2019年04月01日公開
一つの釣り物をストイックに狙うのもいいが、不発に終わると“お土産”すらままならないこともある。そんな時、釣り物を途中でスイッチして狙えるリレー船は魅力的だ。千葉県・南房の“寒サバ”と言えば「トロサバ」で有名。この時期は、ヤリイカもまた美味しい釣り物だ。この“寒サバ”とヤリイカをリレーで楽しめると聞き、江見太夫崎港『渡辺丸』に出掛けた。
館山自動車道・君津ICから43km
館山自動車道・君津ICから43km程の所にある『道の駅 鴨川オーシャンパーク』。その裏手の江見太夫崎港へ集合時間の5時少し前に到着。車の外気温計は11℃、この日の予報は4月並みの気温とのことで大分暖かい。港で一旦荷物を下して船長の指示で漁協近くの駐車場へ車を移動。乗船したら氷を受け取り、乗船名簿に記入。『渡辺丸』では支払いは下船後となる。また、釣り座については事前予約時に船長と相談する。
まずは、サビキ釣りでお土産確保
定刻を少し過ぎた5時40分、左舷3人、右舷2人の計5人で河岸払いとなった。大きな船に少人数で広々とした釣り座を確保できるのが有難い。朝焼けの中、期待を胸にポイントへ向かう。予報は西南西の風2~3mで、ナギではあるが太平洋独特のウネリがある。20分程でポイントへ到着。「はい、133mから」と船長のアナウンスで、まずはサビキ釣りからスタート。各自一斉に仕掛けを投入。サビキといってもフラッシャーサビキはビニール製の糸を巻いた疑似餌を使うので、コマセは使わない。船長が魚の反応を詳しくアナウンスしてくれるのでタナを合わせ、仕掛けの長さ(約7m)でレンジを区切ってアタリダナを探す。
早速、左舷ミヨシ(船首)の金高さんの竿が曲がった。上がって来たのは食べ頃サイズのアジとサバの4点掛け。手際よく魚を外し、再投入し次の魚を掛ける。見る見るうちに桶は満タンでご満悦。この日は、比較的アジが多かったようだ。
7時過ぎにイカ釣りへチェンジ
ポイントを移動し水深220mラインへ。7時を過ぎ、各自が“お土産”を確保した頃、船長から「イカをやりたい人はやっていいよ」とのアナウンスがあった。サビキを続けるも良し、イカに切り替えるも良し。各自の好きな方を選んで釣りができる。そんな中、最初にイカを上げたのは右舷胴の間の十見さん。「結構上でアタったからサバかと思ったらスルメだったよ。」とほほ笑む。十見さんは、イカ釣りに苦手意識があるとのことだが、渋い中でもコンスタントにイカを上げ、多点掛けもありこの日の竿頭になった。「水深220mのところ190mで乗って来たから、今日のヤリイカは浮いてるみたいだったね」と、この日のポイントを教えてくれた。ヤリイカは、比較的底付近にいるイカだが、その日の棚を早く見つけるのが釣果を上げるポイントだ。
ヤリイカは、これからに期待
「今日は、乗れば3点、4点掛けだったけど、イカが餌を取ろうという気がなかったのかもね。特に後半は潮が流れなかったね。食物連鎖は、潮が流れることで起こるから、潮が流れないと餌を取る気にならないんだろうね。イカは、特に極端だよ。去年は、今ぐらいの時期からイカの乗りが良くなったから、これから期待できるよ。釣り方としては、ヤリイカ釣りは誘いの釣り。一本調子なのは良くないね。色々やってみること。それと、その日の釣れてる人の誘いを真似るのが一番。アタリが無かったら1度巻き上げてイカの視界からツノを消して、もう1度落とし直す“巻き落とし”も有効だね」と渡辺船長。
『渡辺丸』は、レンタルタックルも充実しているので電動リール釣りの入門にも最適だ。アジ、サバの“お土産”を確保しつつヤリイカも狙える南房・江見沖に、出掛けてみてはいかがだろう。
今回利用した釣り船
出船データ
料金:午前船 1万円(氷、フラッシャーサビキ仕掛け付き)
レンタル(電動リール、竿、竿掛けセット):1日1,000円
イカ仕掛け、オモリ購入可
集合:5:00/出船:5:30
この記事を書いたライター
マルイカ、ティップラン、ワカサギなどを中心に海水淡水を問わず釣りの帰りに温泉に立ち寄り、「釣り&温泉」をテーマに釣り歩く。