釣りビジョン

東京湾“江戸前”マゴチ、今季も十二分な手応え!

2016年05月01日公開

03_main.jpg

ここ数年、真夏の「照りゴチ」を待たずして、3、4月から出船する程の人気を博しているマゴチ。今年も好調との情報をキャッチ。古くは手バネ竿で楽しまれた“江戸前”の代表的な釣り物。そんな風情を残す、東京湾奥・深川に昭和23年から船宿を構える『深川 吉野屋』に4月20日に出掛けた。

【この記事を書いたライター】林 良一

乗船場に集合!

マイカーの場合、乗船場の住所をカーナビに入力。高速道路は箱崎方面からなら木場出口、湾岸線方面なら枝川出口を出て5分足らずだ。電車の場合は、東京メトロ東西線・木場駅下車が便利。駐車場は乗船場を右手に見て100m程の右側のコインパーキングの奥、中央付近に白いラインが引いてある向こう側に駐車する。乗船場の向かいにはコンビニがある。

釣り座は先着順
釣り座は先着順だ。乗船場のゲートの前にクーラーを並べる。ゲートが開いたらタックルを持って船に移動、希望する釣り座にタックルを置き、受付で乗船名簿を書き込んで支払いを済ませる。船着場までの通路中央に氷が用意されている。

シンプルな仕掛けに一工夫

仕掛けは、三日月オモリか鋳込みテンビンにハリスとハリと至ってシンプルだが、ここで一工夫。掛かった時、頭を左右に振る暴力的な引きを見せるので、ハリのチモト部分がハリスに擦れて大型ほど、ハリ直上でのハリス切れを起こしやすい。なので私はハリを結んだ後、チモトから2mm程出るように編み込みを施している。また、中オモリに接続するスナップ類の結び目のヒゲは、本線に編み込んでヒゲを残さずカットしている。こうしておくと、ハリスが沈下中にリーダーに絡んでも、海底ではスルリと抜けるように取れ、仕掛けの絡みは皆無だ。

サイマキ餌を活かす
餌の動きが良いほどヒット率が高い。活きエビを弱らせないようゆっくりと仕掛けを投入して、ハリ付けした後も活きの良いままの状態で泳がせるのが理想的だ。まず、ハリの軸と干渉してしまう目と目の間のケンを折り取り、口からハリ先を入れ、黒く見える脳に刺さないように、ハリ先を殻から1、2㎜出して止めるようにする。乗船時に5匹のサイマキが付くが、追加は1匹100円で購入できる。

 

ポイントは東京湾“中央部”

舫いを解かれた「第七吉野丸」は、運河を抜けて東京湾へ出ると、待っていたかのように船足を上げた。春、晴天にしては冷たい北東の風を頬に感じながら、船は一路、マゴチ釣りの大場所、大貫沖を目指した。最初のポイントは東京湾観音前。ここでは竿先にフワフワとイカのアタリが目立ったものの、55cmオーバーの見事なマゴチも釣り上げられた。

超浅場のポイントに移動、大型ゲストが!

イカに好かれた最初のポイントから船は北上、第一海堡南側の浅場ポイントに移動した。ここは水深10mを切る超浅場のポイント。上げ潮で船首は北に向き、ミヨシの釣り座からアタリが出始め、水深が浅い分、掛けた直後から力強く断続的に竿が曲がり、マゴチの引きを存分に楽しめるポイントだ。移動の合間にタックルを準備していた私は、初めて使う竿の調子を見ようと、底立ち、オモリを背負った竿の曲がりを確認していた。タナを決め、底から1m上げてオモリをストンと落とす。餌木が水中に斜めに沈んで行くような、ハリがオモリとなったエビが、フワリと海底に舞い降りていくイメージ。
数回繰り返すと押さえ込むようなアタリが訪れた。軟らか目の竿なので、少し聞き上げると、咥えた獲物を逃すまいと、振幅のある引き込みが不規則に、それも段々と大きくなるように続き、のされそうになる竿を無理やり起こすようにして合わせを入れた。底に張り付くような重鈍な引きの末、上がってきたのは2kg、60cmを優に超える見事なヒラメだった。

上げ潮のタイミングで富津岬の北側へ
正午前、南風に変わるのとほぼ同じ時間に、潮も上げ潮に変わるタイミングだった。その時船は、富津岬の北側、第一海堡を南に見るポイントに移動した。移動して1時間後、上げ潮が効いてきたのだろう、マゴチの活性が一気に上がった。トモ流しだけに、両ドモの竿の曲がりが止まらないほど!

筋を変えてみる

海底に潜んでいるマゴチは、船が流れて行く方向から釣れ出すものだが、そこで「自分の釣り座では不利だな」と思ってしまいがちな人もいるだろう。確かに釣り座の有利不利はあるのだが、そんな時は、船の流れる方向を見極め、その方向にいる釣り人の仕掛けが通過した場所に自分の仕掛けが通らぬよう「筋を変えて」狙ってみると良い。具体的には、立ち位置を半歩横に移動し、竿をなるべく船縁と並行に構え、竿先を船縁ギリギリにしてみるのだ。そうすると、自分の釣り座の左右1m位ずつを探ることができ、まだ仕掛けが通っていない、フレッシュな筋に仕掛けを通過させられる。実際、私は当日、この方法でマゴチをキャッチしている。

今季も手応え十分!
マゴチ釣りはエビ餌の他にメゴチやハゼなども使う。このところルアー釣りの人気も高まっている。『深川 吉野屋』では、餌釣り、ルアー釣りそれぞれ別船で出船している。当日は12人乗船でトップが9匹、船中32匹のマゴチをキャッチした。今年もマゴチの魚影は濃く、これから気温が更に上がり、マゴチが旬となる季節に向けて十二分な手応えを感じた。江戸前の高級魚、品のある白身が身上のマゴチ、是非挑戦してみてはいかがだろうか。

今回利用した釣り船

東京都深川『深川 吉野屋』
〒135-0042 東京都江東区木場6-12-7
TEL:03-3644-3562
定休日:毎週火月曜日 釣果・施設情報 深川 吉野屋 ホームページ

出船データ

《予約乗合い》
料金:マゴチ船 9,500円(氷付き)
集合:午前6時半
出船:午前7時
貸し道具:あり(有料)
駐車場:無料
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部