釣りビジョン

相模湾・佐島沖のカワハギ、秋シーズンに突入!

2017年09月15日公開

04_main.jpg

テクニカルな釣り物と言えば、まず挙げられるのが“餌盗り名人”の異名を持つカワハギ。8月の“解禁”当初はどの港も盛況に沸いたが「そろそろ混雑も落ち着いた頃かな」と、台風15号のシケ直後の9月3日、神奈川県・佐島港の老舗船宿『深田家』に出掛けた。

都内からもアクセス良好!

『深田家』へは、横須賀横浜道路・横須賀ICを降りて20分程。国道134号線「佐島入口」交差点を右折して1km程だ。海の気配が漂う住宅街の中にある(早朝は車のエンジン音やドアの開け閉めに気を付けたい)。午前4時半には、船宿に明かりが灯り、受け付けがスタートする。窓口で乗船料の支払いと餌を購入し、乗船名簿を記入する。続いて店先で氷を受け取り、クーラーに入れたら停まっている軽トラックに積み込む。船着場までは300m程。5時半頃、桟橋に船が着き、席番号順に乗船する。各自、餌のアサリを海水で洗って塩で締め、「第七深田丸」は、定刻より少し早めに出船した。

竿入れからアタリが!

ベタナギの海を走ることほんの数分、水深12mの釣り場に到着。この釣り場の地形や、これから回るポイントでの釣り方のコツが船長からアナウンスされた。竿入れからわずか3分、船中1匹目の“本命”を取り込んだのは上野広宣さん(三浦市)。この展開の速さに「これはシケ後のアレか!?」と船中はテンションUP!アタリは多く、ポツリポツリと竿が曲がるのだが、“本命”カワハギは様々なゲストフィッシュに阻まれて、餌まで辿り着けない模様。なんとか“本命”のアタリを出そうと、釣り人たちの試行錯誤は続いた。

 

ゲストフィッシュのいろいろ

カワハギ以外の魚が良く釣れるのも、この釣りの面白さのひとつ。赤茶色のササノハベラや、石鯛の幼魚・サンバソウ(シマダイ)なども釣れる。中でも今回良く釣れたのがトラギス。実はこの魚、天ぷらダネとして非常に美味で優秀な食材であり、1度食べればカモメに投げ与えていたことを後悔するだろう。ベラなども関東ではあまり食べないが、食べてみると「なぜこれまで食べずに来た?」と目からウロコが落ちること請け合い。どの魚も(勿論、カワハギも)、生きているうちにハサミなどでエラを切って血抜きしてからクーラーに仕舞うと見た目も味もぐっと良く食べられる。ただし、キタマクラなどのフグ類は、個人サイト等に何と書いてあろうが絶対に食用不可。素人調理は厳禁と肝に銘じておこう。

“親子アングラー”にお勧め!

この日、大健闘したのが匿名希望の川萩さん親子(仮名)。ごくごくゆっくりリールを巻きながらカワハギのアタリを出す-というこの日のヒットパターンをいち早く見つけ出した息子さんは午前中の時点で独走の竿頭。こんなカワハギ少年が育つのも、実は『深田家』の料金システムが為せる業。『深田家』の乗船料割引きサービスの一つ「親子割引」は「親御さん1人につき、小学生・中学生1人無料」というもので、要はお父さんが釣りに行くなら子供と一緒に行っても乗船料は同じということ。親子アングラーの皆さん、このサービスは見逃せませんよ!

的確なタナ取りと、アタリを出す工夫
この日の竿頭は三原浩志さん(横浜市)と粕屋育功さん(台東区)。「チッチッっていうカワハギらしいアタリがなくて…」とシケ後の回復期にあったこの日の釣りを振り返る粕屋さん。確かに、アタリが出ないのに餌がなくなっているような“居食い”するタイプのカワハギが多かった。竿先をゆっくり誘い上げたり、送り込むなどして“出ないアタリ”を取る工夫が必要と語るのは常連の滝上智雄さん(横浜市)。叩いたり弛ませたりというカワハギ釣りの定番テクニックを一切使わないスタイルが印象的だった。

船長に訊く「カワハギ釣りのコツ」

「この時期のカワハギとしてはほぼ例年通りなんですが、“外道”が物凄く多いですね。この時期は掛けるのが難しいとかじゃなくて居れば食ってくるので、カワハギが釣れるタナを見つけることなんですが…今は“外道”も高いタナまで上がってくるんで、分けて釣ることが出来ないんですね。“外道”が居ない所へ行くとカワハギも全然釣れなくなりますから、“外道”の中で、“外道”も釣りながら辛抱強くカワハギを獲っていくことですかね。これから海水温が下がってくると、だんだん釣りやすくなってくると思います」と、高橋健治船長。
活性が高いからと言って、決して容易ではない初秋のカワハギ釣り。洞察と工夫を凝らして釣るゲーム性の高さを味わうには、最適な季節ではないだろうか。

今回利用した釣り船

神奈川県佐島港『深田家』
〒240-0103 神奈川県横須賀市佐島2-3-20
TEL:046-856-0713
定休日:無休 釣果・施設情報 深田家 ホームページ

出船データ

カワハギ乗合(※前日20時までの予約制)
乗船料金:7,500円(氷付き)
餌:1,000円~
集合:船宿へ5:20まで/出船:6:00
貸し道具:あり
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
このライターの他の記事も読む

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部