じ気持ちを持ったか持たないか、平日にも関わらず8人のイサキファンが集まった。
ポイントが近いのも嬉しい
港集合は午前5時、夜が明け始めた5時半に定刻通り河岸払いした。「安田丸」は大型船にも関わらず定員16人と決めている。そのうえ、各釣り座にはマグネット板が設置されており、細ハリスを使用するイサキ釣りにはありがたい。ポイントの布良瀬までは航程約15分と至近距離。実釣時間を長く取れるのも南房総の船釣りの魅力だ。
好釣果に偽りなし!開始1投目から顔を出す!
ポイントの布良瀬に到着すると、安田智浩船長が魚群探知機で反応を探りながら、ここぞというところでアナウンス。
「どうぞ!タナは13m。15mまでビシを沈めてコマセを振りながら2m上げて探って下さい」。出船前の話では、1週間前までは好調で規定匹数(50匹)に達していたが、このところの雨続きで気温も下がり海水温も不安定で、釣果もやや不安定との事。一抹の不安がよぎったが、開始1投目から単発ながら中型のイサキが顔を出し始めた。
イサキならでは!多彩な“ゲスト”も顔を出す
開始早々から“本命”が釣れ、船長も一安心。
「コマセの放出調整は上窓が3分の1、下窓は全閉に近い紙一枚分開けています。仕掛けは上2本がイカ短やバイオベイト、下バリにオキアミを付けるのが基本です。活性が高い時は空バリでも釣れるカラーフックも有効です。ウチの船ではこの仕掛けを推奨しています。食いの良し悪しに正直ハリスの太さはそれほど関係ないと思いますが、食い渋った時、特にハリスの長さは食いに影響すると思います。食いの悪い時ほど長いハリスに分がありますね」と船長。
船中では相変わらず単発が目立つものの時折一荷(2匹)もあり、大型メジナを筆頭に多彩な“ゲスト”交じりで“本命”のイサキが上がっていた。
潮変わりで一変、アタリが遠い状況に
その後、9時頃から潮の流れが変わりアタリが遠のいた。船長は、ポイントを移動してやや深めの水深23mを攻めたがここは不発。船長は魚探の反応を探って、食い気が無いとみるや即座に移動とマメにポイントを変えていく。安田船長の操船は実にアグレッシブだ。通常コマセ釣りでは「魚を寄せる為、しばらくそのポイントを流す」という私の勝手なイメージがあったのだが、ここでは魚のアタリが無いとみるや、すぐさま次の反応を探しにポイント移動といった具合で、船長の釣らせたい熱意が伝わる操船だ。その熱意が魚にも伝わったのか、後半に入った10時を過ぎた頃、タナ13mで再び活発な食いが始まった。
常連さんのマル秘仕掛け拝見♪
シンプルに思われるイサキ釣りの仕掛けも十人十色。『安田丸』に足繁く通う常連さんの仕掛けを拝見させてもらった。大船長の時代から、30年来通い詰めているという船橋市の田村弘さんの仕掛けは、遅潮対策としてハリスにシモリ玉を通したいわばフロート仕掛けだ。また「『安田丸』の主」こと墨田区の本田巌さんの仕掛けは、枝ス部分に透明なビニールパイプを被せ、絡み止めと潮馴染みを考慮した仕掛け。どちらも海中での浮遊感を演出した仕掛けで、安田船長の長ハリスが効果アリの言葉通り、“ふわふわ感”がイサキ釣りのキーワードなのだろうか、これは実に興味深い。
本番はこれから。数・型とも有望!
そのまま11時半の納竿までポツポツと釣れ続き、終わってみれば本田さんが43匹で竿頭。田村さんが31匹、中川さんがイサキ21匹、メジナ11匹と残念ながら定数には届かなかったものの、皆さん良型メジナ交じりで充分“お土産”は確保できた。
「この日の水温は1週間前と比べてやや下がって15.1℃でしたが、それでも例年より比較的高く、沖には17、18℃台の潮があります。それが灘に差して来れば一気に本格シーズン突入ですよ!そうなるとタナも7、8mまで浅くなるので、ライトタックルでも挑みやすくなります。ウチではオモリ40号のライトタックルも大歓迎!この水深ならノーマルタックルと同乗でも、オマツリなく楽しめます」と船長。
近年の高水温の影響か、6月頃の“梅雨イサキ”の白子、真子の入り具合も段々早くなっているそうだ。これからがイサキの“本当の旬”。まずは春の訪れを感じに出掛けてみてはいかがだろう。