2019年06月01日公開
繊細でテクニカルな釣趣と、豊かな食味が魅力のマルイカ&ムギイカ。いよいよ手巻きリールで楽しめる浅場で釣れ始めたとの情報をキャッチ。心躍らせて神奈川県・平塚港『庄治郎丸』へ駆けつけた。
定刻より早めの出船!
『庄治郎丸』は、国道134号線の新湘南大橋の袂。店先で車の誘導をしてる船宿スタッフに声を掛けて、駐車場所を案内して貰う。停められるスペースが離れた場所なら、店前に荷物を降ろしてから車を置きに行く。カウンターで釣り物を伝えて乗船料を支払い、釣り座を選ぶ。船宿から船着場まではトラックで荷物を運んで貰えるのだが、その前に船宿左手の冷凍庫付近でスタッフに声を掛け、クーラーに氷を入れるのを忘れずに。休憩所でお茶を頂いていると「マルイカの方ぁ~!」と呼び出されるので、トラックへ荷物を積み込み船着場へと移動する。かくして予約の釣り人10名の乗船準備は滞りなく整い、定刻より早い5時50分に「第三庄治郎丸」は出船した。
竿入れからアタリ活発!
穏やかな相模湾を走ること40分。亀城根(カメギネ)周辺の水深40mから釣り開始。期待の1投目、着底から若干の静止の後に出たアタリをモノにしたのは大島さん(横浜市)。取り込まれたのはスルメイカの幼体“ムギイカ”。これを皮切りに次々と竿が曲がり、胴長12cm級のムギイカがあちらこちらの釣り座で取り込まれた。その後も周期的にパタパタッとアタるタイミングがあり、3杯に1杯くらいの割合でケンサキイカの幼体“マルイカ”が交じった。マルイカとムギイカの釣り分けは難しく、強いて言えば小さなスッテにマルイカが乗る傾向があるようだ。やはり3cm程の極小スッテは持っていて後悔の無いアイテムと見受けられる。
船長に訊いた「マルイカのコツ」
この釣りを始めたい釣り人へのアドバイスを船木正人船長に訊いた。「初心者に勧めているのは、ツノ数を4本位に減らして、枝スは長くなくて良いんですよ。直ブラとブランコの中間くらい。バレにくいし、抱きが良いから。これで釣れるとね“直結仕掛けの人がたくさん釣るから”って、次から仕掛けを換える人が居て、途端にボウズ(釣果0)になっちゃう。マルイカの釣りとしてはね、直結の方が楽しいんですよ。楽しいんだけど、この釣りをよく理解してからじゃないと難しい」とのこと。“マルイカ釣れなくなっちゃったな”と感じている貴方、思い当たるフシはないですか?「ブランコ仕掛けの巧い人ってのもウチのお客さんには居るんですよ」と話してくれた船長。本来、良く釣れて面白いマルイカ&ムギイカ釣り。これを小難しく考えずに、旧来のブランコ仕掛けをちょっと工夫して楽しめば、マルイカ釣りは決して難しい釣りでは無いのだと、成る程溜飲が下がる気がした。スランプに陥っている釣り師は是非、ブランコ仕掛けを改良した直ブラ仕掛けをお試し頂きたい。
連日の束超え!
雨が降ったり止んだり、風が吹いたり陽が射したりと天候も目まぐるしく変化し、アタリは多いが簡単な釣りではなかったこの日。竿頭はマルイカ6杯・ムギイカ19杯の計25杯を釣った渡辺さん(八王子市)。実はこの日、釣果の谷間のタイミングで、翌日には竿頭105杯、翌々日には148杯と驚きの釣れっぷり。「この記事が掲載される頃には水深20m以浅でマルイカ主体の釣りがスタートする見込み」(船長)とのことなので益々楽しみだ。腕に覚えのある釣り師は腕試しに、ビギナーのみなさんは気負わず気兼ねなくお気楽に、ベストシーズンを迎える『庄治郎丸』のマルイカ&ムギイカ釣りをお楽しみ頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
乗船料金:男性9,500円/女性&高校生まで5,500円(※HPに各種割引あり)
集合:船宿へ5:30までに
出船:6:15(変動あり、予約時に確認を)
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他