2018年06月15日公開
手軽に楽しめる魚の代表格、カサゴ。そのカサゴを狙いにこの時期是非訪れたい場所が千葉県・洲崎沖だ。東京湾内にはカサゴの一級ポイントが数多あるのに、なぜ洲崎沖まで?答えはそのサイズだ。“洲崎カサゴ”を有名にしたのがコンスタントに顔を出す30cmオーバーの規格外の“ジャンボカサゴ”。引きの強さはもはやカサゴのそれとは異次元。洲崎港『北山丸』に出掛けた。
規格外のジャンボカサゴ
魚類図鑑によれば最大30cmと言われるカサゴ。東京湾内で手軽に楽しめる魚として人気が高い。ブルブルっという独特の強い引きは多くの釣り人を魅了する。30cmに迫るサイズともなると引きも格別。しかし、洲崎沖ではこのサイズは決して珍しくなく、図鑑では「規格外」の30cm超えが高い確率でお目見えする。なぜこのエリアはそんなに大きいのか?“洲崎カサゴ”に精通する北山茂樹船長に聞いても真相は不明。「日本人と欧米人では体のサイズが違うように、エリアによってそもそものサイズが違うんじゃないかな?」と、何とも興味深い話を聞いたが、あながち否定できないほどアベレージサイズがデカイ!!
トップ30匹以上なんて日も
この釣りでは、高級魚・アカハタも交じって来る。あまり聞きなれない魚だろうが、南方のサンゴ礁などに多く生息している魚で、関東周辺では釣れる場所が限定される。洲崎沖には南からの温かい潮に乗ってGW頃から夏にかけて回遊して来るのだ。真っ白に透き通った身はハタ系のそれで、味は絶品。『北山丸』では毎年GW頃からこの2魚種を狙った乗合船を出している。今年の状況を船長に聞くと、「前半は数が出ていた。いい日はトップ30匹以上。半月ほど前から“ジャンボカサゴ”も顔を出し、いよいよ本番かな。最盛期は梅雨頃だからね」との事。
今は手巻き両軸リールがお勧め
船長推奨のタックルは、2m前後の軟調子竿。軟調子なのは口の大きなカサゴにしっかりと餌を食い込ませるためなのだが、反面、軟らか過ぎるとアタリが取りにくくなり、根掛かりもしやすくなる。洲崎沖は特に根が荒く、穴のようにくぼんだポイントも多数ある。ここを根掛かりを恐れずに積極的に攻めないといけない。したがって60号を背負える使い慣れた竿という観点で選んだ方が良いかも知れない。リールは中・小型の電動または手巻き両軸リール。現在は水深も20~30mと浅いので、お勧めは軽くて疲れにくい手巻きリール。仕掛けは一般的な根魚用胴突き仕掛けだが、良型が多いこのエリアではハリスが太めの3号。ハリスがヨレると食いが落ちるので、予備は十分用意しておくこと。
ポイントは港から数分、実釣時間が長い
『北山丸』では、オマツリも考慮して8人限定出船なのが嬉しい。当日は最近の好況を聞きつけた“洲崎カサゴ”フリークで満船。ポイントまでは港からほんの数分。移動時間が少なく、実釣時間が長く取れるのも嬉しい。すぐそばにはイサキ船も多く見える。水深24mでスタート。船長からのアドバイスは、ポイントは穴が点在する事とカケ上がりなので、根掛かりに注意して小まめに底を取り直すのが基本という。
朝イチからコンスタントに型を見る
開始10分程のまだ陽が昇り切らない中で、最初の1匹が右舷胴の間(中央)で取り込まれた。船長曰く、「まだまだ小型」だそうだが十分にいいサイズのカサゴだ。続いて右舷ミヨシ(船首)ではアカハタが上がった。「最近の洲崎沖は潮が非常に速く、オマツリ騒ぎの日が多い」と船長。潮が動いている方が魚は口を使うのだが、一方で釣り難い。当日は朝から潮がかなりよどんだ感じ。「潮が動き出した時がチャンス」と船長は言っていたが、予想を裏切り?朝からコンスタントに中型のカサゴ、アカハタがお目見え。
良型のアカハタと“洲崎カサゴ”が続けざまに
スタートして45分。左舷ミヨシの岩竹良さんに35cmの良型のアカハタが釣れた。岩竹さんは付け餌がイワシ、そしてハリスを少し長めにしてアカハタメインで狙う作戦が成功。その後もアカハタメインに釣り上げていた。続いて右舷ミヨシの永島博文さんの竿が大きく撓る。ブルブルっとしたアタリの後にドッシリした重量感に変わる。口を大きく開けて上がってきたのは33cmの“洲崎カサゴ”。このサイズになると鎧を被ったような体表が厳つく威風堂々。
思わぬ大物も潜んでいるので要注意!
朝方はコンスタントにアタリが続いた。このエリアは非常に魚種が豊富でマハタ、ヒラメなど思わぬ大物が来ることも。ドラグを絞め過ぎて糸を切られるなんてシーンも多々見られた。かといってドラグを緩くすると良型のカサゴやアカハタは根に潜ってしまいジ・エンド。この辺の駆け引きがまた楽しい。もし根に潜られたらダメ元で少し待ってみてもいい。運がいいと警戒心が薄れたカサゴがまた出てきて取れることもある。無理やり出そうとするとまず出てこない。この日、私も後半竿を出し、糸を切られる事2回。ドラグを出され根に潜られる事1回。結構の確率で大物がいる。
トップ21匹!で終了
今シーズンにしては珍しく、潮が終日よどんでおり、決して良い条件ではなかったが、それでも最終的には永島さんが33cmを頭に合計21匹を釣り上げてトップ。これで潮が程よく動いてくれたらどうなるのか。期待を抱かずにはいられない釣果だった。これからが最盛期。規格外の“ジャンボカサゴ”。館山自動車道を走って南方最南端まで行く価値は十分だ。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:午前船1万500円/午後船 9,500円(税込)(餌・氷付き)
出船:午前船:4時30分集合 5時00分出船 11時30分沖上がり、午後船:12時30分集合 13時00分出船 17時30分沖上がり
定休日:第2・第4水曜日