2017年05月01日公開
「ゴールデンウィーク(GW)」、「レジャー」と検索してココに辿り着いたあなた!ちょっぴり早起きして、いつもと違う休日を楽しんでみませんか? 輝く初夏を海で過ごすライフスタイルをご提案♪ 神奈川県・川崎『つり幸』へアジ釣りを楽しみに出掛けた。
半日船の勧め!!
休日は何となくゴロゴロしていて、いつも気付けば昼食時…そんな方々にお勧めしたいのが半日船の釣り。『つり幸』の午前LTアジは、6時50分出船、12時帰港とお手軽だ。因みにLTとは「ライトタックル」の略で“軽量な釣り具”と言う意味。魚釣りに不慣れな人でも扱いやすい。さらに貸し竿から雨具、長靴、釣れた魚を入れるクーラーまで、必要な物はレンタルが一式揃っているので手ぶらで出掛けても楽しめる。JR川崎駅までの送迎バスもあるので電車釣行も可能。また、中学生までと女性は乗船料が3,500円と割安なのも魅力だ。
出船30分前には受け付けを
「釣りに行こう!」と思い立ったらまず電話を。特にGWは通常予約不要の『つり幸』でも早めの予約が賢明だ。この時にレンタルしたい物があれば伝えておく。何が必要か分からなければ「初心者が手ぶらで行くので一式全部貸して欲しい」と伝えれば大丈夫。帽子と酔い止め薬、日焼け止めは自分で準備してく。
乗船当日。遊漁船は電車やバスと違って乗る前に手続きや準備があるので、出船時間に着いたのでは遅過ぎる。少なくとも出船の30分前、出来れば1時間前には現着するのがベターだろう。『つり幸』待合所に到着すると、船宿スタッフが帰りに困らない駐車場所を案内してくれるので「午前LTアジです」と申告する。車を停めたら待合所に行って乗船料を支払い乗船名簿を記入する。その時に「乗船券」と魚を釣るための「仕掛け」を渡される。道具を借りる場合はここで申告をして受け取る。
乗船前に済ませておくと良い結果
待合所の隣にある棟で氷を受け取り、クーラーボックスに入れて船着場へ。ライフジャケット(救命胴衣)を着用して船に乗ったら、釣りをする席に荷物を置いて出船を待つ。このタイミングで日焼け止めを塗ったり、軽く朝食を取ってから酔い止め薬を飲むと丁度良い。乗り物に弱い人は、前夜の就寝時にも飲んでおくと更に効果的。また船の構造上、船の前方より後方、後方より真ん中の釣り座が揺れないので参考まで。
平日も2隻出しでゆったり
取材日は、GW前の平日というのに10数人が乗船した。そこでLTアジは2隻に分乗しての出船。6時50分、船長が乗船券を回収して「第三さくら丸」は桟橋を離れた。プチクルージングを楽しむこと30分。大黒ふ頭の沖でこの日の釣りはスタートした。女性2人にアジ釣りを指南しながら釣りを楽しむ後藤陽生さん(品川区)は、大崎の自宅から産業道路で30分というアクセスの良さと、トイレなどのアメニティの良さで「女性にも安心」と『つり幸』を選んだと言う。この日は風が結構強く吹いたが、波の影響を受けにくいエリアで釣ることも、この釣りの利点と言えるだろう。結果、女性陣も釣果20匹以上と大健闘。3人で100匹以上を釣り上げ大満足だった。
LTアジの“いろは”
オモリの付いた金属製のカゴに、寄せ餌(撒き餌、コマセ)となるイワシのミンチを入れ、ハリにはアオイソメや、赤く染めた米粒大のイカの切り身(赤タン)を付ける。“ビシ”と言うのは正確には“オモリ”のことなのだが、アジ釣りではオモリ付きのコマセカゴ(アンドンビシ/ビシカゴ)を略して“ビシ”と呼び、LTアジでは“ライトビシ”と呼ばれる軽量級の40号(約150g)を使用する。釣り方は、リールのクラッチを切って糸を送り出し、ビシが海底に着いたら、釣り糸の目盛りを見ながら1m分リールを巻き、竿先を30cmほど軽く振ってコマセを撒く。そこから更に1m巻いて待つのが通常のパターンで、この状態を「タナが底から2m」と言う。魚が釣れる水深を意味する“タナ”がその日によって違うので、スピーカーから聞こえる船長のアナウンスを注意深く聞き、それに自分の釣りを合わせていく。
ビシが海底に着くことを“底ダチ”と言って、これを察知できるか否かが最初の関門となる。次に「的確な餌付け」や「正確なタナ取り」、「効果的な誘い」という技術が“釣れる”“釣れない”を左右するのだが、これは船長に聴いたり釣れている人の真似をして技を盗むのが手っ取り早い。
LTアジで釣れる魚のあれこれ
Tアジで釣れるのは、アジだけではない。イシモチ(シログチ)やマサバ、ゴマサバ。また取材日には釣れなかったが、天ぷらでポピュラーなシロギスや、煮魚としてお馴染みのマコガレイも釣れることがある。どれも美味しい魚だが、美味しく食べるためには持ち帰り方も重要で、沖に出たらまず、氷の入ったクーラーに1/3ほど海水を入れて水氷にしておく。アジやサバは釣れたそばからそのクーラーに入れても良いが、イシモチはエラ(エラぶたの内側にある赤い部分)をハサミで切って、海水を満たしたバケツに1、2分間浸けて“血抜き”をしてからクーラーに入れると格段に美味しく食べられる。更に、気温が上がるこれからの季節は早め早めにクーラーへしまうのがお勧めだ。実は、アジを刺し身にして美味しいのは釣った翌日以降で、釣ったその日に食べるならフライやカルパッチョ、なめろうなど一手間加えた料理がその味を引き立てる。家に帰ったら新鮮なうちにエラやウロコ、内臓を取り除いて、冷蔵庫のチルドルームで休ませると更に味が増すのでお試しあれ。
船長に訊く“アジ釣りのコツ”
この日の竿頭(最も多く釣った人)は太附聖さん(川崎市)。一荷(2匹掛け)やトリプル(3匹掛け)で数を伸ばし、結果107匹の束釣り(100匹以上)。因みに小さなアジは“南蛮漬け”にするそうだ。
この釣りのコツを船長の杉本剛志さんに訊いた。「底ダチをちゃんと取って、しっかりタナを取ること」。これはアジに限らず様々な釣りに共通する基本なので是非マスターしよう。また、魚を入れるクーラーを貸し出していたのだが、どうやって魚を持ち帰るのか尋ねたところ「無料でスチロール箱をあげている」とのこと。ただし数に限りがあるので“ジップロック”や“保冷バッグ”を持参するよいだろう。
なお、電車の場合は6時30分までに川崎駅東口の「川崎ルフロン」(ヨドバシカメラ)前へ。『つり幸』と書かれた黄色い送迎バスが目印だ。
今回利用した釣り船
出船データ
出船時間:6時50分
乗船料金:6,500円(女性/子供は3,500円)コマセ・エサ・仕掛け一組・氷付き
レンタルタックルあり(ビシカゴ、ライフジャケット:無料/貸し竿:500円~)
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他