2017年09月01日公開
今年は、間違いなくキハダマグロと本ガツオの“当たり年”になりそうだ。6月末にルアー釣りが開幕、8月1日には待ちに待ったコマセ釣りも解禁、いよいよ相模湾のキハダ・カツオフィーバーは最高潮だ。釣り人だけでなくこのターゲットには船長にも熱い思いがある、その中でもトップクラスの熱さを誇る神奈川県・宮川港『二宮丸』にお盆休みの8月13日(日)、出掛けた。
8月5日には乗船者全員がキハダをゲット!!
コマセ釣りが開幕して2週間弱。通常、イワシやシラスを追い掛けているキハダ・カツオがコマセに馴染むまである程度の時間を要するのだが、今年は開幕早々にフルブースト。連日目に飛び込むのは各船宿が出す大きなキハダや数多くのカツオを持った釣り人の写真。今年は“当たり年”になる気配ムンムン。『二宮丸』でも8月5日には、乗船者全員がキハダをゲットしたそうだ。大きな期待を胸に三浦半島の南端、城ヶ島の隣にある宮川港に車を走らせた。
仕立船ならではの自由な組み合わせが可能
この日は会社の釣りサークルのグループに同船させて頂いた。協定によりコマセ投入は午前7時からと決められている。そのためコマセ開始前にルアーでキハダを狙い、そして後半はコマセでカツオを狙うという。仕立船ならではの面白い組み合わせだ。出船時間もコマセ船よりも大分早く午前4時半。駐車場は船の目の前で、同港には他に遊漁船がないので混雑の心配もない。
まずは“鳥山”を探してクルージング
最初の狙いはルアーで狙うキハダ。弾丸のごときスピードで泳ぎまわるキハダ、どこにいるかはその日の魚の気分次第。まずはキハダが追い掛けているイワシやシラスに付いている鳥の群れを探さないといけない。今年から「第5 二宮丸」には最強の武器“最新鋭ソナー”が搭載された。船の周りの群れの位置が分かると共にその進路も分かる。これでキハダに出会える確率が格段に上がった。すぐに見つかると思われた“鳥山”。しかし、この日はなかなか見つからない。前日はそこら中に“スーパーボイル”があったそうなのだが…。
釣れるのはシイラ。そしてなぜかイワシ??
探し回る事1時間強。やっと見つかった“鳥山”だが、どうも気配がおかしい。キハダが跳ねているのが確認出来ないのだ。どうもシイラの“ナブラ”のようだ。次もシイラ。そしてその次も。この日は圧倒的にシイラが優勢。とりあえず何も釣らないのも寂しいので試しにルアーを投げ入れてみると即バイト。うまく“ナブラ”周りにルアーが落ちれば入れ食い。魚の引きは楽しいのだが欲しいのはやはりキハダ。さて時刻も7時半になり、ここで船長は釣り方をコマセ釣りへ変更した。
コマセ釣りを待っていたのはカツオの大群の跳ね
コマセ釣りでの狙いはカツオ。他船は7時開始なので既にポイントには船団が…。ポイントに近づくとその船団の中のいたる所で魚が跳ねている。近づくとそれは全てカツオの跳ねだった。すごい数だ。船長の指示ダナは10m。トモ(船尾)で最初のアタリ。下で暴れまくったようでオマツリしながら上がって来たのは少々小ぶりながら待望の本ガツオ。幸先の良いスタート。その後もアタリはあるものの船の周りの群れから考えるといささか寂しいペース。
まさかの一本釣り!!
ここで宮川剛船長が持ち出したのが1本釣りの漁具。「これでちょっとやってみろー!」。船長の声が1オクターブ上がり、べらんめえ調に変わって来た。長年船長と付き合いがある私には、この変化が魚の活性が上がって来た証だとすぐ分かった。突然言われた釣り人にとって最初は戸惑いこそあったが、それでも釣り好き。テレビでよく見る一本釣りに興味がないわけはない。船長の優しい(?)指導の下、代わる代わる初めての一本釣りをやってみる。
カツオが空を舞う…
ミヨシ(船首)から一斉に散水。これがカタクチイワシの跳ねを演出。ここで船長が予め用意していたカタクチイワシが活躍することに。ミヨシからイワシを撒く。そこに散水の少し外からブッペと言われる漁具を海面ギリギリに引いてくると、ガガガガッと良型カツオが。最初こそ上げ方に戸惑っていたが、暫くすると慣れたようでポーンとカツオが空を舞う。用意されたイワシはそれほど多くはなく、子供のようにはしゃいだ時間はアッという間に終わってしまったが、まだカタクチイワシがあればどれだけ釣れたのか?こんな予期せぬ楽しみも仕立船ならではだ。
まさかのカジキ
最後にカツオフィーバーを楽しんで納竿。港へ舵を進めるかと思いきや。『二宮丸』では、帰る途中にボイルがあればそこでルアー釣りを実施する。この日は2回。1回目は朝にはなかったキハダのボイル。次々にルアーを投げ込んだが、ヒットにはつながらず。2回目は単発だったが何とカジキ。海面を割る背中にサメかと思ったが、その先にカジキ独特の剣のような長い吻。初めて見る魚影に皆興奮MAX。しかし、残念ながらこれもヒットならず。これにて本日はジ・エンド。普段経験出来ないことを楽しんだ一日となった。
10月まで期待大!
噂通りのカツオフィーバーは楽しめたが、残念ながらもう一つの“本命”キハダは掛からなかった。しかし、そこはキハダ。10回以上通っても顔を見ることが出来ない事がざらの釣り物だ。しかし、今年はそこら中に跳ねがある。コマセに完全に馴染めばさらに期待は大きくなる。相模湾には10月末頃迄はいる魚なのでロングランで楽しめる。是非相模湾最大の回遊魚を楽しんでみてはいかがだろう。
今回利用した釣り船
出船データ
※平日は予約乗り合いを出している場合があるので要問合せ
※イワシフカセ釣りを希望の場合はエサの入荷状況を要問合せ
乗船料金:5人まで基本料金6万円(氷付き・コマセの場合はコマセオキアミ1個付き)以降1人増1万2,000円
※イワシフカセの場合は活き餌(イワシ)は別途実費
集合:要問合せ(コマセ釣りと他の釣り方では集合時間が違います)