釣りビジョン

東京湾・金沢八景沖、老舗船宿で午前船のシロギスを楽しむ!

2019年02月15日公開

04_main.jpg

神奈川県・金沢八景『弁天屋』から午前船のシロギス釣りを楽しむ事になった。この金沢八景地区は駅から船宿が近く、電車での釣行客が日本一と言われるエリアでもある。始発から数本の車内はクーラーやキャリーを持った釣り人が沢山乗っている。今回は私も電車で伺う事になった。

【この記事を書いたライター】山口 充

金沢八景駅が新しくなり釣り人にも優しい駅に

実はこの日、雪の天気予報があり、道路の規制が掛かる可能性があった。電車で向かっても出船時間には間に合うのでお弁当を買いながら乗車すると車内は6割が釣り人と言う感じ。車内では、皆さん「雪」が心配の様子で話していた。「風の方は落ち着いているので出船は出来そうですね」と釣りの話をしていると、アッという間に京浜急行・金沢八景駅に到着。新しい金沢八景駅に生まれ変わる工事を行っていて、まもなく完成予定との事。バリアフリー化が進んでいたり“新しい駅”と言う感じで、キャリーを持つ電車釣行にもエレベーターや、改札が広い等のメリットを感じる駅になった。また、金沢八景地区では始発から数本の電車が到着するのを待つ“一日船”、“午前船”等の出船時間になっていて、更に“午後船”もあり電車利用者には、実に有難いエリアである。

雪予報でも大勢の釣り人が

雪予報、“締め切りスクランブル”にも気軽に対応してくれた『弁天屋』。金沢八景でも指折りの老舗である。「山口君、雪予報だけれどアジでもシロギスでもうちは大丈夫だからね」と女将さん。関東に降った雪や風の影響が出ており水温が急降下。ビギナーに手軽なターゲットのはずが取材前の数日間は厳しい釣果だった。迷っていたが、『弁天屋』の常連さんでもある釣友の上杉さん、田村さんが「行きますよ」という事で相談の結果、シロギスに決定。船宿に到着すると既に当日始まった「アマダイ乗合」の釣り人で大賑わい。今回舵を握ってくれる糟谷武彦船長に状況を聞いてみると「水温が下がってしまって餌を追い切らない感じです。上げ潮で当たって来る感じなんです」との事。LT(ライトタックル)アジ船の森谷船長もアジも同じような状況と話をしてくれた。しかし、「魚もお腹空いているはずだから何が有るかわからないですよ」と、新宿から来た千葉さんも含め4人で午前7時15分、出船時間を迎えた。

 

食った・・・

予想よりも多い雪が降り、寒さも手伝って正に「東北の釣り」の雰囲気。航程15分、港前のポイントからスタート。皆さん2本竿で狙うスタイル。水深は約20m。すると1投目から上杉さんにアタリが来る。「おっ、型が良い」と上杉さん。すかさず2匹目も上げた。「あれっ、数日前よりアタリが出てる」と不思議に思ったが、水温の低さに少し魚が慣れて来たのかもしれないと考えた。1週間前は、アタリが出る事は少なく、アタリがあってもハリ掛りしないという状態で、時折潮周りの合図で上げて掛かっていた事に気が付く事も有る位に魚が動かなかった。右舷胴の間(中央)に釣り座を構えた千葉さんも「当たっても掛りが悪いですね」と言いながらもポツリポツリと良型シロギスを上げ、厳しいながらも楽しそうであった。

釣果は上向き

後半は、潮も止まりポイントを移動。水深22~24m付近へ。ここでもアタリは有り、各自シロギスを上げた。ヒントは2本竿。皆さん2本の竿を交互に入れ替えながら釣っているが、必然的に食わせる間が長くなっている。コンディション的に1本竿だと、どうしても食わせる前に動かしてしまいがちで、餌を見せてから食わせる迄の間が作り辛い。その点、2本竿なら「キャストして糸を張り、誘いをかけて置く」を交互に行っているので間が取り易い事になる。ここで私も竿を出した。皆さん天秤仕掛けだった為に、あえて胴突き仕掛けでトライしてみる。オモリが底に着き糸フケを取ったら軽く誘い上げてゆっくり戻す。本来ならドンドン誘う所だが動かない様にしてここで我慢。すると竿先にアタリが出た。ここで動かさず、次を待つと強いアタリが出てヒット。この時も強いアタリの前に動かしてしまうとバラシの原因になる。胴突き仕掛けならではのヒットであった。
糟谷船長に胴突き仕掛けと天秤仕掛けについて聞いてみた。「胴突き仕掛けの場合、浅場やアタリがハッキリ出る時はビギナーでも絡み辛いので良いのですが、この時期だと、ベテランの様に使い方が判っていないと厳しいので天秤仕掛けが無難かもですね」との事。使う竿とのバランスも肝心なので試してみたい人は両方用意して比べてみると良いだろう。
潮止まりと思いきや、潮周り毎にヒットし、田村さんはダブルでシロギス、千葉さん、上杉さんもコンスタントに良型を上げていた。午前11時沖上がりの時間となった。厳しいと思いきや上杉さんは32匹、千葉さんも20匹以上とまずまずの釣果。この日はアジも復調気配を見せ、アマダイも大型が上がっていた。これから少しずつ気温も上がって釣り易いシーズン。午前、午後で釣り物を変えても良し、ゆっくり電車で午後船など…楽しみ方は様々。ビギナー、ファミリーで楽しんで見ては如何だろう。

今回利用した釣り船

神奈川県金沢八景『弁天屋』
〒236-0027 神奈川県横浜市金沢区瀬戸2-22
TEL:045-701-9061
定休日:毎週木曜日 釣果・施設情報 弁天屋 ホームページ

出船データ

午前シロギス乗合
出船時間:7時15分
料金:6,000円(リレー割引あり)
駐車場代:500円(1台3人乗り合わせで無料)
※各種レンタルあり。詳細は船宿確認
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
このライターの他の記事も読む

その他オススメ記事

釣りビジョン倶楽部