2018年11月01日公開
千葉県・大原沖の秋の一つテンヤマダイは魅力が一杯!釣り場の水深が浅く、軽いテンヤでも釣りやすい。数釣りが期待出来るので初心者からベテランまで楽しめる。特に初心者にはいい練習になりステップアップのチャンス!入門するにもアタリが多い今がベストだ。大原港『富士丸』から出船した。
午前4時集合で準備が出来次第出船
実は私は一つテンヤマダイは今回が初めてだ。期待を膨らませて車を走らせた。東京湾アクアラインから圏央道(首都圏中央連絡自動車道)に進み市原舞鶴ICで降り、一般道で大原を目指した。集合は『富士丸』の船宿に午前4時。ナビを頼りに国道128号線を大原港へと曲がると、程なく『富士丸』の明るい看板。一度も迷わず到着出来た。駐車場に車を停めて、船宿の玄関口にある船型プレートから座席番号の札を取り玄関を入る。右手には大量の釣り竿、左手の部屋に上がるとそこが受け付けで、女将の坂下みち子さんが対応してくれた。受け付け終了後は車で港へと移動、女将から聞いた場所に車を停めて桟橋へ。船長の到着を待ち乗船、仕度が整った4時50分頃「富士丸」は静かに出船した。
浅場の13mダチ、“朝まづめ”から釣りスタート
北東の風と雨で、海上はかなりのシケ模様だ。船はゆっくり進み、40分程で釣り場に到着した。タックルボックスに並べられたいくつものきれいなテンヤの中から「これだ!」というものを1つ選ぶ。餌のエビは釣り場に着くまでに解凍しておき、丁寧にハリに刺して準備完了。坂下隆一船長がパラシュートアンカーを投入、船が安定したところで、「はい、どうぞ、水深は13m、やってみてください」とアナウンス。空がいよいよ明るくなってきた。マダイの活性が最も高まるであろう“朝まづめ”の時間帯だ。
第1投から良型が釣れ始めた!
左舷側で3人、右舷側で5人が竿を出した。残念ながら左舷側の2人が船酔いでダウン。早速、左舷ミヨシ(船首)、荒川区の原さんの竿にアタリ。細身の一つテンヤ専用竿が大きく曲がり、魚の引きで胴から竿先までがガクガクと叩かれている。船長のタモ入れで無事にゲット。1kg弱のマダイ!いきなりの“本命”、しかも良型だった。続けて右舷ミヨシの匿名希望さんも激しくファイト!こちらは鋭い突っ込みで道糸が出て行く。巻いては出されを繰り返し、タモに納まったのは丸々太ったイナダだった。匿名希望さんは次の投入でもアタリを逃さず、今度は“本命”のマダイを釣り上げた。
アタリは終始途切れなかった!
やはり“朝まづめ”には食いが立つ。左舷ミヨシの原さんがマダイを追加。魚の食い気は右舷胴の間(中央)にも波及し、マダイやカサゴなどが竿を曲げ始めた。明るくなってからも食い気はあった。ただ、風でアタリが取りにくく、エビが囓られて回収されるケースが多くなった。しかし、さすが秋の数釣りシーズンだ。中盤にはちゃんと盛り返す。右舷ミヨシから2人目の江戸川区の梅野さんがマダイやマハタをポンポンッとゲット。胴の間の安倍良平さんとその奥さんの彩香さんも交互にマダイを釣り上げた。安倍さんはこの後も好調で、終了までに見事10匹を釣り上げ竿頭に。彩香さんも一つテンヤ初挑戦ながら5匹をゲットして大健闘だった。
えー!モンスター級のマダイが来た!?
さて、私も終盤、坂下船長の手ほどきで一つテンヤに初挑戦。ウネリと風を考慮してテンヤは5号。餌のエビはまず孫バリを頭に腹側から刺し、次に親バリを尻尾を千切って刺し、エビがまっすぐになるように腹側に抜く。テンヤが着底したら糸フケを取って、少し底を切ったタナでアタリを待つ。早速アタリが来た!なななんと、ギュイーンッとスプールが高速逆回転してジャーーーッと限りなく道糸が引きずり出された。「おー!いいぞ~!」。しかし、「何かおかしい?」。えー、止まらない!40m程走られた。尋常ではない。船長は、「“大ダイ”かも。水深が浅いので7、8kgのデカいのは横に突っ走る。とにかく慎重に!」。初一つテンヤでの初アタリがまさかの“大ダイ”!?「指でスプールを押さえて竿を立て、寄せた分リールを巻いて!」と船長。しかし、何度寄せてもその分いやそれ以上に次の引き込みで糸が出される。どんなに大きな魚でもいつかは必ず疲れると信じて頑張ったが、最後は為す術なくリーダーとテンヤの結び目付近でブレーク。「残念だった」と言うより清々しささえ感じるバラシだった。
秋は数釣りのチャンスだが、“大ダイ”の期待も
私の一つテンヤ初挑戦は手も足も出ず終わったが、他の皆さんはその後も順調にマダイを釣り上げ、11時の沖あがりまでに0.3~0.8kgのマダイ0~10匹(0は船酔い。釣りをした方は平均3、4匹)と好調な結果となった。様々な美味しい“外道”も交じり、最後に右舷大ドモ(船尾)の濱田さんが釣ったヒラメはなかなかいい型(2kg弱)だった。それにしても素晴らしい体験をさせてもらった。私としてはいつかきっとリベンジしたい。浅場でアタリが頻繁にある秋のシーズンは数釣りのチャンス!そして、今シーズンは“大ダイ”も期待できる、いやモンスターとの遭遇さえある秋の一つテンヤのマダイ釣り。ぜひ挑戦して頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
午前船:4時集合、準備が出来次第出船、11時頃沖上がり。1万2,000円、氷・餌付き(お代わり自由)
午後船:11時30集合、12時30分出船、日没沖上がり。1万2,000円、氷・餌付き(冬季は割引き)
※レンタルあり。出船時刻は季節により変動あり。詳細はお問い合わせを
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。