2016年05月01日公開
関東地方のサクラの季節は終わったが、春の海の“サクラ”と言われるマダイは、乗っ込みシーズンを迎える。明確な乗っ込みとは言えないまでも“らしい釣果”が出始めたと聞き、4月16日、千葉県・勝山港『宝生丸』に出掛けた。
釣り場は港から航程20分
東京湾アクアラインと富津館山自動車道が完成して以来、都心からのアクセスが大幅に良くなった勝山港。「宝生丸」は、その勝山港の一番海寄りに停泊している。船が舫ってある目の前の駐車場に午前3時45分に車を停めた。間もなく船の前で受け付けが開始され、女将さんから沖アミ3kgと氷を受け取って乗船した。車から船に直接荷物を積み込めるので、大型クーラーボックスなどがある時は、実に便利だ。
定刻の5時、釣り人9人を乗せて、高橋栄・大船長と賢一・若船長の“2人船頭”で出船。若船長が舵を握り、大船長がタナ取りなどの注意を乗船者にレクチャーしている内に釣り場に到着。航程20分程だ。
潮が流れず厳しいスタート
「今日は、全て上(海面)からのタナ取りでお願いします。指示ダナから5m下まで落として、指示ダナまで上げて待って下さい。ハイどうぞ」と言う大船長からのアナウンスでスタートした。大船長は、この日初めてマダイに挑戦するという女性に懇切丁寧にレクチャー。まずは大船長自身が手本として第1投を投入、40秒程後に仕掛けを回収、付け餌を確認した大船長は、即座に指示ダナを変更した。しかし、潮がほとんど流れていない為か魚からの反応は全くなし。
左舷大ドモでマダイ連発!
潮の流れがほとんどない為、あちらこちらで仕掛けがビシに絡まって来る。暫らく、厳しい時間が流れたが、近くの船で魚が取り込まれたのが見えた。その後間もなく、左舷大ドモ(船尾)の新井努さん(柏市)の竿先が海面に突き刺さった。全員が注目する中、慎重なやり取りでキャッチされたのは1kg弱の綺麗なマダイだった。船中の初物に新井さんから満面の笑みがこぼれた。待望のマダイが上がり、乗船者のテンションが上がった。そして、船中2匹目も新井さんの竿にヒットした。やはり1kgオーバーの美しいマダイだった。
2㎏オーバーの良型も!!
次に3匹目を釣り上げたのは右舷3番目に座った木内隆士さん(川崎市)。満月にしなった竿で、魚の突っ込みをいなし、無事にネットに収まったのは、ブルーのアイシャドウも美しい1kg程のマダイ。更に新井さんが自身3匹目を掛けた。無事タモ取りされたのは2㎏オーバーの立派なマダイ。“乗っ込みダイ”特有の美しい魚体をしたお腹から、今にも卵がこぼれそうになっていた。
4号のハリスを切る大物出現!?
続いては、新井さんの好調を隣で見ながら、我慢の釣りを展開していた大久保文博さん(市原市)が、余裕のやり取りで1kgオーバーの美しいマダイをキャッチした。少し潮が流れ出したようで、鳥の群れが魚を追って移動して行った。ここで、何の前触れも無く、竿先が海中に突き刺さった。慎重なやり取りをしていたが、無念のハリス切れ。4号のハリスを切る大物の出現に船中のテンションが更に上がった。
最終釣果は船中11匹!
続いて年間釣行回数100回を数えると言う鴨川保夫さんにヒットした。取り込まれたのは800g級の雄のマダイ。お腹から白子がこぼれた。百戦錬磨の鴨川さん、すぐに2匹目のマダイを取り込んだ。その後、船中でマダイが1匹追加された後、絶好調の新井さんが6匹目のマダイをキャッチしたところで納竿時間を迎えた。
潮の流れがほとんどない厳しい一日だったが、終わってみれば0.5~2.1kgのマダイを船中11匹の好成績だった。舵を握っていた若船長は、「魚探は多くのマダイの反応を捉えていました。潮が良くなれば爆発しますよ」と明るい見通しを立てていた。 いつ“爆釣”があってもおかしくない内房・勝山沖の乗っ込みマダイ、近々に出掛けてみては如何だろう。