2018年07月01日公開
「イカ釣りが上達しない」。小生15年来の悩み。昨年は毎週のように通い、巧い釣り師の仕掛け捌きをスロー再生したり、自分の手繰りを動画に撮って自己診断もしたが、その甲斐もなくセンスが無いのだと諦めていたところ、「長井にイカ釣り教室を開催している船宿がある」との情報をキャッチ。梅雨の中休みに長井新宿港『栃木丸』の門を叩いた。
“イカ釣り”と言えば、長井港!
長井新宿港は、三浦半島の西側中央に位置する。横浜横須賀道路・衣笠ICを降りて三浦縦貫道を利用すれば、都心から1時間とちょっと。一年中イカを追い続ける船宿が軒を並べる長井港。万年初心者の小生は予約の電話から怖じ気づいていたが、電話口の栃木稔宏 大船長はすこぶるフレンドリーなお人柄でまずはひと安心。船宿に到着すれば女将や若船長が親切丁寧に案内してくれた。集合時間の午前5時には予約の全員が揃い、この日の乗船はイカ釣り教室に参加の2人を含め総勢7人。ゆったり広々とした釣り座で滞りなく準備は整い、予定の出船時間より早めの河岸払いとなった。
開始3分後には“初ノリ”の好感触!
穏やかな海を走ること50分弱で城ヶ島沖の釣り場に到着。暫し魚群探知機で反応を捜して6時30分、水深104mのポイントからスタート。早速アタリを捕らえたのは、長めの竿でゆったりと誘う釣りをしていた小笠原実さん(川口市)。イカ釣り一筋、『栃木丸』20年来の常連さん。船中最初の取り込みは2点掛け。幸先の良いスタートを切った。続いて2番手は鈴木理知也さん(中野区)。ズッシリとした良型に笑みが零れた。「直結仕掛けはまだ練習中」と謙遜していたが、次の流しでは見事4点掛けを達成していた。
なるほど「イカ釣り教室」
毎日限定2名で予約を受け付けている“イカ釣り教室”。乗合料金だけで受講できる上に、道具一式のレンタル料も含まれるので、受講者は、仕掛けとオモリを受け付け時に購入するのみ。このお手軽感とお得感は半端ない。波の影響を受けにくい右舷胴の間(中央)が指定席となっていて、出船前に船長が理想的な配置で釣り座の準備をしてくれる。仕掛けを投入器にセットするノウハウや、電動リールの扱い方から始まって、釣り場に着いたら投入の仕方、誘い方、イカの取り込み方がレクチャーされる。この全てがマンツーマンで受講できるので、自分は何が苦手なのか、どこが理解出来ていないのかが明確になる。この日に教室を受講していた瀬川敦士さん(横浜市)は、イカ釣りを初めて3回目。誘いの後に出る微かなアタリの見極めに苦心していたが、操舵室から目を配っていた船長のアドバイスで見事スルメイカをゲットした。この教室は予約さえ取れれば何度でも受講できるので、納得がいくまでみっちり通い詰めれば、イカ釣りをマスターする近道になるだろう。
群れが固まるこれからが楽しみ!
「良い時は30、40、50杯と釣れてるんだけど今年はまだムラがある。大きいサイズの群れも入って来たし、反応はそこそこある。潮が気に入れば乗り出すんじゃないかな」と語る栃木拓船長。スルメイカ釣りのコツを尋ねた。「しっかり誘って、上で止めて竿先を見る。やたらにシャクるんじゃなくて、5秒でもちゃんと動きを止めて、竿先に出るアタリをよく見る。これは本当の基本」。
イカの様子を見るために竿を出した船長の釣り方も動画に収めたのでご参考まで。ヤリイカの好調に湧いた今シーズン、これからの時期はスルメイカの群れが固まって来る。今後が大いに楽しみだ。ビギナーは勿論、イカ釣り師として一皮剥けたい釣り人にもお勧めしたい長井新宿港『栃木丸』。スタッフも常連さん達も皆さん親しみやすく穏やかで、のんびり集中してイカ釣りを満喫できる船宿だ。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:9,000円(氷付き)
集合:午前5時 出船:午前6時(※予約時に確認)
貸し道具:1,000円(「釣り教室」は無料)
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他