2017年07月01日公開
「船に乗っての釣り」と聞くと、つい「敷居が高いなぁ」と考えてしまう人も多いようだが、初夏~盛夏に旬を迎える東京湾のアジなら誰にでも気軽に楽しめる。サイズは若干小振りになるが、その分数が伸びる。更に釣り場の水深も20m以下の浅場になる。気楽に楽しめるように午前、午後の半日船で出船している横浜・金沢八景『一之瀬丸』の午前LT(ライトタックル)アジ船に乗った。
船宿までのアクセスも抜群!
『一之瀬丸』へは、首都高湾岸線終点・幸浦ICか横浜横須賀道路・朝比奈ICで降り、早朝なら両ICから10分程で行くことが出来る。電車なら、京浜急行・金沢八景駅から徒歩5分程度と車でも電車でもアクセスは抜群にいい。
午前LTアジ船の集合時間は6時30分、少し早めの5時50分に到着、平日は奥の受付で駐車受け付けを行い荷物を下ろして駐車場へ移動。駐車場では釣り物によって帰港時間が異なる為、係りの指示にしたがい駐車を行う。釣り座は先着順、入口通路看板に釣り物別に分かれている札がある。駐車後、受付に戻り乗船手続きを行い、後は乗船指示が出るまで待機となる。
初めての人でも安心!
『一之瀬丸』は、レンタルタックル(アジ用は500円)も充実しており、ビシと天ビンのセットも借りることが出来る。仕掛け、簡易クーラーも買えるので、道具を全く持ってない人でも気楽にアジ釣りを楽しめる。「初めてで釣り方が分からない!」そんな人は、出船前に船長から釣り方のレクチャーを受ける事も出来るので安心だ。半日船のLTアジは予約無しでも乗船可能で2人から出船。まとまった人数で行く場合は予約しておくと良いだろう。この日は総勢6人中5人がレンタルタックル、しかも初めての人が2人だった。大型船に両舷3人ずつと贅沢な乗船で、定刻の午前7時、伊東正訓船長の操船で「第五 一之瀬丸」は出船した。
まずは好調な出だし!
この日は風は強かったが好天に恵まれた。車でベイブリッジを通過した時の風速計は8m、風は更に強くなる予報だが、釣り場までは20分程、湾内なので風が吹いても波は比較的穏やかだ。午前7時30分、釣り場の八景沖に到着、予報通り風が強い。「水深18m、下から2mでやって下さい」。船長のアナウンスでスタート。コマセはイワシミンチ、付け餌はイカの赤タンとアオイソメ。イソメはチョン掛けで垂らしを短く付けるのがポイント。まずはコマセを撒き、アジを集める作業からスタート。ビシを海底まで落とし、糸フケを取り1m(または50cmずつ)巻いてコマセを撒き、指示ダナ2mまで巻き上げ、20秒ほどアタリを待つ。アタリが無ければ又底まで落とすを繰り返す、とても簡単! タックルもライトでビシも40号と軽いので女性や子供でも扱いやすい。
アジは口が弱い為、アタリがあったらゆっくり竿を立ててハリ掛かりしていたら、そのままゆっくり巻き上げる。コマセを撒き始めて僅か数分、左舷トモ(船尾)で船中の初アタリ。この日がアジ釣り初挑戦の栗原正俊さん(東京・世田谷区)、会社の同僚、石田敦之さん(東京・町田市)の指導の下、初アジを釣り上げ「こんなに簡単に釣れるんだ」と一言。群れが集まってきたのか、この1匹を合図に船中一斉に釣れ出した。
好調な時に、厄介な“邪魔者”に苦戦
今度は負けずと石田さん、左舷ミヨシ(船首)の常連さんが同時ヒット+連続ヒット。反対の右舷トモでは釣り方を教えていた宮島教匡さん(父)と琉希君(息子)親子(神奈川県江南区)にもアジがヒット。お父さんの力を借り琉希君が初アジを釣り上げた。教匡さんは3年ぶりの船釣りとか。琉希君は今回が初めての船釣りでアジと“ゲスト”のイシモチをゲット!「船酔いするか分からないし、飽きて帰りたいと言われても困るので、短時間のアジ釣りは子供には最適ですね」と教匡さん。そんな心配はどこ吹く風、琉希君は最後はお父さんのサポートなしで竿を握りしめ釣りを楽しんでいた。
しかし、この好調な時に“邪魔者”が登場、近年、東京湾に大量発生しているアカクラゲだ。長い触手が仕掛けに絡み中々取れない。せっかくの好調時に時間をロスしてしまう事となった。「クラゲに触った時には、良く手を洗って下さい」と船長から注意を促す放送。クラゲを外す時間が増えたせいでコマセの幕が薄くなったのかアタリも徐々に遠のいてしまった。
風が強まり移動、アタリはポツリポツリと
予報通り風がドンドン強くなり、アタリも分かりにくくなった。海には“ウサギ”が飛び跳ね出した。午前9時30分、風を避けるべく風裏へと小移動。「水深13m、下から2mちょい上まで」と言う船長のアナウンスで再開。「風が強い日は澄んだ沖の潮が入って来ちゃってアジが警戒しちゃうんですよ」と船長。その言葉通り、釣り始めのラッシュのようなアタリは無い。しかし、絶えずポツリポツリと釣れてくる状況。取り込む時に風で煽られ逃がしてしまう事も多々あったが、沖上がりの11時まで、皆さんしっかり釣果を伸ばした。
これから盛夏に向け、期待度アップ!
結果は、17~26cmのアジ5~27匹、ゲストにサバ、イシモチ(シログチ)が交じった。強風とアカクラゲの影響はあったものの十分楽しむ事が出来た。「これからの時期は数も出て、ゲストにサバも交じり良いお土産になるよ」と船長。
帰りがけ琉希君に、「楽しかった?」と聞くと「楽しかった!」と答えてくれた。新たな釣り人の誕生だ。初めてで船酔いが心配な人、家族で行ってみたいけど子供が飽きちゃったらどうしようと考えてる人、穏やかな海で短時間勝負! 刺し身やタタキは勿論、焼いても揚げても美味しい東京湾の“黄金アジ”、気楽に始められる半日LTアジでの船釣りデビュー、是非お勧めしたい。
今回利用した釣り船
出船データ
駐車場:500円
集合時間:車…6時30分 電車…6時50分
出船時間:7時00分
納竿時間:11時00分
この記事を書いたライター
タナゴからマグロまで、幅広く実釣。釣果よりも楽しくをモットーとするエンジョイアングラー。