釣りビジョン

千葉県・洲崎沖、カイワリの銀鱗躍る!潮さえよければ2桁も!

2016年11月15日公開

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アジ科の魚の中で屈指の食味と言われるカイワリだが、個体数が少なく、市場にはあまり出回らない。釣り世界でもマダイやアジ釣りの“ゲスト”として、たまに顔を見る程度のあまり馴染みのない魚だ。そんなカイワリを釣らせてくれるのが千葉県・洲崎港の『佐衛美丸』だ。毎年11月に入ると乗合船を出す。「今年も始まったよ」の知らせに4日、様子を見に出掛けた。

カイワリに逢いたくて

当初3日の予定だったが、荒天の予報に日延べした。房総半島南端、洲崎港を目指して深夜の房総フラワーラインを走った。午前5時までに港に集合と聞いていたが、午前3時過ぎに到着。洲崎港の駐車場に1番乗りだ。車中でひと休み、気が付くといつの間にか駐車場は満車状態になっていた。5時、待合所に明かりが灯り、目の前の港に舫ってあった「第十二佐衛美丸」の船にも明かりが灯った。早川忠信船長が出船準備をしている間に、私を含め6人が左右3人ずつ釣り座に就いた。

逆潮の中、サバを除けてコマセはなし

午前5時30分、朝ぼらけの中、舫い綱を解くと「第十二佐衛美丸」は北風に押されながら南沖に向かった、ポイントまでは15分程だ。風上に舳を向けると北風がかなり強く、風と波が逆の逆潮の悪条件の中でスタート。「昨日からサバが多いので、コマセカゴ(プラビシスリムFL80号)ではなく80号のオモリだけにして、水深は95m。タナは底から1.5m、そこから4mまでゆっくり誘って下さい」と船長アナウンス。ハリス2号3mの吹き流し3本バリ仕掛けにオキアミを付ける。どんな釣りでも同じだが、オキアミは腰が曲がらないように真っすぐつけるのがコツ。

顔見せはレンコダイ(キダイ)
左舷ミヨシ(船首)は常連さんで、船上での世話もしてくれる上野富次雄さん(館山市)。「ゆっくりと誘うといいですよ」と教えてくれながら、竿先を海面からゆっくり誘い上げ、竿先が頭上にくるとゆっくり海面近くまで戻している。間もなく竿先にクンクンとアタリ。海面に姿を現したのは20cmほどのレンコダイ。トモ(船尾)は原幸夫さん(さいたま市)。カイワリ釣りは初めてと言う。上野さんに釣り方のレクチャーを受けてからスタート。釣れたのはこちらも小型のレンコダイ。

 

“本命”1匹目は27cm!

右舷のトモは、前回のカイワリ取材の時にもお会いした山口知己さん(君津市)。こちらも常連さんでカイワリに嵌っているという。だがバケツを見るとレンコダイが数匹泳いでいるだけ。船長は北風に押されポイントを外れた船を戻すのだが、船上は波しぶきに洗われる。ここで私も竿を出した。オモリが海底に着いたら数度タナの取り直しをする。正確にタナを取るためだ。1.5mほど巻き上げ、そこからゆっくり竿で誘い上げながらリールを4mほど巻く。その動作の繰り返しだ。波で船が上下するので、苦労しながら誘っているとググーとアタリ!竿先に小気味よい引き。竿を煽ってから数回手巻きでリーリングして、電動のスイッチON。船中第1号のカイワリは27cm級。銀色の魚体、宝石のように透き通った目が美しい。その後直にまたアタリで2匹目をゲット。だが、その後はレンコダイやサバに悩まされた。

レンコに交じって“本命”!

上野さんの竿先がグンと弧を描いた。強く引き込まれる竿先に“本命”の良型か! だが、上がって来たのはレンコダイの2点掛けで苦笑い。しかし、それだけでは終わらない。再投入した竿がグイーと曲がり、やり取りの末に上がって来たのは30cm弱の良型カイワリ、その直後にも同型の連チャン。右舷トモの山口さんも35cm近い大型を取り込んだ。胴の間(中央)の佐竹壽美雄さん(練馬区)とミヨシの小山田岩雄さん(館山市)は、「赤い(レンコダイ)のばっかりだ」とボヤく。私もレンコダイやサバ、ヒメに悩まされる。風が一段と強くなって移動の時には頭から潮を被る。「風が収まらないので沖の良いポイントには行けないよ、ここで我慢だね」と船長。流し直してすぐ上野さんの竿に今までにない強い引き込み。手でゆっくりリールを巻き、電動スイッチON。何と30cm級の良型カイワリ2点掛けに自然に顔がほころんだ。

風ですぐにポイントを外れるので投入は手早く

船上では北風による仕掛けの手前マツリに苦労しながらの投入が続く。流し直しの時に素早く投入しないと、強風で直ぐにポイントを外れてしまう。素早い投入で小山田さんと佐竹さんがほぼ同時に“本命”を取り込んだ。トモでは山口さんが4匹目を取り込み、こちらは30cmに近い良型。クーラーの中を見せてもらうと、レンコダイとサバに交じって“本命”が目を光らせていた。船長は、風と波の対応に苦労しながら時間延長してくれたが、レンコダイが餌を追っただけで納竿となった。
コマセを使っていたらどう変化していたか、サバの猛攻だったか?しかし、条件さえ良ければカイワリに出会えることは確証を得た。現に風の弱まった翌5日には、35cm級も交じってトップ10匹の釣果が報告された。

ここがキモ!こうすれば微笑むことができるはず!!
カイワリは案外口が大きいので、ハリはチヌの3号がお勧め。餌のオキアミはLサイズよりも小振りの方が食いいようだ。また、船長の投入合図があったら素早く投入するのも大事。タイミングが遅いとポイントから外れてしまうことが多い。特に潮が速かったり風が強い時には注意が必要だ。誘いは、ゆっくり誘い上げ、落とし込みもゆっくり落とし込む。アタリがあったらゆっくり竿を立て、リールを6、7回手で巻き上げてから電動リールのスイッチON。取り込み時にハリスを弛ませないことも大切だ。

今回利用した釣り船

千葉県洲崎港『佐衛美丸』
〒294-0316 千葉県館山市洲崎1-228
TEL:0470-20-8003
定休日:第2・4水曜日 釣果・施設情報 佐衛美丸 ホームページ

出船データ

カイワリ五目予約乗合
料金:1万500円※アミコマセ、付けエサ、氷付き
仕掛け:船内で購入可能
集合:午前5時集合 出船:5時30分(※予約時に確認のこと)
※釣り座は予約順(船長の指示があるまで乗船不可
     
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