2018年04月01日公開
時々脂の乗った「あの味」が恋しくなる、そう、東京湾のブランド魚“金アジ”だ。春の気配を色濃く感じるようになったこの時期、釣り日和を選んで千葉県・浦安『吉野屋』のLT(ライトタックル)アジ船に乗った。
浦安駅から徒歩6、7分
『吉野屋』は、地下鉄東西線・浦安駅から徒歩6、7分の旧江戸川のほとりにある。2階建ての駐車場も完備、電車組、マイカー組のどちらにも便利な船宿だ。釣り座の確保は、東西線の橋脚下に設置された座席ボードから座席札を取る(座席確保は、当日0時以降厳守)。午前5時頃から店内で受け付け開始。氷、仕掛け、レンタル品もここで全て揃う。乗船名簿に記入し、料金を支払う。引き換えに釣り物の書かれた札を渡される。船に乗ってから船長に札と座席札を渡すシステムだ。出船時間の30分前位には、船に乗っている位余裕をもって受け付けを済ませたい。
東京湾クルージングを楽しみながら釣り場へ
定刻より若干早めの6時55分、片舷4人ずつ8人で出船した。旧江戸川を下り東京湾へ。釣り場まで1時間程の東京湾クルージングを楽しむ。羽田空港の飛行機の離着陸、巨大なタンカーや沖のシーバースなど、東京湾ならではの景色が楽しめる。丁度8時頃、横浜沖の横浜ベイブリッジ下に到着。既に“アジ船団”が出来ていた。暫くポイントを探っていた船長から、「水深15m、タナは下から2m。コマセうって待ってみて、4、5回で無くなるから、入れ替えてね」とのアナウンスでスタートした。前日の雨で真水が入ったせいか、暫くの沈黙。「今日は渋いのか」と不安が過った時、「来たよ!」の声。最初の1匹を仕留めたのは、ご夫婦でいらしていた齋藤大輔さん(足立区)。これを機にポツポツだがアタリが出始めた。
アジ釣りの基本はタナ!
船長にコツを聞いてみた。「仕掛けが着底したら、リールを巻いて糸フケを取る。貸し竿は1m毎にラインに目印がついているので、目印を見みながらリールを巻いて、指示ダナまでビシを上げる。竿をあおってコマセを出し、5秒程度アタリを待つ。アタリが無ければ、再び底まで落としてこれを繰り返す。4、5回でコマセが無くなるので、仕掛けを回収しコマセを詰め替える」とのこと。また、付け餌については、「イソメは、1cm程度。赤タンは、米粒大に切る。日によって食いが違うので、最初はイソメと赤タン両方つけて、食いが良い方を探るとよい」と教えてくれた。この日は、イソメに分があったようだ。
「アジ釣りの基本はタナ!」。船長の指示ダナをよく聞いて、しっかり合わせるのが最大のコツだ(タナは、底からビシカゴまでの位置)。また、仕掛けの投入の時に気をつける点は、仕掛けがビシに絡まることがあるので、仕掛けから先に入れ、ビシは仕掛けと離して投入する。周りが釣れているのに自分だけ釣れない時は、仕掛けが絡まっている可能性があるのでチェックするのも基本。
トップ76匹の好釣果
10時を過ぎた頃、プチラッシュはあったが、11時頃ポイントを移動。大黒沖に移動したがパッとせず、再び、ベイブリッジ付近へ戻ると潮が動き出し、食いが立ち出した。サイズは小型だが、暫し入れ食いモードに突入。船長が言うには、最近は、横浜沖のポイントしかアジが口を使わないそうで、東京湾中のアジ船が横浜沖に集まっているとのこと。前半は、ポツポツだったが、中盤から盛り返し、終わって見れば、トップ76匹の好釣果となった。
ステイの時間を長く
竿頭の齋藤さんに聞いた。「今日は、ステイの時間を長くとるとアタリが出ることが多かった」とのこと。やはり状況に合わせられるかどうかが釣果の秘訣のようだ。
齋藤大輔さん、結希恵(ゆきえ)さんご夫婦は、よく沖釣りに来られるそうで、先日は、メバルを狙ったとのこと。この日は、途中までイシモチばかりだった結希恵(ゆきえ)さんだが、後半、ご夫婦同時のアジWゲットもあり、クーラー満タンでご満悦の様子だった。
私も途中竿を出して“お土産”分を釣らせてもらった。家に帰って魚を捌いてみると、切るだけで脂の乗りが分かった。今では一年中狙える東京湾の“金アジ”。その味は保証付きだ。手軽な釣りだが奥が深く、ビギナーからベテランまで楽しめる。気軽に出掛けてみては如何だろう。
今回利用した釣り船
出船データ
出船時間:AM7時・沖上がりPM3時
料金:9,800円(コマセ&付け餌付き) 氷:100円
※30分前に乗船できるように受付を済ませること
貸し竿:手巻き…1,000円 電動…2,000円
竿掛け:300円 貸しビシ:1,000円(返却すると-600円)
この記事を書いたライター
マルイカ、ティップラン、ワカサギなどを中心に海水淡水を問わず釣りの帰りに温泉に立ち寄り、「釣り&温泉」をテーマに釣り歩く。