2019年08月15日公開
すっかり人気が定着した一つテンヤマダイ。鉛にハリを鋳込んだテンヤと呼ばれる道具にエビ餌のみというシンプルな仕掛けでアタリを取って掛ける。一年を通して楽しめる釣りでもある。茨城県・日立久慈沖で好成績が上がっていると聞き、日立久慈港『弘漁丸』に出掛けた。
釣り座は、花札のクジ引きで
常磐自動車道・日立南太田ICを降り10分程で日立久慈港へ。港入り口にあるコンビニに寄って午前4時過ぎに港へ到着。既に駐車場には車が停まっていた。船着場に設置されたテーブルに続々と釣り人が集まり受け付けを済ませる。乗船者が揃うと名物の釣り座決め花札クジ引きが始まった。皆さんクジを引く手に力が入る。釣り座が決まり、船に乗り込んで準備が整った5時14分、一つテンヤの人気振りが伺える片舷10人ずつ合計20人の満船での河岸払いとなった。
開始早々2.7kgマダイが顔を出す
最初のポイントへは10分程で到着。船が潮に馴染んだ5時半少し前、「おはようございます。用意出来た人からやっていいですよ。水深22m!」との船長アナウンスでスタート。各自思い思いに仕掛けを投入した。10分程流したころでジーッ、ジーッと右舷からドラグ音が響いた。大ドモ(船尾)の釣り人だ。竿を叩く引き込みはマダイを思わせる。間もなく真紅の魚体が浮上した。釣り上げたのは板橋さん(埼玉県)「自己記録の倍を更新しちゃったよ」と嬉しそう。計量結果は2.7kg。(巻頭写真)
エンジン切ってプレッシャーを消す
6時少し前、船長がエンジンを切って船を“どてら流し”にした。船を風や潮に自由に任せて広範囲に探れるのが特徴の流し方だが、エンジンを切ることで魚へのプレッシャーが少なくなるのも利点の一つだ。エンジンを切った静けさの中、穏やかな海の上、船体に当たる波の音を聞きながら釣りをするのはなかなか神秘的な感じで趣がある。
テンヤは、その日の潮の状況で潮上(ラインが船下へ入る側)の時は重めの号数、潮下(ラインが外へ出ていく側)では軽め号数とテンヤを使い分けるとよい。
多彩な“ゲスト”が顔を出す
6時を過ぎるとホウボウやヒラメなどの“ゲスト”の活性が上がって来た。中盤を過ぎるとマダイもポツリポツリ上がり出し終わって見れば沖メバル、マゾイ、ウマヅラ、カサゴ、トラフグ、イシガレイ、マダコ、ショウサイフグ、マハタ、ヒラメ、ハナダイなどの多彩な“ゲスト”が釣れていた。
船長に釣り方のコツを聞く
「テンヤをまめに巻き上げて入れ直す事が一番大事です。糸を出し過ぎるとオマツリの原因にもなるので注意が必要ですね。また、フォール中に食うことが多いので落とし直しを小まめに出来る人が数も型も出せると思います。初めての人でもアタリがあったら合わせる-これを繰り返せば“ゲスト”も含めて釣れるチャンスは十分ありますよ。これから秋口に掛けては、浅場で数が期待できると思います。ウチでは、一年中一つテンヤマダイを狙っているので是非チャレンジしに来てください」と小泉大輔船長。
シンプルな仕掛けで魚の引きをダイレクトに味わえ、多彩なゲストにも出会える一つテンヤマダイは、ビギナーの入門にも最適。時に大物に出会えるチャンスもある。一つテンヤマダイ、是非チャレンジして頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
乗船料金:1万円(餌1パック・昼食・氷付き)
※女性・小学生以下は2,000円割引き/餌のお替わり600円
集合時間:午前5時(予約時に確認を)
出船時間:準備が整い次第
貸し竿:500円(予約時に確認を)
この記事を書いたライター
マルイカ、ティップラン、ワカサギなどを中心に海水淡水を問わず釣りの帰りに温泉に立ち寄り、「釣り&温泉」をテーマに釣り歩く。