2018年07月01日公開
今や海上釣り堀を知らない釣り人はいないだろう。ビギナーからベテランまでマダイや青物釣りが安全に楽しめ、釣果は腕次第!!運が良ければ超高級魚のシマアジやイシダイ、ブリなどの大型魚も!!梅雨の晴れ間を狙って、兵庫県・家島諸島の西島に浮かぶ、日本最大級の海上釣り堀、『海上釣り堀 水宝』へ向かった。
定員130人の「水宝丸」で送迎
小豆島や家島に渡るフェリー乗り場の先にある『水宝・姫路乗船場(無料駐車場あり)』に着いたのは午前6時。迎えの船が6時50分に来るという事だったが、既に駐車場には数台の車が停まっていた。そして6時35分、荒木栄大船長が操船する定員130人の「水宝丸」が姫路港旅客ターミナル前岸壁に着岸。女将さんやスタッフが船から出迎えてくれるなか、定刻通り6時50分に出船。この日は梅雨の中休みの晴天、家島諸島・西島まで約25分のクルージングを楽しんだ。
到着すると場所決めの抽選!
船着場には『海上釣り堀 水宝』のスタッフ陣がお出迎え。手際良く荷物を降ろしてくれる。全員が海上釣り堀に渡ったところで個人、グループ、夫婦などを確認の上、順番にクジ引き。イケスの番号とイケス内での優先順位が決まれば、赤穂乗船場へ迎えに行った荒木良太若船長がスタッフに混じり率先して釣り人をイケスへ案内する。配置についた釣り人たちは準備に取り掛かる。釣り開始の鐘がなるのは8時だ。因みに仕掛けの馴染みやタナ調整はイケスの外で行わないといけないルールだが、細かい事はスタッフに聞けば教えてくれるので、「初心者やレンタルタックルで釣りをする人は遠慮なく聞いてください」との事。マダイやブリ、メジロ(ワラサ)やカンパチのほか、イケスには様々な魚が放流されている。釣り上げた魚は備え付けのスカリに入れ、午後12時30分に釣り終了。
鐘が鳴り、怒涛のラッシュ!
カウントダウンのアナウンスがあり、鐘が鳴っていよいよスタート!開始早々、怒涛の入れ食いである。マダイ仕掛けにも青物が食って来る。海上釣り堀はスタートを制する者が有利、というのはご存知の方も多いと思うが、魚が釣れてから次の投入までのロスタイムを減らすことが好釣果につながる。魚を釣り上げたら、プライヤーを使ってハリを外すか、仕掛けを交換するかを瞬時に判断し、確実に手返しを早くすれば、釣果は伸びる。レンタルタックルにも予備のハリは付いているが、用意出来るのであれば、ハリスとハリぐらいは用意していった方が手返し良く釣りが出来る。
放流開始で活性を維持!
開始直後の怒涛のラッシュ。しかし、海水温が安定してきた時期という事もあり、アタリは続き、竿は各所で曲がっていた。スタッフの伊東祐真さんがマダイの養殖イケスで作業に取り掛かった。1回目の“放流タイム”だ。イケスの中の魚も様々で、中には朝イチにラッシュしないのもいる。ただこの場合でも、遅れて必ずラッシュが来るという。放流はそういうイケスへの活性起爆剤にもなる。やや食いが落ちて来たイケスでも、放流タイムにはまた竿が曲がり出し、各所で歓声が飛び交っていた。すると今度は“青物”放流のアナウンス。このアナウンスは、「“青物”狙いの釣り人は仕掛けを準備せよ!」という意味もあるようだ。するとどうだろう。“青物”仕掛けの竿が気持ち良いくらいに弧を描いている。ブリやカンパチ、ヒラマサ等がターゲットだが、中には1mオーバーの大物も!“青物”が掛かった時には「“青物”掛かりました!」とアピールする。周りの釣り人に仕掛けを上げて貰って、オマツリを防ぐのが海上釣り堀のルール。しっかりアピールしてトラブル防止に努めよう。
噂のシマアジ専用イケス!
私も海上釣り堀へ足を運ぶ機会は多いのだが、これほど活性が高いイケスは見た事がない。確かに釣り座やキャリアの差によるムラもあれば、取材で行っている以上、竿が曲がっている所をめがけているのでよりそう思ってしまうのかもしれないが、明らかに違いを感じた。
続いて“シマアジイケス”に密着。ここは他のイケスと違ったタイミングで放流される。常連と思われる釣り人の横に付かせて貰ったのだが、早速、竿が曲がる。上がってきたのは40cm程のシマアジ。「小さいなぁ」と呟いていたが、その引きは半端ではない。サイズ以上の引きは同サイズのマダイとは比べ物にならない。しかし、口の弱いシマアジは強気一辺倒では口切れしてしまう。常連さんは短い磯竿(3.6mの1.5号クラス)で釣っていた。この手の竿を操る事が出来るなら、口切れを防ぎながら数も狙えるようだ。そうこうするうち、常連さんはすぐに追加、今度は良型!その横でも60cm近い良型が釣れていた。
バラエティー豊富な餌!
さて、海上釣り堀と言えば、豊富な刺し餌だ。鳥のササミにトマトに金魚。海上釣り堀ならではと言える餌の他、定番のオキアミにシラサエビや活きアジ等。どの魚種を狙うか、またその日の当たり餌というのもあり、その種類の豊富さは行く前の楽しみでもあり、チョイスに悩むところでもある。“青物”などのフィッシュイーターは活きアジがメイン。ヒットした“青物”の後ろを追っかけているような時は、魚の切り身の餌でも良いらしい。また、撒き餌は禁止なので、練り餌等の“溶ける餌”も有効。釣り人の中には練り餌にパン粉をまぶしていた人も。また、メジナ(グレ)には海苔餌や、イシダイには貝類や甲殻類など、その種の『特効餌』も効果的。万能なシラサエビやアオイソメもお勧め。マムシも良いだろう。『海上釣り堀 水宝』では、練り餌が常備されている他、アジ等の活き餌は釣行前に電話で要確認。
誰でも楽しめる釣り堀!
『海上釣り堀 水宝』では、誰にでも楽しんでもらうために“プチ大名釣り”を行っている。これは「ハズレ無し!」をモットーにしているサービスで、スタート後暫くするとスタッフが竿を片手に「まだ釣ってない人は居ませんか~」と聞きに回る。この時に釣ってない釣り人は遠慮せず申し出よう。スタッフが魚を掛け、その竿を渡されて釣り上げるのだが、その際スタッフの釣技を盗む事が出来れば、確実にスキルアップ出来るだろう。“最低保証”はマダイ3匹だ。
さらにここでは活き締めから内臓、ウロコ取りの有料サービスも行っている。このサービスは釣っている途中から開始されるので、帰りに待たされる事も無い。また、釣りをしながら代金の支払いや各サービスの注文を受けてくれる。そして今回はシーズン終了となってしまった低水温期の『海上釣り堀 水宝』名物“白鷺サーモン”もあり、1年を通して楽しめる。勿論、手ぶら釣行も可能だ。そして現在は竿1本に対しての料金で楽しめる為、カップルで竿1本を交互で釣るスタイルであれば、男性1人分の料金で楽しめる。100人乗りの大型送迎船で渡る家島諸島・西島の『海上釣り堀 水宝』で、プチリゾート気分な1日を楽しんでみては如何だろうか。
今回利用した釣り船
出船データ
姫路港・赤穂港・日生港から130人乗り高速超大型船で釣堀まで送迎!
料金:男性 1万3,500円(高校生以上)、女性・中学生1万500円、小学生7,500円、シニア(80歳以上)1万500円
出船時間:姫路 6時50分 赤穂 7時 日生 6時30分
定休:1月1日、1月4日
交通:JR姫路からタクシーまたはバスで姫路港旅客ターミナルまで約15分。ターミナル前の岸壁から出船
赤穂・日生港からの乗船は要予約・電話確認
車:『海上釣り堀 水宝』は出船場所は下記の3ヶ所
姫路:兵庫県姫路市飾磨区細江1294(兵庫埠頭㈱の南隣)
日生:岡山県備前市日生町日生648-50 (日生建設業会館の裏)
赤穂:兵庫県赤穂市中広1577-31(シーサイドゴルフガーデンの西 中広岸壁)
※赤穂からの乗船は事前の電話確認が必要。その際に駐車スペース等は確認
姫路港の集合場所は「家島貨物」、「姫路港旅客船ターミナル」で検索。赤穂、日生の集合場所は電話確認