2017年02月15日公開
カットウ仕掛けにアオヤギ餌をたっぷりと刺してフグを魅了。アタリを出した直後、その虚を突いてカットウバリを掛ける感触は堪らないものがある。フグ釣りの名場所として知られる千葉県・大原沖では、今季も時折大釣りが記録されている。8日、フグ用の愛竿を車に積み込み大原港『敷嶋丸』へ向かった。
東金ICを降りて南下
千葉東金道路を終点(東金IC)で降りて南下。大原に向かう海岸線沿いの道にはコンビニが何軒もあり、朝の買い出しには困らない。「大原」の信号を左折し、大原港手前を右折、港沿いの道を直進して付き当たる手前を左に曲がった堤防脇が駐車場。左手に「敷嶋丸」が舫ってある。
トラック荷台で受付
『敷嶋丸』では、船にクーラーを置くか竿を立てて釣り座を確保する。出船時間の1時間前には、『敷嶋丸』とドアに書かれたトラックが到着する。トラックの荷台で受付をするので、その際、餌の注文(2パックは必要)をすることを忘れずに。氷は帰りに処理したフグと一緒に渡してくれる。
“カットウフグ”のタックルは?
海中の一点に静止するホバリングが得意なフグが相手。当然アタリは微細なものとなり、そのシグナルを逃さない軟らかな穂先のロッドが必要だ。更に穂持ち以降は硬めで、アタリの直後、カットウバリを掛けるのに貢献するモノでなくてはならない。専用竿が望ましいが、カワハギ竿でも流用できる。
関東でのフグ釣りは、大原などの外洋に面したポイントでの釣りと、東京湾内のいわゆる“湾フグ”とに大別される。この竿、仕掛けは似て非なるものなので注意が必要だ。
ポイントまでは航程10分足らず!
出船直前、「すぐポイントに着くから、餌を付けて用意しておいて下さい」と船長。その言葉通り、港を出て10分足らずのポイントからスタートした。ところが、前日からの強い北西風が残っており、大きなウネリが連発して釣り辛い。水深16mという浅場のため、底荒れしているのか、アタリが出ない。船長は、最初のポイントに見切りをつけ、船を沖へと走らせた。
“誘い下げ”アタリを出す
外洋のフグ釣りは、餌の付いた仕掛けが着底しているところから、空合わせを入れるように勢い良くシャクリを入れ、そこからゆっくりと海底まで仕掛けを落とし込んでいきながら誘う。その落ちていく餌に反応したフグが、着底直後、又は誘い下げの最中にもアタリを出してくる。
底荒れを懸念して岩礁帯へと
ショウサイフグが多い砂地を狙ったが、水深がやや深くなった沖目でもアタリは遠かった。しかし、そこは名場所として知られる大原、多彩なポイントが点在している。根周り、または根を真上から狙うポイントに移動した。オモリの下にカットウバリが付いた仕掛けなので、根掛かりに注意しながらの釣りになる。船長はポイント移動毎に「根掛かりがあるから、すぐに底を切って下さい」と、優しくアナウンスしてくれる。
根と海藻を交わしながらアタリを創りだす
その後は、沖の根周りを集中して攻める釣りとなった。少し起伏のある根なのだが、コンブに似た海藻が生えていて、仕掛けを着底してアタリを待っていると、カットウがかなりの確率で海藻に掛かってしまう。ラインが2号前後なら、その海藻をカットウが引き千切りながら根掛かりは回避できる。そういったポイントでは、竿先を下に向けながら仕掛けの着底を待ち、着底直後、リールのクラッチを入れながら竿を起こし、とりあえず底を切ることが大切。その場からゆっくりと“誘い下げ”をしていくと、カットウに海藻が、叩くように触れる感触があったら仕掛けを跳ね上げ、もう少し上で仕掛けが止まるように、着底させずにアタリを待つ。
底荒れと潮色に苦戦はしたが…
数日前には大釣りが記録されていたが、この日はウネリに加え、終盤は潮色も濁ってしまい、アタリが遠のいてしまった。そんな条件の中、取材の合間に9匹を手にすることが出来た。今後、春の訪れと共に海が安定すれば底荒れも収まり、釣果も安定してくるはずだ。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:氷付・餌別: 9,000円 餌:1パック500円
集合時間:午前5時
出船時間:午前5時30分 沖上がり:午前11時
貸し道具:無料(竿・リール)