2018年05月01日公開
千葉県・飯岡沖と言えばマダイの好釣り場として知られた所。しかし、昨年からその飯岡沖ですら芳しくない釣果が続いていた。2年程前までは「マダイが、クーラーに入り切らない!」などという贅沢な状況だっただけに昨年の不調にヤキモキしていた。ところが、4月に入った頃からマダイは“完全復活”。飯岡港『梅花丸』の梅花亮佑船長は、「魚群探知機にマダイの反応がビッシリ。やっと胃の痛みが取れそうです」と話す。4月21日に飯岡港に向かった。
一つテンヤは、高いゲーム性が魅力!
マダイ釣りは、日本人に最も馴染み深く、歴史の永い釣りの一つ。地域に根付いた数多くの釣り方が確立されているが、その中でも最も新しく人気が高いのが「一つテンヤ」。糸の先に付ける仕掛けはオモリとハリが一体となったテンヤのみというシンプルな仕掛け。余計なものを一切省いているので、マダイが掛かるとそのやり取りはダイレクト。ルアー釣りの高いゲーム性と餌釣りの釣果を合わせ持った釣りなので人気が出るのも頷ける。
午前船は3日前に満船の大人気!
『梅花丸』は、一つテンヤマダイに最も精通した船宿の1軒で、周年乗合船を出している。最近の「飯岡沖、好調!」の報せを待ちに待っていたマダイフリークが多いのは間違いない。釣行日が土曜だったこともあり、3日前に午前船は既に満船。午後船も残り僅と言った人気ぶり。午前、午後通しで楽しもうと目論みは崩れ、午後船のみとなった。集合は午前11時。都内からだと2時間程なので、渋滞を見込んで8時に東京・多摩地区の自宅を出発しても十分間に合う。土曜日に釣り船に乗ろうと思うと金曜夜の飲み会を諦めざるをえないケースも多いが、この時間なら金曜日は心配無用でいい。
魚群探知機には、マダイの色濃い反応が
10時半過ぎに船宿に着くと既にほぼ全員が受け付けを済ませていた。船宿から車で数分の港に移動して、タックルの準備をしながら暫く待機。午前船の帰港を待つ。午後船のメリットは午前に出た船長が反応を確かめた後のポイントにすぐに入れる事。この日の午前船は最近には珍しく、釣果にあまり恵まれなかったようだが、魚群探知機には色濃い反応がいくつもあったそうだ。潮の流れ次第でいつ好転してもおかしくないとの事で、迷わずに港から40分程のポイントを目指す。
着底が分かるオモリを選択
最初のポイントは水深30m程。スピニングリールを利用するこの釣りは、電動リールのようなカウンターはない。6~10号のオモリの着底を船長からの水深の情報と、PEラインの10m毎の色の変化を使って全神経集中で確認する。着底が分からないと釣りにならない。オモリの重さはあくまで目安なので、最初に選択したオモリでは着底が分からないようならば迷わず重くした方がいい。着底を確認出来れば後は底近辺で集中的に上げ下げの誘いを入れるだけ。
まずはホウボウでスタート
実釣開始30分。魚群探知機の反応とは裏腹にアタリが遠い。この反応ならばすぐにでも食いそうなものだが…。水温計は16.7度とマダイにとってはいい塩梅。とすると後は潮の流れだけ。何かがマダイの気に入るものではないのだろう。色々な言い訳に気をまわしていた矢先に右舷で本日最初のアタリ。力強い引きだが上がって来たのは残念ながら嬉しい“外道”のホウボウ。その後もアタリあるものの上がってくるのはどれもホウボウ。しかも40cmを超える良型が多い。
続いて訪れたのはハナダイラッシュ!
“本命”が口を使わないために場所を移動。その場所でやっと出た「三段引き」。しかし、残念ながらタイはタイでもハナダイ。しかもおでこが出た良型の“デコダイ”が多いのだが、“外道”は“外道”だ。何とももどかしい時間を過ごすが釣行開始2時間強。ここでやっと来た“本命”。右舷トモ(船尾)の野澤健太郎さんのロッドを弓なりに撓らせたマダイは800g級。これを皮切りに船中でポツリポツリと“本命”が顔を出すようになった。
夕マヅメでマダイのアタリ集中
この日は、マダイよりも“外道”が優勢。ホウボウ、ハナダイ、マハタ、ヒラメ、カサゴと“外道”のオンパレード。その中に交じって“本命”が顔を出すと言った具合。どうも最近の中ではかなり“本命”の元気がない。陽も段々と傾いてきた午後4時前。私も竿を出して参戦すると、着底と同時にアタリ。上がって来たのは何とマダイ。船中でアタリが増えて夕マヅメ時合を楽しむ。結局、この日の盛り上がりはこれで終了。“ツ抜け(10匹以上)”が多かった最近の釣果にしては寂しく、トップの野澤さんが4匹だった。
釣行2日後にトップ31匹の大爆発!!
繰り返しになるが、マダイの反応は色濃く出ている。釣れない理由は何だったのか?考え出すとキリのない疑問ではあるが、いつ爆釣に転じてもおかしくないという思いを持ちながら帰宅した。するとその2日後、梅花武幸船長から届いた報せがなんとトップ31匹の報。「やはり…。あの反応を見ればこうなるのは分かっていたんですよ。それほどの濃い反応だったから…」。
だが、当日帰宅して釣果のマダイを捌くと、この時期なのに真子も白子も入っていない。東京湾では既に“乗っ込み”フィーバ―に沸いているのに…。飯岡沖は遅れている様だ。逆に言えば、その乗っ込み前でもうこの釣果。「今シーズンの飯岡沖は期待できる!」と確信した。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:予約時確認の事
集合時間:午前船…午前4時、午後船…午前11時