2019年06月01日公開
“梅雨イサキ”の呼び名からも分かるようにこれからが最盛期となる千葉県・南房総地区のイサキ。5月中旬には既に本番を思わせる釣れっぷりとなった。今回は、東京都港区の会社の釣り好きの皆さんとその家族16人が、相浜港『安田丸』から仕立てた船にお邪魔して、“梅雨イサキ”をウォッチして来た。
“午前船”で挑戦!
相浜港へは、館山自動車道・富浦ICを降りると、後は一本道だ。館山バイパス(国道127号)、北条バイパス(国道410号)を通り30~40分で海に出ると、相浜港への側道に出るのでそちらに進む。とても分かりやすく近く感じる。駐車場は港に停泊している大型船「安田丸」の目の前。荷物を降ろしたら船へと運び込むだけ。午前4時30分頃、安田智浩(みちひろ)船長が軽トラで到着。氷を貰い乗船開始。“午前船”の仕立。幹事の小西さんに撮影など取材へのご協力を快諾して頂き、船に乗り込んだ。
午前5時に出船
釣り座には人数分のコマセや付け餌、バケツ、貸し竿などがセットされていた。メンバーの方々に伺うと大半の方が「イサキ釣りは今回が初めて」で、半数が貸し竿を利用。自前のタックルを持ち込んでいる何人かは普段から様々な釣りをしているベテランだったが、多くは年に1、2度のこの会社のメンバーで釣りを楽しんでいるとのこと。釣り方は、片テン仕掛けのコマセ釣りで、コマセはアミ。3本バリ仕掛けの一番下にはオキアミを付け、上2本にはバイオベイトをチョン掛けにする。山の端から昇る眩しい太陽とともに「安田丸」は5時に出船した。
初心者、子供からベテランまでの混成チーム
最初の釣り場は航程10分程度の近場。相浜港のすぐ目の前は布良瀬という一級釣り場だ。タナは上から10m。イサキ釣りでは朝一は絶好のチャンスタイムだ。普通に乗合船の取材だったら、釣れた人に撮影をお願いしても「後にして」と断られてしまうこともある気合いの入る時間だが、この日は会社仲間の親睦会を兼ねた仕立。勿論、美味しいイサキを釣ることが最大の目的だが、目的の半分は仲間と美しい海で釣りを楽しむこと。そのおかげで朝の時合の取材もスムーズに。船中1匹目が左舷ミヨシ(船首)で上がると、船内に歓声があがり、これを皮切りにお隣(左舷ミヨシ2番)で2匹目が上がり、あちらこちらで竿が曲がり始めた。
2カ所目のポイントでイサキがブレーク!
暫くすると、船は大きく移動。「10分程走ります」と船長。「朝一のポイントは大型のイサキやシマアジなども回遊する場所でしたが、今日は水温が下がってしまい、コマセを撒いても思った程活性が上がって来なかったため移動を決めました」との事。この船長の決断が大当たり!「タナは12m。15mまで下ろしてコマセを撒きながら12mまで上げてください」。すると、右舷トモのお父さんと息子夫婦で参加された3人の息子さんが良型のイサキをダブルで。右舷胴の間(中央)では良型のメジナ、右舷ミヨシでも親子参加の息子さんにイサキ、左舷ミヨシのベテランはダブルでゲット!
船にイサキが付いて“入れ食いモード”に!
後半は、時たま移動するものの基本的には大流し。船長曰く、「船は、ポイントからはとっくに外れていて、もう1km位流されています」。イサキは、コマセが効くと流される船に付いて移動する。こうなると“入れ食いモード”に突入だ。左舷トモでは親子で参加の息子さんが、上乗りの松本菊夫さんの手ほどきを受けて、見事トリプルでイサキをゲット。左舷大ドモのベテランにはマダイ。足元のバケツにはどんどんイサキが溜まっていく。松本さんのアドバイスのおかげもあって、初めはぎこちなかった貸し竿の皆さんも、終盤にはポツリポツリとイサキを釣り上げるまでに上達。皆さんお土産十分。11時頃、笑顔マックスで沖上がりとなった。
平均30匹!今後はシマアジなども楽しみ!
この日は、20~38cmのイサキ5~50匹(平均30匹前後)にメジナやマダイ、ムツ交じり。初心者、子供からベテランまでの混成チームでこの成績は立派。竿頭は左舷胴の間の須釜さん。“大物賞”は右舷トモの渡辺さんのお父さん。皆さん、大漁おめでとうございました!
船長に今年のイサキについて尋ねると、「今からこれだけ釣れているということは、例年より群れが大きいかもしれません。今日は出ませんでしたが、シマアジも毎日のように交じっていますので、“青物”も今後楽しみです」とのこと。楽しく釣って美味しくいただく梅雨から夏が旬のイサキ釣り、是非出掛けて頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
○出船時間
午前5時(集合4時30分)
午後12時30分(集合12時)
○基本料金
午前:1万円(コマセ・付け餌・氷付き)
午後:9,000円(コマセ・付け餌・氷付き)
仕立料金は電話でお問い合わせください
※詳細は問い合わせを
この記事を書いたライター
0mの海面から水深1,000mの超深海までのレンジで、数cmのハゼやキスから、イカ・タコの軟体動物、数十kgのキハダやベニアコウまでの様々な魚を狙うフィッシング・ライター。