2016年10月01日公開
静岡県・沼津沖が“ヨコワ”フィーバーに沸いている。“ヨコワ”とはクロマグロの幼魚であり、東日本では、メジマグロの呼び名で知られている。小型とはいえクロマグロ、その味は“本物”だ。“ヨコワ”の移動は黒潮の流れ次第であり、久しく沼津沖では釣れていなかった。しかし、今年は数年ぶりに群れが沼津沖に入って来たとの事。9月19日、沼津久料『魚磯丸』に出掛けた。
台風の合間に強行釣行!
毎週のように続く台風ラッシュ。台風16号の動向は心配だったが、予定通り出掛けることにした。午前2時過ぎ、東京・多摩地区の自宅を出発、伊豆縦貫道が出来たおかげで、都内からの利便性が格段に上がった。しかも無料なのが嬉しい。愛車の古いナビではまだこの経路は示されていないが、迷わずに東名高速・沼津ICを降り、ナビ上には存在しない道を進み、約35分で『魚磯丸』に到着した。
2隻出しの大盛況!
集合時間の午前4時半、気さくな女将さんがドアを開けると受け付け開始。台風接近の予報にも関わらずこの日は2隻出しの大盛況。外では沼津の海を知り尽くす久保田清船長が、最新状況や釣り方などを熱心に釣り人に伝授している。
港の目の前がポイント?
準備を早々に済ませた「第五魚磯丸」は、まだ暗い中を出船。「さてどこまで走るのか?」などと思っていたらビックリ。なんと僅か数分の港の目と鼻の先が釣り場。「カサゴなどの根魚釣りですか?」というほどの距離なのだ。いやーこれには驚いた。まだ薄暗い中でスタート。タナは20m。釣り方はほかのコマセ釣りとほぼ同様で、指示ダナから5m程落としてから誘い上げてくる。タックル、仕掛けもワラサなどとほぼ同じだが、ハリスが8~10号で3mと短いのが特徴。そしてクッションゴムはない方がいい。“ヨコワ”は凄まじいスタートダッシュを見せる。クッションが伸びる一瞬で反対側に向かれてしまい、主導権を取られてしまうのだ。これがバレにつながる。その分糸を太くした方がいい。
早朝に“本命”ラッシュが
開始早々からコマセに反応して、魚探にはそれらしき群れが映し出された。まずはヒラソウダ、マルソウダのソウダガツオラッシュ。そして開始から30分程経った頃、“本命”ラッシュが始まった。左舷ミヨシ(船首)を皮切りに次々に竿が引き込まれる。幼魚とはいえそこはクロマグロ。ソウダガツオのそれとは明らかに異なる強い引きが“マグロ”であることを確信させる。
朝の“サービスタイム”にアタリ連発!
ここから30分の間に“本命”が次々にヒット!「今日は一体どうなるのか?」という程いい時間を過ごした。しかし、朝の“サービスタイム”はそこでパタリと終わった。実は、この日は降り続いた雨の影響で川からの濁りが入り、決していい状況ではなかった。心配は次第に現実のものとなり、ソウダガツオ、ゴマサバのアタリはひっきりなしに来るが、“ヨコワ”からのアタリは遠のいていった。
私にはマダイが!“外道”も豊富
ここで私も竿を出した。第1投。タナ下5mから誘い上げている最中にガツッとアタリ。「なんだ?」。下へ向かう走りはカツオでも、そして“ヨコワ”でもなさそうだ。上がって来たのはマダイ。このポイントは通年マダイの一級ポイントでもあり、多くの“外道”が交じる。この日は“本命”こそ厳しい状況だったが、ソウダガツオを中心に“外道”のアタリが絶え間なくあったので、十分楽しむことが出来た。
コマセは十分に用意しよう
10時過ぎの沖上がり間際に、船中で4匹の“本命”を追加してこの日は終了となった。トップは4匹。連日の好釣果を考えると少々寂しい結果となってしまったが、“外道”の豊富さなどを考えると、十分以上に楽しむことが出来た。
とにかくアタリが絶えない。つまりは餌の消費も激しい。『魚磯丸』では最初にコマセ1個が配られるが、アッという間になくなってしまうので、各自事前に十分予備のコマセを用意しておくことをお勧めする。コマセの量だけ釣果が増えることは間違いない。
11月以降はサイズも狙える
“ヨコワ”は今後餌を食べ、日増しに大きくなっていく。11月からは3~4kgクラスが中心になる。この日はコマセで狙ったが、同船でカッタクリやルアーで狙う事も可能。数年ぶりにまとまった数が来ている“ヨコワ”。11月からはサイズも大きくなって、更に盛り上がること間違いなしだろう。また来ようと思った。