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今年は型がイイ! 南房総“夏オニ”好スタート!!

2016年08月15日公開

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“旬”とは何か。一般的には「その食材が美味しい時期」として使われているこの言葉、実は「最も出回る時期」と解釈するのが正確で、それが食味と一致しているものもあれば、そうでないものもある。例えば“旬”が夏の魚でも「冬のウナギ」や「寒イサキ」を食べたことのある方なら、このニュアンスの違いにピンとくるだろう。とすると、あの魚はどうだろうか? 飽くなき探究心を胸に“夏のオニカサゴ”を求めて、南房総・相浜港の『安田丸』から出船した。

台風5号の影響は……

『安田丸』は、まず船宿で舟形板に掛けられた札を取って釣り座を確保してから、船着場に車を停め、荷物を下ろして午前4時30分に集合。船長に乗船料を渡して、予約者全員の乗船後に出船となる。取材日は立秋の8月7日。小笠原の父島沖を北上する台風5号の影響が心配されたが“ウネリ”こそ若干あるものの、悪い風はなく無事出船。7名の桃太郎を乗せてオニの待つ釣り場へと向かった。

一流し目から1.5kgオーバーの良型が!

航行40分。水深150mのポイントから釣り開始。今シーズンは8月2日のオニカサゴ開幕から連日流れなかった潮が、この日は朝から流れ、条件は整った。そんな中、船中初ヒットは左舷トモ(船尾)の細谷達也さん(相模原市)。1.5kgという良型の取り込みに釣り人たちの意気も揚がる。右舷ミヨシ(船先)の佐藤公輝さん(川崎市)も続けて“本命”を取り込み、一流し目から幸先の良いスタートを切った。

 

餌か、仕掛けか、釣り方か……

オニカサゴと言えば話題になるのが“特餌”。この日も釣り人それぞれに様々な餌が持ち込まれていた。カツオのハラモ、アナゴ、サバ、サンマ、イカ…etc。この日は特に「この餌じゃないと」ということはなかったが、こうした工夫もオニカサゴ釣りの楽しみの一つだろう。
また、大小の魚が取り込まれる中で、良型ばかりを釣り上げる人も居る。右舷トモの飯津則彦さんだ。どうして小オニが交じらないのかを尋ねると「激しいアタリの時には、竿を煽って食い込ませない」とのこと。この単純明快なメソッド、一朝一夕に真似の出来るものではないが、興味のある方はご参考まで。

本命ではないけれど

オニカサゴ釣りと言えば、ゲストとして交じる魚も見逃せない。この日、あるポイントで立て続けに揚がった良型のウスメバル(オキメバル)。端整な顔立ちで食べても非常に美味な魚だが、腹の中はどす黒いユメカサゴ。コマセの匂いが付いていないグッドサイズのサバや、実は美味しいヒシダイも釣れていた。またこの日には見られなかったが、味に定評のあるヒオドシや、大物感がハンパないカンコ(ウッカリカサゴ)など、ゲストと呼ぶには申し訳ない魚たちも交じると言うから楽しみだ。

竿頭7匹、次点5匹3名の快進撃
この日の竿頭は、昨年から『安田丸』に通い始めたと言う相田大輔さん(品川区)。トップの写真の良型一荷を含む7匹をゲット。炎天下の釣り座でも、暑さに負けず地道に誘い続けた頑張りが報われた。また次点は5匹タイで3名。しかもこの釣果は“キープした数”(海へ帰した小オニは入っていない)なので、この釣り場のポテンシャルと船長の釣らせる意気込みには本当に驚かされる。

船長に聞いてみた

ここでオニカサゴ釣りのコツを安田智宏船長に聴いてみた。「誘いですよね。置き竿ではまず食わない。潮が悪い時ほどマメに誘うことが大切」とのこと。例年だとこの時期は100m前後の比較的浅場で釣っているのだが、今シーズンは何故か潮が悪く、取材日は150mライン中心の釣りとなった。120号と150号のオモリを用意しておけば、潮の速いときや深場の釣りになっても安心だろう。
“冬の釣り物”というイメージは強いが、夏場は釣れる水深も浅く、また食味も刺身や湯引きに適した夏向きな身質になるオニカサゴ。ポン酢に紅葉おろしを添えたり、ちょっと贅沢だが“冷や汁のベース”にしても格別の味を提供してくれるので、まだ未体験の人にも是非お試し頂きたい夏の好敵手だ。

今回利用した釣り船

千葉県相浜港「安田丸」
〒294-0235 千葉県館山市相浜280-2
TEL:0470-28-0153 釣果・施設情報 安田丸ホームページ

出船データ

オニカサゴ乗合(予約制)
乗船料金:10,000円(餌、氷付き)
集合時間:船着場に午前4時30分、5時出船~11時ごろ沖上がり
     
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この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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