2017年09月01日公開
冬の釣り物の印象が強いカワハギだが、実は“夏のカワハギ”も「型がいい!水深が浅い!元気がいい!」と魅力タップリなのだ。8月1日、ファン待望の神奈川県・剣崎沖が2カ月ぶりに“解禁”になった。横須賀市・久比里の『巳之助丸』に出掛けた。
カワハギ釣りの朝はアサリ剥きから
『巳之助丸』は、久里浜港に注ぐ平作川に架かる夫婦橋の袂近くにある。出船は午前7時30分、6時頃には到着した。船宿前に荷物を下ろし駐車場への案内を受けて車を移動させる。宿に戻って受け付け。大型船に乗り込むとすでに釣り人が!殻つきのアサリを剥いていた。カワハギ釣りには付き物の“朝のアサリ剥き”だ。
北風少々、潮の流れよく!期待が膨らむ!
船着き場を離れた船は、臼井浩喜船長の操船で剣崎沖を目指す。風が感じられない。船は南に向けて走っているから、風は北寄りなのだ。暑いこの時期には少々の北風はとても有難い。剣崎沖に到着。船長の合図と共に一斉にスタート。オモリ25号の胴突き2、3本バリ仕掛け。幹糸3~5号、枝は3号程度。枝スをフック等で止められる仕掛けを使うと、枝バリの交換が楽だ。
浅場で釣れるカワハギの強い引きにシビれる!
オモリを真下に下ろす人、ちょい投げする人、目一杯投げる人と色々だ。竿先から伸びる道糸は、斜めに海面に刺さっている。潮の流れも良さそうだ。開始早々、あちらこちらでカワハギがポツポツと上がり出した。サイズは20cm前後が中心だ。釣り場の水深が10~20mと浅いので、船の真下で掛けると引きが物凄く強い!カワハギが暴れて竿がガクガク、ブルブルと震え、巻き上げはスリリングで見るからに楽しそうだ。
仕掛けを投げて広く探る
夏のこの時期、カワハギは大きな群れは成さず、浅い根周りに広く散らばっている。投げて釣るのは、広く探ることによってこの散らばっているカワハギとのコンタクトの機会を少しでも多くするためだ。ただ、船長曰く、「根が荒いので、根掛かりには十分注意して下さい」。なので、絶えず竿を上下して小突くようにオモリを引き寄せ、寄せた分リールを巻いて手前へと探ってくる。この釣り方のときは捨て糸を長めにしているという人もいる。
来た!30cm級の“デカハギ”!
中盤以降、大型がポツポツ上がり始めた。“時合”が訪れたようだ。竿の曲がりも暴れ方もこれまでとは全然違う!ゆっくり慎重に巻き上げ、海面ではタモで取り込む。30cm級のカワハギは、それまで主流だった20cm級に比べると破格にデカい。
“アクセサリー”にも流行があるようで
カワハギ釣りでは、仕掛けにちょっとした“アクセサリー”を着ける人が多い。昔はいわゆる反射板(集器)だった。それが、今ではカラフルなビーズやタコベイト、アルミテープ等様々な趣向が凝らされている。枝スを止めるスナップ付きの回転ビーズも色や形、大きさなどでカワハギへのアピールが変わるらしい。勿論、「シンプル・イズ・ベスト」の“着けない派”もいる。何がいいかは、その日の条件で変わる気がする。正解は分からないが、この遊び心が楽しい。
3打数1安打!
多少の中だるみはあったが、兎に角、終始誰かの竿が曲がっている状況が続いた。ここで竿を出してみた。まずは、真下に下ろす。「一旦叩いて、カワハギを寄せておいてから聞いてみる感じがいいですよ」と船長。よし、叩いて、ゆっくり上下、ブルルッ、これじゃない、ん?これでもない。コツ、これか!?合わせると、竿がガクガクしているし間違いないでしょう、と思ったら、海面近くで魚体を見ないままハリス切れでバレてしまった。「デカかったね、きっと」。次は20cm級を無事にゲット。次は合わせはうまくいったが、キツく合わせ過ぎたのか、ハリスがフックから抜けてしまいバラした。3打数1安打、やっぱりカワハギ釣りは面白く難しい。
“飽きるほどのアタリ”で楽しめた!
この日の釣果は、18~31.5cmを4~26匹。“ゲスト”には25、26cmのカサゴ、黄色と黒の縦縞が可愛らしいカゴカキダイ、それに“定番”のベラやトラギスなども多数交じった。“飽きるほどのアタリ”で皆さん実に楽しそうだった。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:8,700円(殻付きアサリ付き ※アサリの剥き身800円、氷100円)
出船:7時30分~沖上がり14時30分
レンタルタックル:有り
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。