2019年11月15日公開
タチウオを追究し、1年を通して好釣果を出している『上(かみ)丸』。その中でも秋はベストシーズン。安定した釣果が続いている。旬のタチウオを求め、大阪府泉佐野市・北中通漁港に拠点を置く『上丸』に向かった。
釣具業界の“親睦会”に同船
この日は釣具量販店の店舗スタッフと釣具メーカースタッフの親睦を深める為に企画された実釣会という事で、出船前から様々なジャンルの釣り談義が聞こえてきた。耳を澄ますと普段は違う釣りを楽しんでいる人達も。そこにはエキスパートだらけの実釣会ではなく、ビギナー達の質疑応答も聞こえてくるという和気藹々とした雰囲気。果たしてドラゴンはゲット出来るのか?各々が期待を胸にする中、午前6時に出港した。
ポイントは大阪湾の南エリア!
小1時間のクルージングでポイントに到着。場所は洲本沖とも呼ばれる大阪湾の南エリア。しかし投入の合図が出る事も無く、村上利行船長はゆっくりと旋回しながら反応を見極めている。上乗りをしていた佳代船長に聞くと「ここ2、3日濁りが酷く、底潮の状態も悪いんです」とのこと。そしてようやく船長から投入合図。水深は120mだ。いつもとは雰囲気の違う幕開けに、全員が集中力を高めての第1投となった。
狙いは“デブゴン”!
この日は14人での出船。その中にはエキスパートも多数居る。海のコンディションが悪いとはいえ、すぐにタチウオの乱舞が見られるだろうと思ったが、小さいアタリが多くてフッキングまで至らずといった状況が目立つ。そしてタチウオはポツリポツリと姿を見せるのだが、バラシも多発。また、タチウオを狙う際、目標は“ドラゴンクラス”となる訳だが、長さはドラゴン(120cm)に少し足らないものの、ドラゴンクラス顔負けの太くて体高のある“デブゴン”と呼ぶ、良く肥えたタチウオが数釣れるのも『上丸』のウリであるが、今回はベルトサイズも目立っていた。村上利行船長は小刻みな移動を繰り返しながら、80~120mのラインを攻めつつ、釣り人からヒットしたタナを聞きながら底潮の状態をチェック。時には50~60mのタナを攻めるようにとアナウンスしていた。
“ステイ”と“アクション”でサイズアップ!
良型のタチウオも飛び出す中、皆さんの誘い方をチェックしていたのだが、皆が揃ってシャクリとステイ(ストップ&ゴー)を繰り返している。よく見る「デッドスロー」や「タダ巻き」をする人はいない。様々な環境を色々な釣り方で対応する“引き出し”という事になるのだが、のちに佳代船長から聞いた話によると、デッドスローで誘うと小型のタチウオも良くアタって来る為、型狙いであればそれなりのアクションを入れた方が良いとの事。そしてしっかりとステイを入れ、食わせるタイミングを作る事が重要と言う。今回は釣具業界で働く人達の親睦会。数より型狙いといった感じだ。タチウオビギナーの人達も、型を意識した釣りをしていた。また、日頃はお客さんへ釣り方や道具の使い方を説明しているだけあり、ビギナーへ説明している店舗スタッフの皆さんの姿に心強さを感じた。
これからが本番!
この日は終始潮が悪く、時折見える湧き上がりの鏡(湧昇流)の部分は濁った緑茶のような色だった。そんな中、慣れた人は数、型を揃え、普段は淡水の釣りメインというタチウオビギナーの人も、エキスパートの分かりやすい説明でタチウオをゲットしていた。また佳代船長によると「『上丸』では好釣果を目指し、常に努力してますが、たまには食い渋りの日に当たる事も…」さらに「今年は取材時に好釣果ばかりで“ヤラセ感”すら漂ってました(笑)。逆にこのような食い渋りの日と取材が重なり、それはそれで日頃の釣果に嘘偽り無いというアピールも出来るもんです」と笑みを浮かべる姿に余裕すら感じた。『上丸』で狙う大阪湾のタチウオはこれからが本番だ。
今回利用した釣り船
出船データ
車は阪神高速4号湾岸線泉佐野北IC降りて、住吉町の信号を右折、すぐの信号を左折。右手に「おさかなはうす」を越してすぐに乗船場入口がある。 電車は南海本線「井原里駅」より泉佐野食品コンビナートに向かい、突きあたりを左折。右手に「おさかなはうす」を越してすぐに乗船場入口がある。
(出船データ)
完全予約制
乗合船タチウオ1日便1万円。エサ・氷付き
女性・子供は2,000円引き
ポイントカード有り
レンタルタックル有り
無料駐車スペース有り
チャーター便も有り。要問い合わせ