2017年08月01日公開
関東甲信越地方では、平年より2日早い7月19日に梅雨が明け、いよいよ本格的な夏の到来!「ショウサイフグを開始した」との知らせを聞き、7月22日、茨城県・大洗港『山正丸』に出掛けた。
独特な趣のカットウ釣り
フグといえば、カワハギと並び“餌取り名人”として有名な魚。そのフグを釣るために考案されたのが、カットウバリというカエシの無い3本イカリバリを使って、餌に寄ってきたフグを引っ掛ける独特な釣法だ。
“引っ掛け”というと、単純なイメージを持つかも知れないが、餌付け、誘い、合わせ等々カワハギ同様、「腕の差」が出る独特の世界。1度嵌ると抜け出せない人も多いとか…。東京湾では、10号程度のオモリにエビ餌、餌バリ1本、カットウバリ1本の仕掛けを使用するのに対し、“常磐”では、オモリ30号、餌はアオヤギを使い、餌バリ1本、カットウバリ2本の仕掛けを使用する。また、釣り方も東京湾では、軽い仕掛けでアタリを取っていくが、ここでは、定期的に空合わせを入れる、いわゆる“タイム釣り”が基本だ。
午前4時20分に出船!
集合は、午前4時10分。氷を受け取って船に乗り込んだ。この日の朝は、若干気温が低く肌寒い位で霧が立ち込めている中、4時20分に出船となった。航程20分程で釣り場に到着。船長から「マメに空合わせを入れるように!」とアナウンスがあり、投入の合図と共にスタート。水深は25m、海底は砂地。東日本大震災以降小石が多くなったとかで、石が掛かることがあるが、根は無いとのこと。海水温は20℃。
餌はケチらず付ける
底立ちをとったら、仕掛け分オモリが浮くイメージで底を切り、小さく5、6回小突き、軽く空合わせを入れる。このアクションが基本となる。餌のアオヤギは、肝、ヒモ、ベロの順にコンパクトに縫い刺し3、4個ボリュームたっぷりにつけて餌はケチらないこと。活性が低いと肝しか食べないらしく肝が無くなったらベロが残っていても餌は交換する。常連は、1日3パックは使うとのこと。開始早々、船中のあちらこちらで型が出始めた。
潮が動き出すと共に好転!!
5時過ぎ、最初の移動中に海面近くを悠々と泳ぐサメの背ビレを目撃。つい先日も茨城の海水浴場でサメの出没が話題になっていたが…。サメは、ツチザメのようだが底にいるはずのツチザメが海面近くにいるということは、何を意味しているのか。すると船長が、「ここ数日で上潮は23℃台から20℃台へ落ち、底潮は12℃台とかなり低水温になっている」と教えてくれた。サメもこのせいで浮いていたのか。ふと厳しい状況が頭をよぎる。しかし、6時過ぎになり、潮が動き出すと共に再び釣れ出し、良型が交じるようになった。
常連さんをまねて1匹ゲット!
空合わせの“常磐スタイル”の常連さん、繊細なアタリを取っていく“湾フグスタイル”で釣果を上げる人、それぞれのスタイルで楽しんでいる。そんな中、私も竿を出した。常連さんのスタイルを見様見真似でやってみる。底を切って、5回小突いて空合わせ、フォール中にモゾモゾとしたアタリ、すかさず合わせると、上がってきたのは、小ぶりなショウサイフグだった。しかし、後が続かずに時合は終了した。
上手い人の動きを真似ているつもりでも、竿の調子や人の癖などが違うのでそう簡単にはいかないものだ。今考えると空合わせが強すぎたのかもしれない。合わせが強すぎると魚が散る。今回、ゲームロッドやキス竿など柔らかめの竿を使っている人が多くいたのもうなずける。次回は、もっとソフトに合わせようと誓った。
これから秋にかけて数釣り期待!
「乗っ込みシーズンは終盤になるが、今後秋に向かって数釣りが期待できるようになる」と小沼資平船長。『山正丸』では、例年10月一杯はショウサイフグをやっているとのこと。これからはビギナーにも比較的簡単に釣る事が出来る時期になる。是非1度出掛けてみては如何だろう。
※釣ったフグは、全て処理の免許を持ったスタッフが捌いてくれる。
今回利用した釣り船
出船データ
追加餌(アオヤギ)500円
カットウ仕掛け30号700円
出船時間:午前4時30分出船~11時30分沖上がり
この記事を書いたライター
マルイカ、ティップラン、ワカサギなどを中心に海水淡水を問わず釣りの帰りに温泉に立ち寄り、「釣り&温泉」をテーマに釣り歩く。