2019年04月15日公開
千葉県・房総半島の内房に位置する富浦港。東京湾口に近い事も有り比較的暖かい潮が流れるエリアである。その為、関東エリアでもマダイの産卵前の荒食いにあたる「乗っ込み」が少し早めに始まる傾向が有る。「乗っ込み」の状況を確認しに古くからの知り合いでもある富浦港『共栄丸』に出掛けた。
アクセスが良くなった
富浦港は房総半島の先端に近い位置にある。近年の高速道路の延伸で、神奈川からでもアクアラインを使って館山自動車道に入り、そのまま房総半島を南下。富津館山道に入ると富浦まで一気に着いてしまう。夜中だと横浜から2時間弱で行けるようになった。金谷から久里浜港まではフェリーも有る。商業施設も充実しておりドライブにも最適なエリアだ。午前4時半集合だったが、アクセスの良さに早く着き過ぎてしまった。午前4時過ぎ、釣り人が集まってきて、笹子宏宣船長も到着。「山口さん、本当に何年振りかな」と嬉しい再会。実は笹子船長、このエリアでシイラを狙うパイオニアで、その昔、シイラスクールをやらせて頂いた事がある。実に20年振りの再会だった。コマセや手ぬぐい、バケツ等を釣り座にセットしてくれ、そこから乗船。あらかじめ釣り座をボードに書いてくれているので、何番目の釣り座か確認して、バケツの所で支度をすれば良い。朝、釣り座の位置が分からなかったり、急いで乗船すると怪我の元になるのだが、こうしたサービスは嬉しい。
雰囲気のある富浦沖
午前5時、定刻に出船し富浦、横瀬というポイントへ。航程15分で到着すると各船が固まり出してスタート。房総エリアは直ぐ近くの山から朝日が上がり「何かが起こる」という雰囲気。船長の合図でスタート。タナは海面から取る。ハリスは10m。「上から40m、45mまで落として1回だけコマセを出してタナにセットしてください」と船長。エリアによってはコマセの出し過ぎは厳禁。アッという間に他の魚が集まってしまう。朝日をバックにコマセワークをする釣り人。何が起こるか期待感が高まる。暫くすると右舷大ドモ(船尾)に居た松江さんにヒット。中々の引きで少し時間を掛けてやり取りをすると、上がって来たのは2.5kgのマダイ。松江さんは愛車“スーパー7”のオープンカーで釣りに通うカッコいいオジさん。次も右舷、関根君にヒット。お父さんと釣りに来ていてレクチャーを受けながら釣り上げたのは2.5kg級のマダイ。この“モーニングサービス”で数匹のマダイがヒットした。
色々試してみると
太陽が上がると、様々な魚の反応も高くなって来た。船長曰く「トラフグが凄いんです」との事。嬉しい悲鳴になってしまうが、フグの活性が上がると手が付けられなくなってしまう。「反応は有るんだけど…」と船長。ここから左舷胴の間(中央)で、私も竿を出した。船宿推薦の仕掛けは幹糸6号、ハリス4号のテーパー仕掛け、10m。フグや他の魚の触りが多い時間帯で良くあるのが「潮が弛んできている」という事。撮影しているのでこの時間帯に竿を出す事が多いので、予め対策をして用意していた。テーパー仕掛けは同じ物のウエイトスイベルを付けて有る仕掛けにして、少しの潮切っ掛けでもハリスが張る状態へ。竿もマダイ竿の中でも柔らかめのムーチングアクション。グラス100%。ハリスは3号前後だがハリを1、2サイズ下げたセット。クッションゴムは1.25mmの細い物。このセットに大きいハリだと軸径が太く刺さり切らない。これは、活性が有る時やチャンス時、一発大物の雰囲気が有る時はお勧め出来ない設定。竿からハリまでをセットで考えるので、どれかが違うとバランスが悪くなりバラシやハリス切れを起こしてしまう。柔らかい竿に関しても、この時期の釣りは反応が持ち上がってヒットレンジが浅くなる傾向になる。すると同じ竿でも水圧、負荷が掛からず固めになる。コマセカゴの穴を蓋で埋めて、上部開口部も3分の1しか開けず、コマセを極力出さない設定にした。また2本バリの仕掛けだったが、手前のハリはカット。この状況では、コマセカゴに近い位置はフグなどが多く寄って来ると読んだ為に換えバリのストックに。1投目。指示ダナのプラス5mで仕掛けを安定させ、穂先を海面まで入れ、真上まで竿を振り上げてコマセワーク。巻き取って指示ダナで待つとヒット。1kg級のマダイだった。コマセカゴには3分の2程コマセが残っており、セッテイングも良い感じだった。潮周りして再開すると指示ダナが30mまで上昇。再びマダイがヒット。竿の感触も良く無事ネットへ。この頃一瞬マダイのスイッチが入った。関根君のお父さんもヒット、息子さんも2kg級を上げると、松江さんも同サイズ。「誘い下げた時に食って来たよ」との事。活性が上がって来た様子。船中1kgから2.5kgまであちらこちらでヒットしてきた。正に乗っ込みスタートのシーンだった。
後半食い渋りの中、大型がヒット!
1度は入ったスイッチも落ち着いてくるとフグの猛攻。ハリが無くなってしまう事も多くなってきた。右舷でトラフグが上がった。「やはり来たか」とマメに仕掛けをチェックする。3回に1回はハリが無い状態。恐らくコマセは指示ダナから下に効き過ぎている感じ。「少し上で待つか」とタナを1m上げて待つとマダイがヒット。すると連続ヒット。「山口さんもしかしてハリス短い?」と船長。ウエイトスイベルを装着するとスイベルまでのハリスが張られるのでその効能もある。「流石船長」と思う瞬間だった。右舷で「大事に!」と言う声が聞こえた。直ぐに向かうと関根君がビッグファイト。ラインも出されて「間違いなく良型」。無事ネットに入ったのは3kgオーバーの正に「乗っ込みダイ」。嬉しそうな関根君。その後も1kg級が上がる。最後に左舷大ドモの青木さんにこの日一番の引き込み。ところが最後にブレイクで残念。やはり油断できない。ここで正午を回り沖上がりの時間となった。釣果は1~6匹。最大は3kgオーバーで2kgクラスも多かった。やはり「面白い」。「今年は良い感じです。長く楽しめそうです」と船長。私も大物狙いでもう1度チャレンジしたい。そう思える富浦沖の「乗っ込みマダイ」。是非皆さんもチャレンジして頂きたい。
帰りは近くの商業施設で楽しんで安全運転
この富浦エリアは「道の駅」などの商業施設が充実していて、ビワが有名。様々な野菜も格安で購入出来る。今回は名物「ビワアイス」で疲れを癒して安全運転で帰路に着いた。お勧めです。
今回利用した釣り船
出船データ
コマセマダイ予約乗合(午前便)
料金=1万円(コマセ、氷付き。女性9,000円・中学生まで5,000円)
※午後船も有り船宿確認
レンタル・タックル=無料
集合=4時30分、出船=5時(正午時頃 沖上がり)
※前日までに予約し、詳細は予約時に要確認