2016年12月15日公開
東京湾や相模湾ではやっていない夜のタチウオ釣りが、駿河湾では楽しめる。10日、冬の北風にも強く、ポイントも近い、静岡県・田子の浦港『鶴丸』の乗合船に乗った。
タックル準備は早めに!
日中のタチウオ釣りは魚群を求め、ポイント移動が多い。魚探の反応もすぐに消えてしまったりするが、駿河湾の夜釣りはアンカリングで楽しめる。群れを追うのではなく、群れを待って釣る。午後6時の集合時間前に田子の浦港に到着。「鶴丸」の係留場所の前に駐車、暗くなる前にタックルの準備。この日は餌釣り7人、ジギング・サーベルテンヤ3人の計10人の乗船で、準備出来次第出船となった。北風が少しあったが海上はベタナギ。
ポイントは近い。アンカー投入!
航程約20分、富士川沖のポイントに到着。午後7時過ぎにアンカーが投入され、鶴牧兼二船長から、「40mからやって下さい」のアナウンスでスタート。すると、すぐに両舷でアタリがあり小型ながら“本命”のタチウオが釣れた。タナを聞くと「20m」、「25m前後」と浅い。出船前に常連の方から10mで当たる事があると聞いていたが、昼間のタチウオの経験しかない私はビックリ。すぐに仕掛けを投入、20m前後でコツンとアタリ、即合わせで掛けたが少し巻いたところでバラシ。この時点で昼間の釣りと違う事に気が付けば…。
浅ダナでアタリは来るが!?
8時頃までに25m前後でアタリはあるが、アタリが小さいので食い込まないと船中からボヤキが聞こえる。アタリが少なくなり30分、今度はタナが上がって15mで掛かり出した。1度アタったタナに固執せず、アタリが止まったらタチウオの回遊層を見つける努力が必要な釣りだ。「30~20m」のアナウンスで下を狙い、良型を釣ったところで、仕掛け、タックル、釣り方を聞きに船中を回った。
仕掛け、タックル、そして釣り方
仕掛けは標準的なタチウオ仕掛けだが、ハリスは8~10号を使用。ハリはタチウオバリの2号、オモリ80号のテンビン仕掛け。市内の釣具店では1本バリ仕掛けを薦められた。(写真参照)水中ライト、タコベイト等は好みで付ける。餌はサンマの切り身。日中釣りの仕掛けよりは1ランク強度が上の仕掛けだ。
タックルはマダイ用のムーチングロッドを船長は薦めている。田子の浦の夜タチウオ釣りでは誘い上げは多用しない。一定のタナに仕掛けを止め、時々ソフトな誘いを入れ、同じタナで待つ。小さいアタリがあった時は、リールを半回転程度巻き、食い込みを待つ。活性が低い時はゆっくり送り込むこともある。そしてしっかり食い込ませフッキングさせる。
餌の速い動きや動かしすぎ、大きな動きはマイナスになる事があるそうだ。餌を安定して漂わせるには、揺れを吸収するムーチングロッドの方が向いているとの事。じっくり食わせるので太ハリスでないと切られる。LT(ライトタックル)タチウオよりは、真冬の日中深場のタチウオ釣りのようだと、気が付いた時は時すでに遅し。早く船長に聞けばよかったと反省。
スルメイカとタチウオは共存できない!
10時を過ぎたころから、15mダナでスルメイカが掛り出し、タチウオが当たらなくなった。スルメイカが来るとタチウオは逃げてしまうそうだ。常連の方がタナを下げてムーチングロッドで待っていると、強烈なアタリ。ドラッグが逆転し、大物がヒットしたが、無念のハリス切れ。正体を見たかった。最後に“ゲスト”のバラムツが掛かり終了。竿頭は11匹、ジギングもヒットした。“爆釣”とはいかなかったが、また新しい釣りを体験することが出来た。
年明け2、3月まで出船
「魚探反応はあったけど、今夜は難しかった。餌を大きく動かすのはあまり良くありません。丁寧な釣りが良いですね。年明け2~3月位までは狙います。ルアー釣りもできます。予約時に言って下さい」と船長。防寒具を着込んで、マダイ竿を持って再挑戦したくなる魚探反応だった。