2019年10月01日公開
10月1日からヒラメ釣りが全面解禁となる千葉県・外房エリア。9月の部分解禁では「解禁直後に大物!」のニュースが集中した。となると、全面解禁後の狙い目は…!?居ても立っても居られず、解禁直前の大原港『長福丸』へ情報収集に出掛けた。
午前4時、休憩所に集合
『長福丸』の集合場所は、港前の“休憩所”。カーナビには「いすみ市大原10398-23」と入力する。休憩所の脇にかなり広い駐車場があるので、奥から詰めて駐車しよう。窓口オープン以前に到着したら、休憩所内カウンターにある船形から席札を取って釣り座を確保。荷物を降ろしたら店先の軽トラックに乗せ、車の鍵をキーハンガーへ預ける。窓口で乗船名簿の記入と乗船料の支払いをするのだが、クレジットカードや電子マネーでの決済も出来るとのこと。受け付けが済んだら、竿を持って船着場へ。歩いて直ぐの乗船場所なのだが、先の軽トラで船の傍に荷物は運ばれているので、氷を受け取って乗船。この一連の流れが非常にスムーズですこぶる楽ちん。出船間近になると各釣り座にお手ふきが配られ、席札の回収。釣り場まで1時間程度走るのでキャビンで休むよう促され、「第一長福丸」は滞りなく出船した。
簡単でない釣況、だが、そこが面白い
やや風の強い海を走ること1時間、太東沖に到着。船長が手際良く各釣り座に活きイワシを配布して「ハイ、行きましょう。支度出来たらやってみてください」のアナウンスでスタート。水深は31m、海底は根の点在する砂地。風が強いので船は結構な速度で流れているのだが、潮は動いていない模様。オモリで海底の地形や地質の変化を探りながら、魚からのシグナルを待つ“集中”と“辛抱”の釣りだ。この日は小生含め乗船の4人全員が細い道糸(PE1.5~2号)で釣るライトタックル(以下「LT」)の釣り。常に竿を手に持って底ダチを取り直したり魚の食いを誘ったり出来るLTは、この釣況に持って来いだ。
最初のアタリが訪れたのは「普段はカワハギばっかり」と言う藤井さん(品川区)。取り込まれたのはブリの若魚・ワカシ。続いて根のあるエリアで船尾のロコアングラー・斉藤さん(睦沢町)と胴の間(中央)の松田さん(港区)にダブルヒット。斉藤さんは食べ頃サイズのマハタ、松田さんにはワカシ。いずれも外房の美味しいフィッシュイーターたちなのだが“本命”の顔が見たい。船長はスパンカー(船尾の帆)を立てて、少しでも長く根のあるポイントに船を留める策に出た。結果はすぐに出て、松田さんの竿先に待望の“あの”アタリ。釣趣たっぷりの軟調竿を大いに曲げて浮かび上がったのは1kgオーバーのヒラメ。ウネリを躱し、誘いを工夫してようやく手にした“本命”に、松田さんの頬にも会心の笑みがこぼれた。
船長に訊く、LTヒラメのコツ
藤井俊輔船長にヒラメ釣りのコツを訊いた。「現在、海水温がやや高くイワシが弱るのが早いので、ちゃんと濡らした手で、ハリをバランス良く付けることが重要です」。この“ハリをバランス良く付ける”と言うこと。シンプルだが奥の深い提言なので、興味を持ったあなたは是非、乗船した際に1回船長にハリ付けお願いして、以後の参考にすることを薦たい。また、活き餌だからこそ手早く投入しようと焦って、イワシの扱いが雑になることはないだろうか。とにかく出来る限り丁寧にイワシを取り扱うことと、イワシが不自然な姿勢になったり回ったりしていないか、投入時にきちんと確認することも留意しておきたい。
10月からは浅場の釣りが解禁!
水深30~40mのツブ根を攻略したこの日。竿頭は月に8回以上乗船するという斉藤さん。これだけの常連さんでも苦戦した一日だったが、9月の部分解禁当初は7kg級の大ビラメも上がった今期の大原。「今は沖の深場で釣ってますが、10月からは浅い方も全面解禁になります。走って見てると浅い方にはイワシの気配もあるので、その辺はちょっと楽しみです。数も結構釣れるんじゃないかな」と船長の読みも期待充分。水深15m前後で釣るLTの釣りはイワシの挙動が手に取るように分かるのでスリル満点。解禁後の釣果情報を見てからなんて悠長に構えず、まずは釣り場に出向いてこの好機にしか味わえないドキドキ感を、心ゆくまで満喫して頂きたい。
今回利用した釣り船
出船データ
集合時間:船宿(休憩所)へ午前4時(変動あり、予約時に要確認を)
出船時間:準備出来次第
乗船料金:1万2,000円(活き餌・氷付き)
※女性9,000円、小中学生割引きあり
貸し竿:あり(予約時に要確認を)
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他