釣りビジョン

東京湾の“春告魚”(メバル)、カサゴ交じりで好調!

2017年02月15日公開

04_main.jpg

梅の蕾が綻び始める2月になると、東京湾のメバル釣りが解禁になる。「春告魚」とも呼ばれる、まさに春の申し子だ。初冬から年末にかけて産卵したメバルは、この時期に体力回復のため活発に餌を求めて口を使い出す。解禁となったメバルをエビ餌で釣らせてくれる東京・東大井『船宿 いわた』で、カサゴ交じりで釣れていると聞き、2月4日に出掛けた。

待ち焦がれたメバルファン

メバルファンが春を待ち焦がれるのは、体に似合わず強い引きの釣り味、薄甘く煮付けたメバルの食味だ(身離れも良く絶品!)。『船宿 いわた』に6時30分に着いたが釣り人の姿は見えない。受付を済ませ、突き当たりの土手の向こう側の待合室を抜けると船着場だ。待合室の乗船名簿に目をやると驚いたことに釣り人の名がズラリ12人、私がラストの13人目だ。大半が地元の釣り人で『船宿 いわた』の常連さん。船着場に舫われた「第一いわた丸」の船上で釣り談義。古髙亘船長はブルーの小型のバケツ13個に、餌のスジエビ(モエビ)を分け入れている。2cm位の透き通った体に黒いスジの入った可愛いエビ、いかにもメバルが好みそうだ。

エビの付け方にコツ
定刻の午前7時30分、「第一いわた丸」は店主の岩田登行さんに見送られて桟橋を離れた。橋を3ヵ所ほど潜って東京湾。北北西の風が多少吹いている。南に向け進路を取る。30分ほど走った川崎沖で減速、船先が風上に向けられると、船長の「やって下さい。水深20m!」の合図でスタート。ピンピン跳ねるエビの尾羽を切ってそこからハリを刺す。2節目位で腹側にハリ先を出し、エビの腰が曲がらないよう真っすぐになるように刺すのがコツだ。3本バリに元気なエビを付けると20号のオモリが海底にいざなう。底立ちを取り、オモリがトントンと海底を叩くようにしてエビを躍らせアタリを待つ。

船中1匹目は25cmの良型!

開始から15分くらい経った頃、右舷ミヨシ(船首)の斎藤泰信さん(大宮市)の軟らかいメバル竿がブルブルと震えグイッと持ち込まれた。良い引き込みだ。海中から姿を見せたのは銀色の魚体に墨を散らしたようなシロメバル、それも25cmはあろうかという良型にニッコリ。周りの釣り人も竿先を見つめて力が入ったが、後が続かない。解禁したばかりで船長もポイントを探しながらの流し釣りだ。様子を見て移動の合図。工場やシーバースを見ながら南下、つばさ橋の見える鶴見沖の28mダチで再スタート。「何時もここの船宿だよ」と言う右舷2番の小林正之さん(横浜市)、そして「歩いても来られるから『船宿 いわた』が多いね」と言っていた左舷トモ(船尾)の井澤修さん(地元・大井)が、共に20cm弱のメバルを取り込んだ。私の右隣の松崎郁生・美登理さんご夫婦(地元・西大井)は、何時も一緒に釣りに来ると言う。話を聞いている内に郁生さんの竿先にアタリ。すかさず竿を立てリーリング。18cmほどのカサゴを釣り上げた。左舷もリールの巻く音に見ると小振りのカサゴ、メバルは忘れたころにポツリポツリと取り込まれる。

 

富岡沖で同時にアタリも

船長は、何とか良いポイントをと、今度は船を富岡沖の20mダチに移動させた。ここで「何時も家を5時前に出て1番電車に乗って来ます」と言っていた右舷トモの山本浩文さん(東久留米市)の竿先にアタリ。そして隣の松崎さんに、板谷眞美さん(中野区)に、小林さんにとトモから順々に竿先が持ち込まれた。左舷でもアタリ。胴の間(中央)の高野光太さん(川口市)、森千捨さん(新宿区)が竿先を持ち込まれ、20cm前後のメバルを釣り上げた。「スワ、時合いだ」と力が入ったが、この一瞬だけがこの日のハイライトだった。その後はここで18cm前後の小振りの“本命”がカサゴ交じりポツリポツリに逆戻り。そんな中「キャー、来た!」は、ずーと諦めずに竿を握っていた松崎美登理さん。軟調の竿が半月を描くグイグイと良い引き、取り込んだのは鈍い銀色の魚体、20cmオーバーの“本命”だった。月に2、3回は通っていると言う左舷のトモ寄りの大石正信さん(北区)も小振りながら“本命”をゲットした。

ポイント探りが続くも

潮の流れも緩慢で中々メバルに巡り合えない。本牧沖、小柴沖、八景沖を探りながら、船を沖へと灘寄りと移動させるが、食いは捗々しくない。たまに釣れても小振りが大半だ。強いアタリは20cm級のカサゴ。毎週のように通って居ると言う左舷ミヨシの早野敬一さん(品川区)も「今日は食いが渋いね。何時も釣り座はトモを取るのだけど、メバルは潮先と思ってミヨシにしたけどダメだね」と嘆き節。「オーいい引きだ」と声が出たのは2番の清水聡さん(足立区)。25年間『船宿 いわた』に通っていると言う。しかし、釣れてきたのは中型のイシモチ(シログチ)。私の竿にもいいアタリ。「しめしめ、やっと来たか」と思ったら、中型と小型カサゴの一荷(2点掛け)にガックリ。終盤に八景島シーパラダイスの見える八景沖を狙ったがカサゴが大半、たまに小振りのメバルが釣れてきただけの厳しい状況のまま納竿となった。結果は6匹から30匹、カサゴ7割、メバル3割と言う感じだった。

古髙船長も困惑顔

「まだ始めて間もないのでポイントが分からないせいもあるけど、潮温のせいかなあ…。潮も行かなかったけど、今年は潮が遅れているのかなあ。春の潮が入って潮が動けば食うと思いますよ。釣り方のポイントは餌を動かし誘うこと。海藻や根のある所を釣るので根掛かりしますが、それを怖がっていると釣れませんよ。オモリや仕掛けは根掛かりで取られてしまうことがありますので、予備をお忘れなく」と古髙亘船長。私はメバルの煮付けを食べ損ねたので近い内に再挑戦です!

今回利用した釣り船

東京都東大井『船宿いわた』
〒140-0011 東京都品川区東大井1-25-3
TEL:03-3471-1322
定休日:毎週火曜日 釣果・施設情報 船宿いわた ホームページ

出船データ

メバル・カサゴ乗合船
料金:9,300円(税込)(餌、氷付き)女性、子供(小中学生)割引あり。貸し道具は500円
出船:AM7時集合 AM7時30分出船 PM3時沖上がり
駐車場:要予約。仕立ての場合は1隻当たり2台まで
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部