2016年12月01日公開
東京湾奥のシーバス(スズキ・フッコ)が、最盛期を迎えている。連日のように50匹を超える釣果で、いい日は何と束(100匹)超え。しかも70cmを超えるビッグサイズも交じると言うのだから堪らない。シーバスとの強烈なやり取りを堪能しようと東京・深川の船宿『深川 吉野屋』に11月20日(日)に出掛けた。
シーバス、数釣りを楽しむなら晩秋から冬がベスト!
シーバスというと、夏を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。実はシーバスは夏に河口から川に入り込む。そして冬に産卵のために深場へと移動する。つまり、陸っぱりから狙うのは夏がベストなので、その印象も間違いではない。しかし、オフショアで船から狙うのなら秋から冬が最盛期。これから産卵を迎える前にイワシを浅場で荒食いする。そして季節と共に深場に移動して行く。産卵後も数は出るが、釣れる場所がストラクチャー(障害物)周りの深い場所へと移っていく。浅場で気軽に楽しむなら今がチャンスなのだ。
受付開始前から黒山の人だかり
『深川 吉野屋』は、東京湾奥のシーバスに最も精通した船宿の一軒。連日の好釣果もあり、この日も満員札止め。集合時間よりも30分早い午前6時丁度に到着したが、既に黒山の人だかりとなっていた。午前6時半に受付が開くと同時に、その人だかりが一斉に待合所の裏側へと向かう。何が起こったのかと追いかけてみると、待合所裏側に停泊している船に、釣り座の確保に向かったのだと分かった。釣り座を確保してからいざ受け付け。満船20人を乗せて定刻の7時に佐久間誠船長の操船で出船した。
タックルはベイトとスピニングの2通り
船には、乗船人数の2倍、3倍のタックルが積まれていた。理由はその日、その時の最適なタックルに迅速に対応するために、皆が多くのタックルをあらかじめ準備しているからだ。大枠で分けると、ロッドは一般的なシーバスロッドや長めのバスロッド、リールはスピニングリールとベイトリール。スピニングリールには20g程度のスピンテールジグを装着してキャスティング、ベイトリールは40~60gのメタルジグで縦に探る。
東京湾奥の幅広い浅瀬エリアで反応がある
現在のシーバスポイントは、東京ゲートブリッジから稲毛沖までの幅広い浅瀬域。この時期のシーバスはイワシを積極的に食べているので、まずは鳥山を探す。その鳥山の下にはイワシ、そして“本命”のシーバスが集まっているという流れだ。出船後10分程走ったゲートブリッジ周りで最初の反応を発見。水深13mほどのポイント。最初はスピンテールジグ、メタルジグと思い思いの予想を立ててスタート。
のっけからビックリの入れ食い!!
開始早々…正直ビックリした。20本の竿が出ているわけだが、いたるところでシーバスが竿を曲げている。一体同時に何本の竿にシーバスがかかっているのだ?という状態。しかし、残念ながら、ここのポイントは30cm前後のセイゴサイズが多くて一流しで終了。次なるポイントでサイズアップを狙った。
船橋沖のポイントで本日最初のビッグワン
次なるポイントは船橋沖。水深はさらに浅くなり8m程。多くのアングラーが、ここでスピンテールジグを前方にキャストして、幅広くレンジを探る作戦に変更。流しのたびに次々とシーバスのアタリを拾っていく。辺り一帯にシーバスがいるのであろう。サイズも一回り、二回り大きくなり、フッコ級中心に釣れるようになってきた。ここで左舷後方の渡辺健次さんに大物のアタリ。タモに収まったそのサイズは70cm丁度のビッグワン。やはり大物はいる。船中は否がうえにも気合が入ってきた。
底付近をストップ&ゴー
ポイントを変える必要はないのではないか?と思ってしまうほどに、アタリが絶え間なく続く。しかし、それでも投入後すぐがやはり一番アタリは多い。だから船長も頻繁にポイントを探し直す。このマメさが数を伸ばすコツなのだろう。
アングラーの攻め方にも違いがある。魚探反応は基本底付近の様だが、底から1mの範囲を重点的に攻める人、少し浮かせ気味に攻める人など様々。釣れている人の情報では、数は少し浮かせ目。グッドサイズは割と底付近でアタるとの事。誘いもスローリトリーブでただ巻きや、ストップ&ゴーで緩急を付けるなど様々。各々がアタリを探しながらアクションをつけている。
この日は、スピンテールジグを底付近でストップ&ゴーしていたアングラーに軍配が上がった。
終始アタリが絶え間ない
次なるポイントは幕張、稲毛沖。湾奥一帯にポイントが数多く存在する事にも驚いた。水深は8m程度と引き続き浅い。ここでも70cmを超える大型が数多く顔を出した。時間によって若干の食いの差こそあれ、この日は終始シーバスが口を使っていた。船中誰にもアタリがない流しはなかったのではないだろうか?この日初めてシーバストライのアングラーにも、何匹も良型が釣れるほどの食い。なんとも楽しい釣りだった。
これからロングランで楽しめる
これから海水温の低下と共にシーバスは、深場へと移動していき、釣り場はストラクチャー周りへと移っていく。しかし、今年は海水温が依然高めであり、まだまだロングランで浅場でのシーバスフィッシングが楽しめそうだ。浅場だと手返しもよく、やり取りも比較的簡単に力強い引きを堪能できるので、入門者にも是非お勧めしたい。
この日は最終的にトップが60匹のシーバスを釣り上げた。“釣れ過ぎ警報発令中”である。持ち帰らないシーバスは弱らないうちにリリースしよう。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:9,500円(氷付き)、女性・高校生7,500円、中学生以下5,000円
時間:6時30分集合7時00分出船、14時30分沖上がり
無料駐車場あり