2016年05月15日公開
千葉県・外房は既に夏間近か! この時期に回遊してくるヒラマサを“春マサ”と呼び、人気も高い。今シーズンは中々“入荷”情報が来なかったが、5月に入り、やっと姿が見え出したとの情報。GW終盤の5月6日、千葉県・勝浦川津港『宏昌丸』のルアー船に乗った。
希望の釣り座を取るならお早めに
東京湾アクアラインから圏央道に入り、市原鶴舞ICで降り、国道297号線を勝浦市方面へ走ること45分、川津港へ向かう右側に『宏昌丸』の黄色い看板が見えてくる。この日の集合時間は午前5時、まだ暗い4時30分に到着した。『宏昌丸』では、船宿の玄関左前に釣り座番号の書かれた座席予約表があるので、希望の番号を取って港へ移動する。港には『宏昌丸』の軽トラックがあり、そこで受け付けを行う。この日、釣り座は集合30分前に全て取られていた。今日はよい取材ができそうだ。
希望者には釣り方レクチャーも
「宏昌丸」は、川津漁協地方卸売市場の前に停泊している。港へ車で移動し、道具を下して受け付けを済ませた後、女将さんの指示で車を船宿の駐車場へ戻すので、なるべく船の側に車を停めると良いだろう。受け付け時に申し出れば、希望者には吉清良輔船長による釣り方レクチャが受けられるので、初めてルアー釣りに挑戦する人も安心だ。
出船時間は5時30分、乗船するとすっかり辺りは明るくなっていた。総勢18人のルアーマンを乗せた「第三宏昌丸」は、定刻通りに川津港を出船した。
水温下がり厳しい状況
港を出て15分。このところヒラマサが上がっていると言う海中公園沖に到着。「水深15~45m。カケ上がりになっているから根掛かり注意で!」と言う船長アナウンスでスタート。『宏昌丸』では、ひと流し毎に左右の入れ替えを行なう。釣り方の選択(ジギングOrキャスティング)は、釣り人の状況判断で自由に変更する事が出来る。基本的には、ジグでも前方にキャストしてボトムを取って巻いてくる。この日は曇り空で、海上はナギと釣り易い状況だったが、釣り始めて小1時間経過しても船中バイトすらない。数日前の低気圧通過に伴い、水温が4℃近く下がった為か、魚の活性が落ちてかなり厳しい状況。船長は海水温の変化が比較的少ないと思われるエリアに船を大移動した。
待望のバイト!
走ること50分、大原沖のポイントに到着した。ここも水深は15~40m。カケ上がりになっているラインを流す。すると左舷大ドモ(船尾)でジギングをしていた西原弘貢さん(東京・大田区)に待望のヒット! ロッドは撓るがドラグは出ない様子。上がって来たのは“本命”ではなくショゴ(カンパチの幼魚)だった。そして、間髪をいれず隣で同じくジギングをしていた伊東宏一郎さん(横浜市)にもショゴがヒット。これで船中活気付いたが後が続かず、1時間後再び小移動となった。
待望の“春マサ”!!
同じ大原沖で移動すること15分、厳しい状況は続いたが、船の先端でジギングをしていた森本雅史さん(東京・八王子市)に“本命”らしきアタリ。水深が浅いので船下まではすぐに寄って来るが、そこから一気にまた走る“青物”らしい引き。釣れて来たのは“本命”ヒラマサ。まさに“春マサ”のアベレージサイズ3kg前後である。ほぼ同時に左舷胴の間(真ん中)でもヒット。こちらも“本命”。大きさもほぼ同じの“春マサ”だった。
このまま“春マサ祭り”に突入か!と思われたが、渋い状況に変わりはなく、バイトはあるが乗らなかったり、バラシがあったりと渋い状況が続いた。最初のヒラマサが釣れて1時間程経過した9時30分、左舷トモ(後方)でカンパチを釣った伊東さんと、その隣の釣り仲間の北風正男さん(東京・江戸川区)にダブルヒット。釣れて来たのは2匹とも“春マサ”のアベレージサイズだった。
2人に話を聞くと、使用していたジグはセミロングタイプの130g、色はイワシ系のカラー。1匹掛かった時、もう1匹ヒラマサがついて来てバイトした感じだという。“青物”らしく1匹釣れると同時にもう1匹掛かるパターンである。
この後も連続で釣れる事はなかったが、ポツリポツリ釣れる状況が続いた。左舷ミヨシ(先頭)でジギングをしていた野村さん(横浜市)と先端で釣りをしている森本さん、左舷トモ(後方)の伊東さんの3人に同時ヒット! 3匹ともサイズは“春マサ”サイズだった。その後、最後のひと流しで、この日の竿頭になった伊東さんが連続で2匹追加し、4匹目のヒラマサを釣ったところで沖上がりの時間になった。
今後は数釣りも楽しめそう!!
この日は水温が下がった厳しい中、船中ヒラマサ9匹、ショゴ2匹。状況を考えたら上出来の釣果だろう。ヒラマサは全部ジギングでのヒットと、水温低下の影響か、キャスティングでのヒットは無かった。「ジグは色より重さのバリエーションを。ロングタイプでもセミロングでも釣れますよ。プラグも色より長さのバリエーションを。例えば14、16、18cmと3種類は用意すると良いです。1匹釣れると連続でくる事が多いので、周りが釣れた時がチャンスです。キャスティングでは10kgクラスも出ますよ」と船長。また、これからの時期は、ルアー船でも数が釣れるようになるとの事。是非、チャレンジしてみては如何だろう。
この記事を書いたライター
タナゴからマグロまで、幅広く実釣。釣果よりも楽しくをモットーとするエンジョイアングラー。