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千葉県・勝山港発のスルメイカ、まだまだ好調!!

2017年09月01日公開

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梅雨に戻ったような空模様から一転、夏の気配を取り戻した関東地方。あの重量感と水しぶきの祭典、“スルメイカの夏”もまだまだ終わらない!シーズン序盤よりサイズが一段と太く大きくなったとの情報を聞き、千葉県・勝山港『利八丸』へ勇んで出掛けた。

晴天ベタナギの“夏イカ”日和!

勝山港は、館山自動車道・鋸南富山ICを降りて僅か数分の所にある。漁港から突き出した埠頭の左側根方に『利八丸』の受付がある。看板の脇にあるホワイトボードの船形からマグネットを外して釣り座を確保、集合の午前4時半を待った。いつもは受付のある岸壁に船が横付けされるのだが、この日は漁船の荷下ろしがあり、埠頭の右側に係留された状態での乗船。空が白みはじめ、セミの鳴き声が沸き立つ午前5時、「第一 利八丸」は滞りなく河岸払いとなった。

1投目から続々“アタリ”が!

微風ベタナギの海を走ること50分程で洲崎沖へ到着。水深163mのエリアから竿入れとなった。開始間もなく、右舷胴の間(中央)の藤村弘志さん(八千代市)が、船中1杯目を取り込んだのを合図に、船のあちらこちらで電動リールのモーター音が響き始めた。ここから2時間は、ポツリポツリと釣れ続くのだが、“夏イカ”らしい多点掛けには至らない。シャクリ方やリズムを変えても、一番下のツノに1杯だけ掛かるような何とも歯痒い状況。やがて潮が速くなったのを機に、船長は「ちょっと走ります」と白浜沖へ船を進めた。

 

簡単ではないが、型はグッド!

潮風を切って走ること40分弱。「第一 利八丸」は白浜沖に到着した。ここでも再開間もなく“アタリ”があり、船中満遍なくビール瓶に例えるなら中瓶から大瓶サイズの立派なイカが取り込まれるのだが、やはりポツリポツリの拾い釣り。途中、ブランコ仕掛けに小サバが掛かる場面もあったが、18cmヅノでは流石に仕掛けを滅茶苦茶にされることもなかった。この日のイカの反応は底付近に固まっていたので、派手な電動シャクリより海底周辺をみっちり攻める釣り方が有効で、1杯ずつ釣っては開いてロープに掛ける“のんびりムード”の釣りが沖上がりまで楽しめた。

コツは「優しく“アタリ”を見ながら」

この日の竿頭は、勝山にセカンドハウスを借りて『利八丸』に通う安田伸一さん(つくば市)。前々日も71杯を釣って竿頭だったのだが、この日は17杯でトップという成績に「海と天気は最高なんだけどね」と苦笑い。決して容易ではなかったが、海底付近に固まるイカの模様を意識した釣りが功を奏した。
この時期のスルメイカ釣りのコツを舟宝康弘船長に訊いた。「優しくやって欲しいですね。初心者の方は結構ガッツンガッツンしゃくって、動かしっぱなしにすることが多いんですが、それだと中々乗らない。ひとしゃくり、ひとしゃくり、ちゃんと“アタリ”を見て釣ったほうが良いでしょうね」と言う。言われてみれば確かに、イカが乗るのはツノが止まっている時だし、闇雲にシャクリ続けるより体力的にも遥かに持続する筈だ。

まだまだ楽しめる今シーズンのスルメイカ

今年も最盛期を迎えたスルメイカ。先に紹介したように前々日には竿頭71杯、そして翌々日には48杯と釣果の谷間での釣行となってしまった今回、こういう日はこういう日で釣れたイカの1杯、1杯を丁寧に扱えるので、イカの肝を慎重に取り出して丹精込めて塩蔵した結果いつもより味の良い塩辛が作れたり、念入りに掃除した出来の良い沖干しが作れたりするメリットもある。多点掛けでバリバリ釣るスルメイカは勿論楽しいが、『利八丸』のようなアットホームな船宿で、のんびり楽しむスルメイカ釣りも趣きがある。是非お試し頂きたい。

今回利用した釣り船

千葉県勝山港『利八丸』
〒299-2117 千葉県安房郡鋸南町勝山471-7
TEL:090-2526-3837
定休日:なし 釣果・施設情報 利八丸 ホームページ

出船データ

スルメイカ乗合
乗船料金:1万円(氷付き)
集合:4:30/出船5:00
貸し道具:あり
     
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この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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