2019年03月01日公開
マダイ釣り、春の乗っ込みが待ち遠しい季節となったが、この時期限定の楽しみがある。それは回遊して来るイワシの大群を目当てにやって来る“大ダイ”を狙い撃ちするイワシパターンだ。千葉県・大原港『新幸丸』は、周年一つテンヤマダイを専門で行っているが、最近の釣果でも3kgオーバーが連日のように上がっている。“大ダイ”を狙って2月22日(金)に出掛けた。
外環ー京葉道路連結で時間短縮
埼玉県から東北自動車道を進み、東京外環自動車道から京葉道路へ。更に千葉東金道路、東金九十九里有料道路へ進み終点まで。ここから大原港までは約16km。九十九里ビーチラインから外房黒潮ラインを通り25分程度で行くことが出来る。港を進んでいくと『新幸丸』の大きな看板が目に飛び込んでくる。到着した午前4時30分には、既に船宿前にはタックルボックス、クーラーが並べられていた。4時45分に山口雄幸大船長と「おはようございます!」と明るい声で女将が到着して受け付け開始。受け付けにはテンヤも販売されている。船着場まで徒歩で1分程度だが、道具は運んで貰えるので受け付けを済ませたらロッドだけ持って移動。釣り座はクジ引きなので早く行って釣り座を取る必要もない。港に行くと既に出船準備万端の状態で山口新一船長が待機していた。
準備は万全に
クジ引きを終え順番に「新幸丸」へ乗り込む。既に船内には人数分のバケツ、桶が準備されていた。釣り座に着くと直ぐに餌(冷凍エビ)と氷が配られる。出船までの間タックルを準備。仕掛けはテンヤのみのシンプルな釣り。細糸で大ダイとやり合う為、ライン接続、ドラグ調整は綿密に!上乗りとして大地若船長が乗船、色々教えて貰えるので初めて一つテンヤに挑戦する人でも安心だ。5時30分に出船。「それじゃ出ますね」山口新一船長が舵を握り、雄幸大船長、女将に見送られて出船した。
イワシパターンで良型狙い!
イワシを探して走る事1時間、最初のポイントに到着。キャビンでは温かい飲み物を自由に飲むことが出来る。天候は晴れ、風はやや強く7m程度、波も穏やかで徐々にウネリが出る予報。「いいですよ~」と、船長からのアナウンスでスタート。水深は15~20mと浅い。イワシパターンは回遊するイワシを捕食しに来るマダイを狙うので、アタリは少ないが良型が釣れる確率が高い。基本はキャストしてボトムを取り、イワシの中を巻くのみとシンプル。餌はワーム、エビのどちらでもOK。開始早々左右トモ(後方)でヒット。幸先良いと思って駆け寄ると残念ながら共にショウサイフグ。
釣り座に設置されている“探見丸”を見ると、イワシの反応で真っ赤、これぞイワシトルネード!海面を見るとイワシの魚群が分かるほど集まっていた。その中に大きな魚影も映っている。しかし、食いが浅いのかアタリは出るが乗らない状況が続く。そんな中左舷ミヨシ(船首)で待望のヒット!ロッドの引きから見て首を振っているのでマダイだろう。船長が駆けつけ、海面には桜色の美しい魚体が浮かび、1kgオーバーのマダイが上がった。釣り上げたのは常連の小出卓哉さん(板橋区)。先週に引き続きの挑戦で、「イワシパターン」リベンジ成功!テンヤの色は“オレキン”で底付近でヒット。これから続くかというタイミングでイワシの群れが散ってしまい、「今日は水温が例年より3、4℃高くてイワシの集まりが良くないね」と船長、残念ながらイワシパターンに見切りを付け通常のポイントへ移動となった。
移動後はアタリも活発に
9時30分、水深45~60mのエリアへ移動。ここでは通常のパラシュートアンカーによる流し。ウネリも入ってきて釣り難い状況だが、“探見丸”には底付近に反応がビッシリ。これを見たら期待が高まらずにはいられない。すると反応通りに船中も賑やかに。移動後すぐ右舷トモでマハタが上がり、胴の間(中央)で高橋良太さん(江東区)にヒット。良い引きをしていたが上がってきたのは35cmオーバーのウマヅラハギ、肝もパンパン。左舷胴の間では平井洋介さん(世田谷区)と佐々木康晴さん(文京区)が連続ヒット。お二人は会社の同僚で釣り部、ウマヅラハギとマハタを釣り上げた。左舷トモ(船尾)でもマハタが上がり、魚探の反応に合わせてヒットが続いた。右舷胴の間で高橋さんが今度はマハタを釣り上げ、話をしていたらすぐさま隣で釣っていた会社の釣り仲間、森田平太郎さん(横浜市)のロッドが引き込まれ弓なりに。ドラグも鳴り良型が期待できる。「首も振らないし、タイじゃないけどなんだろ?」と森田さん。毎月テンヤ釣りを楽しんでいるというだけあって流石のやりとり。50cmオーバーのマハタを釣り上げた。仕掛けは緑テンヤにタイラバ用ワーム白。「リフト&フォールを早めにして食いました」とニッコリ。この後も反応は良く、アタリは続きゲストの釣果は伸びたが、“本命”マダイは姿を現さず、沖上がりの11時を迎えた。
イワシパターンから乗っ込みのシーズンへ
この日は、マダイは1kgオーバー1匹だったが、高級ゲストのマハタが多数上がった。「乗っ込みまではイワシパターンや釣れるポイントを狙います」と船長。帰港後、船長を囲み談笑。「今年の乗っ込みはいつ頃だろ、待ち遠しいね」と皆が言う。季節はイワシパターンから乗っ込みシーズンへ。まだまだ“大ダイ”が狙えるシーズンは続く。一つテンヤ発祥の地、千葉県・大原港で、自己ベスト更新を狙ってみては如何だろうか。
今回利用した釣り船
出船データ
乗合船料金:1万2,000円(餌・氷付き)
※子供・女性は割引きあり/餌のおかわり追加料金なし
集合時間:集合時間は季節により異なるので予約時確認
出船時間:準備が出来次第
貸し竿:あり(予約時に確認を)
この記事を書いたライター
タナゴからマグロまで、幅広く実釣。釣果よりも楽しくをモットーとするエンジョイアングラー。