2017年10月01日公開
大型の台風18号が去った9月20日、「今秋のマダイは如何か」と千葉県・大原港『新幸丸』に出掛けた。シケ後の潮温や底荒れを心配したが海は確実に秋を迎え、テンヤでカブラでタイラバで、そしてワームでと「船中オデコはなし」の2尾から6尾(放流サイズを除き)の釣果、サイズも1kg近いものが多く0.4~2kgと秋のマダイシーズン突入を実感した。
集合午前4時30分
集合は4時30分、3時前には港に着いたのだが、船着き場の入り口にはすでに数台の車が停まっていた。親子3代、マダイ釣り一筋の船宿『新幸丸』に明かりが灯ると、釣り雑誌やテレビでお馴染みの宮本英彦さんがスタッフの一人と釣り談義をしていた。今日はプライベートの釣りという。時間とともに1人、2人と釣り人が顔を見せる。出船準備が整った4時45分、期待と不安を乗せ「新幸丸」は大船長と女将さんに見送られて岸壁を離れた。
仕掛けはタイラバ、ワーム、テンヤと色々
山口新一船長の操る「新幸丸」は、多少ウネリのある海を南に30分程走る。太東沖の水深20mでエンジンがスローになり、外房でお馴染みのオレンジの浮き玉が付いたパラシュートアンカーの投入だ。アンカーの投入は上乗りを兼ねた若船長の山口大地さんの仕事。手際よく投入すると潮に馴染むのを待った。アンカーのロープが張ると、「やっていいですよ、水深20m」と船長。左舷ミヨシ(船首)の岡村洋介さん(町田市)はタイラバ。胴の間(中央)の宮本英彦さんはエビ型(スイムシュリンプ)のワーム。そしてトモ(船尾)の依田幸樹さん(柏市)は誘導式テンヤ。右舷トモの石井実さん(江戸川区)はカブラ。胴の間の私は5号のテンヤ。ミヨシのAさん(匿名)はテンヤにオレンジ色のスカートを穿かせてのタイラバスタイルと、各々の仕掛けでスタート。海底はカジメがビッシリ、油断すると直ぐに根掛かりする。
船中1号は誘導式に1kgオーバーが
釣り始めて暫らくすると「来たー!」の声。左舷トモの依田さんの竿が弓なりに絞り込まれた。慎重なやり取りで若船長の差し出すタモに収まったのはピンクのマダイ。1kg超か?そして、今度はミヨシの岡村さんの竿にアタリ。タイラバで1kg弱が取り込まれた。羨ましく見ていた私の竿にアタリ。すかさず大きく煽ってリーリング。グイグイと強く引き込み、リールが逆回転して糸が出ていく。慎重に竿を矯めリーリング。後10mというところでフワッと軽くなった。痛恨のバラシ!!あの引き込みは1kg級と思われる。残念!!腕の未熟さを実感。
この日の最大2kg級はワームに来た!
私が魚とやり取りしている最中、裏の宮本さんにもアタリがあり、こちらはさすがベテラン2kg級をタモに収めてエビス顔、仕掛けはワームとのこと。ミヨシで、トモで、「わーバレた」、「食い込みが浅い」の声。ポイントが外れるとありがたくない“ゲスト”の猛攻。ショウサイフグ、ウマヅラハギそしてベラ等の“餌取り”だ。アタリはあるもハリ掛りしないでエビがいつの間にか殻だけになる。
釣れるのは秋の“定番サイズ”
少し大原沖に移動、アンカーも入れず風まかせで流す。ここでは1kgオーバーは来ないものの1kg近いクラスが食い、依田さんが、宮本さんが、そして岡村さんが取り込む。「アタリが無いよ」と言っていた右舷トモの石井さんが「やっと来ましたよ」とニッコリ。私のバラした魚の3分の1くらいは500gクラス。ミヨシの人も顔を見れて船中オデコなし。その後は“放流サイズ”も交じって船中でポツリポツリ。そんな中で宮本さんは1kg級のヒラメをゲット、正にタイやヒラメの舞い踊りだ。そして圧巻は大地若船長、タモ取りや釣り人の世話の合間に竿を出し、瞬く間にレギュラーサイズを3匹、4匹と釣り上げる、何が違うのだろうか、やはり誘い方なのか、腕の違いに唖然。
真沖の浅場で全員にアタリ、ゲストに愛嬌者ヒゲダイも
終盤、大原沖の8mダチへ移動すると、「あと30分で上がります」と船長。投入して間もなく依田さんに、宮本さんに、続いてミヨシでとアタリ。「こんなに浅いところで」と思うような水深で500gから1kg弱が取り込まれた。右舷でもトモで、胴の間の私のところで、そしてミヨシで、全員にアタリ。引きを楽しみながら取り込んだ。〆は石井さん、最後に竿が大きく弧を描く「スワ、大型か?」。皆の目が竿先に集中、大地若船長もタモを持って控える。強い引っ込みを躱して上がってきたのは黒い魚体、何とゲストは私も初めてご対面のでっぷり太った顎に髭があるヒゲタイだった。
一つテンヤのポイントは
テンヤやカブラは底ダチが取れることが第一、底ダチが取れればなるべく軽いものを。因みに当日は3号から6号を使用。エビの装着は真っ直ぐになるように刺す。釣り場で投入の合図があったら素早く投入し、自分の餌を魚にアピールする。落とし込み(フォール)でアタリが出ることが多いので注意。リールのドラグは〆過ぎないこと。緩すぎてもダメ、力強く糸を引っ張り、スプールが逆転するくらいに(船上で大地若船長に聞くと調整してくれます)。そしてハリ掛りをよくするためにはテンヤでもタイラバでもハリ先は爪に立てて引っかかるくらい研いでおくこと(勿論、親バリ、孫バリも)、もう一つ、道糸や先糸(リーダー)のキズや傷みに注意、傷みを見つけたら交換、トラブルで泣くことが無いように、これがポイントですよ。
今回利用した釣り船
出船データ
※出船時刻は状況より変動あります予約時確認のこと
■午前船
時間:4時30分集合、準備が出来次第出船、11時頃沖上がり
料金:1万2,000円(氷・餌付き)
■午後船
時間:11時半集合、12時00分出船、日没沖上がり
1万1,500円(氷・餌付き)※冬季は割引き