この時期は低気圧と高気圧が交互にやって来て、その度に北風と南風が入れ替わりに吹き、寒くなったり暖かくなったりする。いわゆる“三寒四温”と言われる気候、これに尻込みしていたら“釣り時”を逃してしまう。長井港は、横浜横須賀道路・衣笠ICから15分程。港の真ん前『儀兵衛丸』と書かれた建物が目印だ。集合時間は午前6時。駐車場に誘導してもらい、受け付けを済ませ、仕掛けが足りなければ購入、そしてお茶を頂きながらひと休み。荷物を船に積み込んで支度を済ませて7時に出船。

風は北東の追い風、船上は思いのほか快適だ。航程40～50分でスローダウン、城ヶ島沖だ。3月3日に30～50cmのヤリイカを24～99杯（『儀兵衛丸』釣果）という大釣りがあった海域。水深は200m前後。梶ヶ谷泰宏船長の合図で一斉に仕掛けが投入された。水深が深く、風が強い。お世辞にも良い日並みとは言えない。オモリが150号と重いので底は取れるが、巻き上げを開始した人に話を聞くと、「乗ったと思うんですよ」と半信半疑の様子。「よし、今度は乗ったぞ！」と言う人も取り込んでみると、「あれ？バレた？」。これだけ揺れれば仕方ない。暫く粘ったが、船長の「沖の瀬に移動します。キャビンに入ってください」のアナウンスで大移動となった。

30分程で沖の瀬に到着。船長の「はい、どうぞ、水深180m」で第2ラウンド開始。オモリが着底すると、すぐに左舷ミヨシ（船首）の釣り人が巻き始めた。続いて同ミヨシから2番目も。左舷ミヨシでは30cm前後のスルメイカが上がり、同ミヨシから2番目は残念ながらバレてしまった。お次は右舷ミヨシのベテランの竿がかなり曲がっている。下の方に40cmオーバーの大型ヤリイカが乗っていた。さらに左舷ミヨシから2番目の人に再び乗った。今度は40cmオーバーを無事キャッチ。こちらも下バリだった。バラシが多いながらも徐々に乗りが良くなり、ダブルやトリプルも見られるように！好調ヤリイカの本領発揮！と思われた。

沖の瀬に移動して1時間半が経過、私も1投だけ仕掛けを下ろした。着底＆即乗りで大型ヤリイカをゲット。悪くない感触を得て取材に戻ったが、問題はやはり強風で、乗りがわかりにくく、乗ってもバレやすい悔しい状況だ。11時半頃、私の2投目、「乗った！」。運よく良型のダブル！バレないように大事に巻いた。「今日の作戦はこれかな…」。正午頃から私も本格的に竿を出した。オモリ着底、ひとシャクリ、モゾ、「ん？」。このよくわからないアタリでは巻かず、構わずもうひとシャクリ、「よし！今度は乗った！」。ハッキリわかる乗りでゆっくり巻き始める。どんどん重くなり、ついにヤリイカ3杯とスルメイカ2杯の5点掛けを達成！そして、14時定刻で沖上がりとなった。

帰港後、待合所に戻りお茶を頂きながら、共にシケを乗り切った同乗の皆さんと談笑。お土産にキャベツを1つ頂き帰路に着いた。思えばこの日は強風に悩まされた1日だった。ヤリイカ30～50cm、6～18杯（スルメイカ1～2割）。しかし、“いい日”に当たれば束釣り（100杯以上）も記録されている。今後が大いに楽しみだ。
頂いたキャベツと釣ったスルメイカで作ったお好み焼き、今まで食べたどんなお好み焼きより美味しかった！