2018年12月15日公開
活きイワシを餌にして狙うヒラメ釣りは、手軽に大物が狙える人気の釣りものだ。これから真冬に旬を迎える脂の乗った“寒ビラメ”は、その味も絶品だ。茨城県・日立沖の解禁をもって“茨城エリア”は“全面解禁”となった12月1日、日立久慈港『直重丸』に出掛けた。
常磐自動車道・日立南太田ICから10分
ここでの釣り座は、電話予約時に先着順で確保するシステムなので、当日焦らなくて済むのがありがたい。カーナビには「日立市久慈町1-1-2」をセット。常磐自動車道・日立南太田ICから10分程で日立久慈港へ。「日立港入口」交差点にコンビニがあるので、必要なものはここで揃えられる。
港に入ったら『久慈町漁業協同組合』を目指す。漁協向いの『直重丸』看板があるスペースか、その先の「水難者供養慰霊碑」のある公園のフェンス沿に駐車が出来る。集合は午前5時15分。車の外気温計で7度、思ったよりも暖かく感じる。船着場にぞくぞくと釣り人が集まり、名簿に記入と支払いを済ませ、船長の指示で船に乗り込む。皆さん道具の準備に余念がない。
定刻を少し過ぎた5時35分、まだ暗い中、右舷7人、左舷6人で河岸払いとなった。
ポイントまでは航程30分
船が走り出すと、流石に顔に当たる風が冷たく感じたが、ポイントまで30分程と近いのがありがたい。ポイント到着前に上乗り役の大船長が、手際よくイワシを配ってくれた。東の空が白みはじめた頃、ポイントに到着。「準備ができたら落としてください、水深28m。根掛かりしますので気を付けて~」と船長からのアナウンス。2、3流し替え、周りが明るみ出した6時半を過ぎた頃、「来たよ!」。沈黙を破ったのは、左舷大ドモ(船尾)の大塚昌之さん(栃木県真岡市)。上がって来たのは、“本命”のヒラメだ。15分程で2匹目もゲットした。大塚さんのポリシーは、船宿が用意してくれた貴重な活き餌を極力無駄にしないこと。仕掛けを下すとき、回収のとき、イワシにダメージを与えないように優しく扱う。また、回収時に早く巻き過ぎると“青物”が食って来るとのこと。その辺りが選んでヒラメを釣っている秘密なのかも知れない。7時を過ぎる頃、船中が賑やかになって来た。
左右を入れ替え、チャンスは平等
ここのヒラメ釣りは、船の側面に風を受け、横方向に船を流して広範囲に探る所謂「横流し」。左右の舷でどちらかが潮上(潮に先行する側)とその逆が潮下(後追いになる側)となるため、餌が先に入る潮上が有利になる。そのため、ひと流し毎に左右を入れ替えての釣りとなる。また、ノーマルでもLT(ライトタックル)でも好きな釣り方が楽しめるが、LTの場合は、オマツリ防止のため潮上はオモリを重め、潮下は軽めにする。船長からの指示があるので、左右の入れ替え時にオモリを替えるようにする(この日のスタートは、ノーマル80号、LT潮上60号、潮下40号)。
水深20mラインに移動
10時を過ぎた頃、大きくポイント移動し水深20mラインへ。移動直後、ヒラメとマトウダイのプチラッシュが訪れる。そして、今度は水深15mの護岸周りへ。前半苦戦していた川崎恒生さんにようやく“本命”の魚信。「大きいよ!」と大船長がタモを入れると良型のヒラメが浮上した。更に終了10分前、この日最大を上げたのは、上田正敏さん(千葉県)。「ググググ、ゴーンって感じだったよ。今日は、これで満足だね」とご満悦。ほどなくして定刻(正午)の沖上がりとなった。
船長に聞いた釣り方
宇佐美智大船長に釣り方をインタビュー。「ライトの人は、重いオモリを使わない人が多いけど、ライトの竿でも場合によっては100号位まで使ってもいい。潮上側では、オモリを重くして糸を立てる。逆に潮下側では、オモリを極力軽くして、糸を斜め横に出す。多少浮いてもヒラメは食ってくる。潮上、潮下で縦と横で攻め方を変えるイメージで釣ると釣果が違ってくると思うよ。タナは底から1~2m切った方が良いね。捨て糸は、ハリスから30cm以上は短くていい。極端な話、着いていればよいレベルだね」とのこと。やはり潮の状況に合わせ潮上、潮下でオモリの使い分けが重要のようだ。
今後は、“渡りのヒラメ”で“大伴”期待!
「今日は初日だから去年良かったポイントを巡ってみたけど、サイズはいまひとつだったね。大津港あたりにイワシは来ているって聞いているから、これから海水温が下がってイワシが下ってくれば、イワシについてくる“渡りのヒラメ”を狙う。そうすれば数も型も期待できるね」と船長。
イワシの群れに着いたヒラメは、脂も乗って食味も抜群。お正月の魚にブランド“常磐モノ”の“寒ビラメ”を加えて頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:1万2,000円(税込)(餌、氷付き)(貸し道具あり1,000円)
出船:午前5時15分集合、5時30分出船
駐車場:あり
この記事を書いたライター
マルイカ、ティップラン、ワカサギなどを中心に海水淡水を問わず釣りの帰りに温泉に立ち寄り、「釣り&温泉」をテーマに釣り歩く。