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竿頭10匹!!千葉県・片貝沖のヒラメ“絶好釣“♪

2016年09月01日公開

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“天下三不如意”という言葉がある。「平家物語」によると、当時絶大な権力を手にしていた白河法皇も「加茂川の水害」と「サイコロの目」、「延暦寺の僧兵」の3つは思い通りにならないと愚痴ったそうだ。2016年の夏後半、相次ぐ台風の影響で船が出ないと嘆くのは船頭か沖釣り師である。竿を振れない欲求不満がピークに達していた8月25日(小潮)。片貝港『勇幸丸』へ“夏ビラメの残暑見舞い”と洒落込んだ。

この夏、一番静かな海へ

ヒラメ乗合船の集合は、夜明け前の午前4時。船長が船の照明を灯すと、見たことのない水色の海面が照らし出された。聞くところによると、22日に千葉県・房総半島の突端・館山へ上陸した猛烈な台風9号は、九十九里エリアにも甚大な爪痕を残したと言う。実に10日ぶりの出船となるこの日、右舷2人、左舷1人という贅沢な釣り座で「第二勇幸丸」は定刻の4時30分に出船した。

開始1時間で船中オデコなし!

台風のウネリは残っているものの、“悪い波”や風もなく、航程40分程で最初の釣り場に到着。餌のイワシが配られ、水深27mの漁礁周りからスタートした。
船中1匹目は右舷トモ(船尾)の来生仁さん(千葉市)。昨年の取材でも同船した『勇幸丸』50年来の常連さんだ。間もなく左舷ミヨシ(船首)でも竿が曲がり、一流し目から船中3匹の快進撃。そして釣り開始から1時間足らずで“船中オデコなし”という、嵐の後のアゲアゲ・モードへと突入した。

 

LTも、手持ちヒラメも、置き竿も

この日に同船したみなさんは“置き竿”か“手持ちヒラメ”のどちらかだったが、『勇幸丸』ではLT(ライトタックル)のヒラメ釣りも楽しめる。LTの利点は、道具が軽いので一日中手持ちで釣ることが出来ること。その上に40号という軽いオモリが使えるため感度が良く、ヒラメが食いつく前に餌が暴れる“前アタリ”を逃げる方向まで感知出来たり、漁礁周りのように地形が複雑なポイントでも根掛かりをかわしながら果敢に攻められる、という優位性がある。しかし、その一方で、波が高いと釣りにならず、また道糸が細いため根掛かりをすると仕掛けを切ることが困難なこと。そして大物や“青物”をハリ掛かりさせると、軽量タックルゆえ魚を浮かせるパワーの不足から取り込みに手間取り、周囲の釣り人とオマツリしてしまうことがある。様々な釣法の釣り人が同船する乗合船だからこそ、潮の速さに合わせたオモリの選択や、ステ糸やハリスを1ランク細くして根掛かりを早く切る工夫をするなど、LTで楽しく釣るためには、その心得を持って臨みたい。

釣れる魚に秋の気配

「台風前は釣れなかった」と言う“ゲスト”フィッシュがこの日は多く交じった。ハリス切れの後に上がった1m級のサワラや、結構な数が釣れたサンパク(イナワラ)クラスのイナダ。また漁礁でアタった良型のソイやホウボウなど、クーラーは嬉しい“ゲスト”たちで賑やいだ。強い日差しが照りつける中、船上は夏らしい“にわか雨”に見舞われたが、釣れる魚たちの顔ぶれを見ると、海は確実に“秋の気配”が近づいているようだ。

竿頭10匹と“絶好釣”♪

この日の竿頭は、先代の船長の頃から『勇幸丸』に通う根岸邦雄さん(上尾市)。炎天下、沖上がりまで粘り強く仕掛けを入れ替え、見事“ツ抜け(10匹)”を達成。濁りとウネリ、効かない潮の三重苦をものともせず自分の釣りをやりきった。この日は4~10匹と見事な成績だった。
操船の傍ら、カメラを海底に入れたり、魚探の反応を見てはメタルジグを落としてみたりと研究熱心な市東吉雄船長に、この日の釣りを聞いてみた。「シケ後で心配しましたが、アタリが多くて安心しました。イワシの反応も良く、水温も適水温に下がりつつあって、これからが楽しみです」。シーズン序盤は思うような釣果が得られなかったが、ここに来て右肩上がりの模様を見せ始めた片貝沖の“夏ビラメ”。この時期のコツを尋ねると「桶の水温が高くなりがちなので、餌の管理と餌付けで弱らせないことですね。漁礁の釣りでは底をしっかり、まめに取ることも大切になります」とのこと。「あとは天候かな…」と笑う船長だったが、釣り人としても、天気図と釣果情報から目の離せない日々が続きそうだ。

片貝沖・ヒラメの最盛期はこれから!
9月1日の解禁で、釣り場が更に拡大する片貝沖。8月28日に予定されていた「第22回 九十九里漁協沖釣り大会」は9月11日(日)に延期された。晩夏のヒラメバトルで腕試しはいかがだろうか。型と食味が一段と増す秋冬の本格シーズンへ向けて、九十九里エリアのクライマックスはまさにこれからだ。

今回利用した釣り船

千葉県片貝港「勇幸丸」
〒299-3201 千葉県大網白里市北今泉3404
TEL:0475-77-2594
定休日:第2・第4金曜日 釣果・施設情報 勇幸丸ホームページ

出船データ

ヒラメ乗合(予約制)
乗船料金:1万2,000円(氷、餌付き)
集合:船着場へ4:00
出船:4:30
沖上がり:11:30
     
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この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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