2018年09月01日公開
和歌山県・和歌山マリーナシティに拠点を置く“何でもアリ”で出船しているルアーゲーム船があると聞いた。“何でもアリ”とは?これは行ってみるべし。この目で確認すべく和歌山マリーナシティ『NST LINE(力尚丸)』に乗船してみた。
トップゲームからマイクロジギングまで!
午前5時15分、船長に指示された黒潮温泉に着き、船長に電話。すぐ側の出船場所へ誘導してもらうと、既に出船準備が完了していた。6時の出船予定だったが、全員準備OKとなった5時40分、「力尚丸」は8人を乗せて出船。備え付けのロッドホルダーにずらりと並んだタックルは、100~150g(10~15cm)のジグを中心に、トップウォータープラグから根魚狙いのマイクロジグにタイラバと、バラエティに富んでいた。
今回のポイントは中紀からのランガンスタイル!
「力尚丸」は南下。今回はスタンダードな「中紀北からランガンコース」と呼ばれているエリアでの釣り。對中力(たいなか つとむ)船長は鳥の動きを見ながら操船。そしてここぞ!と思った所でスローダウンすると、「やってみて!」とアナウンス。まずはトップで本ガツオを狙うようだ。トップゲーム用のタックルを持っていない人はジグを落とし込んでいる。サバが邪魔をする中、海面に出る波紋や飛沫を見た船長は「あれはカツオだろう…」。しかし、本ガツオは出ずじまい。だが、左舷胴の間(中央)でジグを落としていた梶田京太さんがそこそこのタチウオを釣り上げた。船長は反応が悪いと見切りをつけ、再び南下。そこには小さな船団が出来ていた。水深45m。船長のアナウンスでキャストされたルアーはジグ。ほぼ全員が“青物”狙いのようだが、右舷トモ(船尾)の松元さんは根魚狙いのマイクロジグだ。
潮が全く流れず万事休す!
ベタナギの無風という状況にどの船もスパンカーを畳んだまま。さらに潮流も無く、船長もお手上げの0ノット。これには手も足も出ない状況だったが、根魚狙いの松元さんは、狙いのガシラ(カサゴ)、ミヨシ(船首)の安藤達紀さんはイシモチを釣っていた。どちらも潮が緩い時に釣れてくる魚。“青物”などを狙う時には歓迎されないが、お土産としては良い魚だ。船長は暫くの間様子を見ていたが、その場に見切りをつけ、さらに南下した。
ランガンスタート!
しかし、南下はしたもののパッとせず、ひとしきり探り終えた感じとなった9時過ぎ、「力尚丸」はプチ移動で仕切り直し。水深はやや深い60mだが、底はフラット。潮が緩い為だろうか、船長のアナウンスは「ベタ底でアマダイを狙ってみようか」。釣れれば儲けもん的なターゲットだけに、躍起になってジグをシャクる空気ではなく、マッタリとした雰囲気。アマダイ狙いなら根掛かりも少なく、「狙いは底から2mまで」という船長の指示に、ジギングにはあまり慣れてない様子の岡部知之さんも焦らず底を感じながら攻めていた。しかし、ここでも反応はなく、再び移動した。
移動しながら初ヒット!
「少し移動します」という船長のアナウンスだったが、トップゲームのスタンバイも出来ている為、船長は鳥山や海面の変化を見つければスローダウンしながらアンテナを張っているような感じ。また、何かを感じれば「とりあえずやってみて!」とアナウンスされる。不意にやってくる投入のアナウンスは、釣り人の心理からするとその気にさせてくれる、飽きのこない良いアクションだ。そのような動き方で移動する内、アマダイポイントで底取りの慣らしをしていた岡部知之さんの竿が大きく曲がる。どうやら“青物”のようだ。船中初ヒットなだけに皆が固唾を呑む雰囲気だったが、格闘の末に上がってきたのはブリに近いサイズのメジロ。この1匹で釣り人の活性が一気に上がった。船長も気合を入れて流し直す。すると、今度はミヨシの佐藤弘樹さんに同サイズのメジロがヒット。この1匹で釣り人たちの心に更に火がついた。そして右舷ミヨシの齋藤佑亮さんがハマチ級を掛けた。しかし、そのタイミングでプチ移動のアナウンス。どうやら遠目に見える海面のヨレに向かうようだ。
一気に巻き返し!
トップゲームさながらのフットワークでタイミング良く移動して行く。小刻みな移動はロスタイムに感じるかもしれないが、その場その場で確実にヒットしていた。時折サワラが交じる中、安藤達紀さんがブリ級を掛けると、小島聖史さんにもブリ!食ってくるサイズが明らかに上がった!そしてこの日、色々と話を聞かせてもらっていた林峯啓さんはいまだノーヒット。周りで竿が曲がり、同行の岡部知之さんも釣っているだけに焦りもあったと思うが、終始落ち着いて対応していた。そしてラストのアナウンス。時刻は午後1時45分。「これまでか…」と思った矢先、林さんのリールから強烈なドラグ音が響いた!林さんはライトタックルで道糸はPE1.5号。無理は出来ない。中々底を切れない相手に見ている私が焦ったが、慎重かつ大胆に巻き上げる林さんと、アシストに入った岡部さんのランディングでキャッチされたのは丸々と肥えたブリ。それを見た船長は“勝機”を感じて延長戦に入った。そして船上はラッシュタイムに突入!トリプルヒットもあり、林さんも怒涛の追い上げで2匹のブリを追加、2時20分に沖上がりとなった。
船長は帰港後すぐにタックルを洗う準備。強力なエアー(コンプレッサー)まで用意してあって、洗って濡れたタックルの水分を一気に飛ばす事が出来、至れり尽くせり。ジギングは勿論、トップゲームにタイラバからマイクロジギングまで、幅広い展開を堪能出来る「力尚丸」のルアーゲーム、是非楽しんで頂きたい。
今回利用した釣り船
〒641-0014和歌山県和歌山市毛見1530
TEL:080-6123-6375 釣果・施設情報 力尚丸・ジギング船NST LINE ホームページ
出船データ
■乗合船料金
紀北・上中紀・中紀コース…13,000円
南紀コース…15,000円~18,000円
■チャーター
平日:80,000円(6人まで)1人増し6,000円
土日祝:100,000円(8人まで)1人増し6,000円