2017年08月01日公開
千葉県・銚子沖の“夏ビラメ”は、例年通り6月1日に“開幕”した。例年このシーズンのヒラメは浅場で数が出ることから気温の上昇と共に人気沸騰。最近の釣果を見ても連日トップで5、6匹と好調が伝えられている。“海の日”3連休の7月16日(日)、大きな期待を胸に銚子外川港『福田丸』へ出掛けた。
銚子は涼しい、蒸し暑い都内を回避
前日に電話をすると、3連休の中日という事もあり既に満船近い予約との事。早くも銚子沖の“夏ビラメ”の人気の高さを実感した。集合は午前3時半。連日の熱帯夜を抜け出し午前1時前に都内を発ち銚子へ向かった。車に乗り込むと外気温計は30.5℃。都心の深夜としては俄かに信じがたい暑さ。ところが銚子に着くと気温は22.5℃。銚子は海の傍で暑いイメージがあるが、実は都内よりもずっと涼しいのだ。
定刻の4時半に出船
予定よりも早く3時過ぎに到着したが、駐車場は既に多くの車で埋まっていた。
『福田丸』では船の前にクーラーボックスを置いた順番に好きな釣り座を取れるシステムだが、既に15個を超える数が並んでいた。最後から2番目だった私は、空いていた右舷胴の間(中央)に座った。定刻の4時半に18人を乗せて出船した。
“朝一”にいきなりの3連続!!
この日の最初のポイントまでは30分程の航程。辺りはうっすら白んで来たが、朝霧が凄くてゆっくりと周りを確かめながら船は進んだ。水深は20m程。福田稔船長が鳴らすブザーの音が“戦闘開始”のゴングだ。
開始早々、イヤ、正確には着底と同時に右舷に座った神谷伸幸さんの竿にガツガツッというアタリ。「ヒラメ40」とはよく言ったもので、最初のアタリで一噛み。その後に数回に分けて餌を飲み込むのがヒラメの特徴。この待っている間が心臓バクバク。しかし、この日最初のヒラメは最初のアタリですぐにハリ掛かり、アッという間に取り込まれたのは800g級のヒラメ。夏の時期は海水温も上がり、ヒラメの活性も高くなり、すぐに食い込むことも多い。まさに“夏ビラメ”全開!! これを裏付けるかの如く、続けて船中で2匹が上がり、否が応にも期待が高まった。
全体的に海が2か月程遅れている
しかし、これはたんなるモーニングサービスだったのか?その後はアタリがピタリと止まってしまった。実は今年は海水温の上昇が全体的に遅れている。この日も沖目には黒潮に伴う暖かい潮が回っていたが、浅場のこの辺りはまだ24℃。しかも前日に“濁り潮”が入った影響で状況はお世辞にも良いとは言えない。深場釣りを得意とする『福田丸』、例年では既に終わっているメヌケも7月一杯は楽しめそうとの事。全体的に海が2ヵ月程遅れているようだ。百戦錬磨でこの辺りの海を知り尽くす船長は早々に最初のポイントを諦めて、更に15分程沖へと向かった。
ワカシはコンスタントに釣れるのだが!?
例年ならヒラメは夏に一定のポイントに集まり、1カ所で数多く取り込まれる事が多いのだが…今年はまだのようだ。船長もヒラメの好みそうなポイントを転々と攻めてポツリポツリと拾い釣りが続いた。
この日ヒラメ以上でコンスタントに口を使ったのがワカシ(ブリの幼魚)。着底と同時にガツッと仕掛けを持っていくのはほぼワカシ。引きは楽しいのだが…。少しでも潮のいい場所を探して移動するものの気温の上昇と共にアタリの数が減って来た。
2.6kgの良型ヒラメ!
船長がポイントに応じて細かい指示をアナウンス。ヒラメに怖がりイワシが暴れるさまや前アタリへの集中の仕方を細かくマイクで説明。前アタリが来たら息を止めて集中だそうです。でも40秒“本食い”まで待つんですよね?? 苦しいじゃない…臨場感溢れて非常に面白く、アタリが少ない中でも船中が和む。
そして沈黙を打ち破ったのが左舷に座った木間智和さん。午前9時30分、ワカシとは明らかに違う引き込み。首を振らないその引き込みはヒラメだ。船中の期待を一身に背負って上がって来たのは2.6kgの良型ヒラメ。本間さんは勿論だが、船長も、そして今日は上乗りとして乗船していた女将の福田るみ子さんも安堵の表情。
ラストチャンスにもう1匹の良型!
その後も正午の沖上がりまでポツポツと上がったがどれもソゲ級(小型ヒラメ)。そんな中、最後に“ドラマ”を見せたのが又々木間さん。「あと2、3分で終わりですよ」のアナウンスと同時にドラグを鳴らす小気味良い音。走るその糸の先は青物か?でも首を振らないぞ?女将はヒラメを確信してタモを準備。その引きは2.6kgのそれよりも更に力強い感じだ。期待の中で上がったのは2.6kgには及ばなかったものの良型と呼ぶに十分なサイズだった。
いよいよこれから数釣りシーズン突入!
まだまだこれからが本番の“夏ビラメ”。この日は最初の1匹を上げた神谷さんが4匹を上げてトップ。本間さんは2.6kgを頭に良型2匹を含め計3匹。
夏本番はこれからだ。海水温も上がっていよいよ“夏ビラメ”も数釣りの本格シーズンを迎える。前哨戦としては好調な出だし。次への宿題を胸にしっかりと刻み込んで帰路へと就いた。